2014年版 フレキシブルディスプレイ材料市場の展望と戦略~ガラスVS.フィルム~

フレキシブルデバイスは特に目新しいものではなく、電子ペーパーやOLEDの市場では以前から研究開発が進められてきた。業界内には、「フレキシブル」は新奇性はあるものの、デバイスに不可欠な性能ではなく、一時的に流行しても後に残る製品にはなりにくいという見方もある。しかし、最近になってウェアラブル端末の登場により身体の形状や動きに合わせて自由に曲げられるデバイスが注目されており、スマートフォン大手メーカーによる曲面ディスプレイ端末の投入から、将来のフレキシブル化に期待する向きもある。本調査レポートでは、フレキシブルデバイス基板及びカバーに使用される薄肉ガラス(Roll to Roll対応ガラス)に加え、耐熱フィルム、ハイバリアフィルム、高硬度フィルムなどを取り上げ、最新の状況を分析・考察した。

発刊日
2014/02/26
体裁
A4 / 83頁
資料コード
C56103720
PDFサイズ
2.0MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:国内におけるフレキシブルディスプレイ材料メーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、フレキシブルディスプレイ材料市場における現状と今後の動向の把握を目的とする。
調査対象:フレキシブルディスプレイ材料(ハイバリアフィルム、耐熱フィルム、高硬度フィルム、極薄板ガラス)
調査方法:直接面接取材をベースに、文献調査を併用
調査期間:2013年7月~2014年1月

資料ポイント
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機能性フィルムの究極の目標とも言える「ガラス代替」を狙い開発されているハイバリアフィルム、耐熱フィルム、高硬度フィルムについて、現在の市場及び用途開発の動向とともに、迎え撃つガラスメーカー各社のRoll to Roll対応の超薄肉ガラスの開発動向を取材

資料概要
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第1章:フレキシブルディスプレイ材料市場の展望
第2章:フレキシブルディスプレイ材料市場の動向
第3章:フレキシブルディスプレイ材料メーカーの展望と戦略

リサーチ内容

■掲載内容

第1章:フレキシブルディスプレイ材料市場の展望

2014年以降、フレキシブルデバイス市場は開拓期から形成期へ
(表)フレキシブルディスプレイの用途開発
ガラスvs.フィルム、双方に一長一短あり
ユーザーと共同での仕様の作りこみと早期のデファクト確立が求められる
開発提案の間口を広げ、幅広い分野での可能性を探ることが重要
加工との連携強化と「フレキシブルディスプレイ」に照準合わせたリソース配分は必須に

第2章:フレキシブルディスプレイ材料市場の動向

1.ハイバリアフィルム市場の動向
  電子デバイスのフレキシブル化でガラス代替のバリアフィルムに注目が集まる
  (表)バリアフィルムの主な種類
  (図)ハイバリアフィルムの機能と用途、参入メーカーのイメージ
  10-6g/㎡/dayレベルの超ハイバリアフィル市場は2014~2015年頃の立ち上がりに期待
  ガラスの薄肉・フレキシブル化でも工程内での破損リスクの無いフィルムに優位性あり
  10-3~10-4g/㎡/dayのハイバリアフィルムは既存技術・設備の応用での生産が可能
  フレキシブルディスプレイ量産化後の価格競争力で勝負
  (表)主なハイバリア~超ハイバリアフィルム概要
  (表)極薄板ガラスとハイバリアフィルムの価格比較
  (表)各種バリアフィルムの需要予測
2.耐熱フィルム市場の動向
  各社で開発は進むも実用化は一部に止まる
3.高硬度フィルム市場の動向
  表面硬度9Hの高硬度グレードの開発が進展
  基材や原料樹脂に遡った研究開発などコンバーティングの枠を超えた対応が求められる
4.超薄板ガラス市場の動向
  2013年に厚さ0.1mm以下、Roll to Roll対応の超薄板ガラスのリリース相次ぐ
  本格的な市場立上りは2015年前後となる見通し
  最大のネックであるプロセス内での破損リスクを防ぐソリューション開発が進展
  最大手Corningは独自のエッジタブ方式を武器にWillow GlassのR to Rを提案
  (表)各社の極薄板ガラス比較

第3章:フレキシブルディスプレイ材料メーカーの展望と戦略

凸版印刷株式会社
  透明蒸着フィルム「GLフィルム」はレトルト対応のハイバリア品に強み
  新規バリアフィルム「PRIME BARRIR」は電子部材のガラス代替も視野に
  2011年5月にクレハから譲授した「ベセーラ」と「GLフィルム」の技術融合など
  軟包材のトップメーカーとしてのシナジーを活かした展開を進める
  GLを超えるハイバリアシリーズ「PRIME BARRIER」を投入
  2014年以降、電子ペーパーや有機太陽電池などでの展開を睨んだ製品開発を推進

