レストランでの「No Pork No Lard」の表示はハラール保証ではありません
近年、多くのレストランや食品に、豚肉や豚油を使用していないことを示す「No Pork No Lard」という表示がなされています。しかし、謳い文句は製品のハラール性を保証するものではありません。
イスラム教の教えでは、ハラールは単に豚肉を使っていないだけでなく、原材料の調達先、使用される添加物、加工に使用される材料に至るまで、製造工程全体を対象としています。BPJPHのような公認機関による公式なハラール認証がなければ、製品はハラール原則に沿わない要素を含むリスクが残ります。従って、ハラール認証を取得していないレストランでよく見かける「No Pork No Lard」の謳い文句は、食品のハラール性を保証するものではないことを消費者が理解することが重要です。
「No Pork No Lard」の表示は、特定のレストランで、特に食品のハラール性を気にする客への情報提供としてよく使われています。この表示は、提供される料理に豚肉や豚の油が含まれていないことを保証しているに過ぎません。この表示を使うきっかけとなったのは、海外のレストランがイスラム教徒の客への情報としてこのラベルを貼っていることです。
ただし、「No Pork No Lard」の表示があるからといって、必ずしもそのレストランの全メニューが完全にハラールであることを保証するものではないことを理解しておく必要があります。これは、BPJPHによって明確にハラール認定されているレストランとは大きく異なります。食品のハラール性は、豚肉やその由来品が含まれていないことだけでなく、製造工程全体にも影響されます。ハラーム由来の原材料が含まれて、製造工程がハラール基準を満たしていない場合、食品は非ハラールとなります。