三菱樹脂株式会社
  シリカ蒸着技術の応用で食品包装から太陽電池まで幅広い領域をカバー
  従来のバリアフィルムとは一線を画すハイバリア品「X-BARRIER」では
  太陽電池フロントパネルに最適化した「VIEW-BARRIER」の早期量産化に取り組む

東レフィルム加工株式会社
  グローバルオペレーションの中で国内外の拠点での生産品を最適地に供給
  国内拠点では新規設備導入で生産効率を強化
  ハイバリアフィル「バリアトップ」04を東レと共同で展開
  耐屈曲性、透明性を武器にフレキシブルデバイス向けに提案を推進

尾池工業株式会社
  基盤技術の応用による高機能フィルム事業の一環として
  フレキシブルデバイス用のハイバリアフィルムを開発
  自社の基盤技術の応用と既存の量産ラインの活用で3×10-4g/㎡/dayレベルの性能を実現
  量産性を念頭に置いた製品開発と価格競争力で差別化
  平坦化フィルム、低抵抗透明導電性フィルムなど独自の高機能フィルムも積極的に投入

富士フイルム株式会社
  有機無機積層タイプの超ハイバリアフィルムは有償でのサンプル供給を開始
  優れた曲げ耐性と独自処方のバリア膜の品質で差別化
  ポリマー設計、Roll to Roll、品質評価・解析に関する独自技術を結集
  曲げ試験10万回でもバリア性を維持する性能を実現

コニカミノルタ株式会社
  Roll to Rollで10-6g/㎡/dayのハイバリアを実現する「Flexent」外販開始
  自社の有機EL照明向けの実績を武器に拡販に注力

グンゼ株式会社
  高耐熱、高硬度、透明導電など、様々な機能を付与した光学用フィルムで
  フレキシブルデバイスでのガラス代替ニーズの取り込みを図る
  高透明・高耐熱・高寸法安定の「Fフィルム」では
  OLEDやタッチパネル電極基板をターゲットに提案営業を推進
  9Hの表面硬度を実現する「HDフィルム」はカバーガラス代替に期待
  フレキシブルで量産性の高い銀メッシュフィルム「DPT」はTPのフレキシブル化に対応

帝人デュポンフィルム株式会社
  超高透明グレードなど、PENフィルムのラインナップを充実
  軽量化ニーズが見込める自動車関連向け出荷増に期待
  主な用途である磁気テープ向けは微減傾向が続く
  OLED基板向けは2012年に採用実績を挙げたものの、量産は当面先になるとの見方

東ソー株式会社
  ディスプレイ基板向け耐熱フィルムを開発中

東レ株式会社
  電機絶縁関連での新規採用によりPPSフィルムの販売拡大を推進
  磁気テープ向けに加え、アラミドフィルムの新用途展開を検討中
  PPSフィルムの主な用途はモータ電機絶縁向け、複合フィルムである「TLT」の販売も堅調
  無色透明アラミドフィルムでディスプレイ基板などへの展開を目指す

新日鉄住金化学株式会社
  高い鉛筆硬度とガラスライクな質感が評価され
  スマートフォンの再表面での採用が進展、ウェアラブル端末への期待が高まる
  表面硬度9Hの「J200」「J300」はカバーガラス代替としての検討も始まる

昭和電工株式会社
  ガラス並みの光学特性を持つ耐熱フィルム「ショウレイアル」の提案を推進
  アフターマーケットの保護フィルムで高透明、低複屈折が高く評価される
  飛散防止フィルムなど表面部材としての採用にも期待

リケンテクノス株式会社
  基材、表面処理とも独自に開発した高耐熱・高硬度フィルム
  「REPTY®DC100でガラス代替を目指す
  9Hの表面硬度と高温プロセスに対応した耐熱性を実現
  ニーズにカスタマイズした開発を推進し2014年夏頃の量産化を目指す

日本電気硝子株式会社
  オーバーフロー方式による表面平滑性の高い超薄板ガラスを展開
  超薄肉ガラス「G-Leaf」は最薄で35μm厚とロール to ロールにも対応
  破損リスクを低減するプロセス提案やITO膜付けなど、高付加価値化の提案を推進

ショット日本株式会社
  100μm以下の極薄ガラスでロール供給の提案を開始
  複数のガラス品種展開で多様なニーズに対応
  ユーザーニーズや用途に最適化したガラス品種やプロセスの提案力に強み

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