国際エネルギー機関(IEA)によると2016年の世界のEV、PHVの累計販売台数は前年比6割増の200万台、中国は65万台と倍増し、米国の56万台を抜いてトップとなった。その中国は、9日、「ガソリン、ディーゼル車の全面禁止に向けてのロードマップ作成に着手する」と発表した。これは2040年までにガソリン、ディーゼル車の販売を禁止すると表明した英仏に続くものであり、次世代自動車の枢勢は一気にEVへ傾いた。
EVの量産化はもともと日本勢が先行してきた。しかし、プリウスに代表されるハイブリッドがエコカー市場の主役となる中、技術、マーケティング両面において海外EV勢の存在感が高まる。中国は2018年から新エネルギー車(NEV)の販売台数を義務付けるが、中国が定義するNEVにハイブリッドは含まれない。中国は「技術の完全なリセット」をもってガソリン車市場で遅れをとった国内勢を後押しする。
9日、日産は航続距離400㌔の新型リーフを発表、ホンダもEV専用プラットフォームを採用した欧州向けコンセプトカーを発表した。EVで遅れをとったトヨタも2020年までに量産化体制を整える。一方、日本市場そのもののレギュレーションを変更するとの声は聞こえて来ない。21世紀半ば、日本が世界のガソリン車の在庫処分場にならないよう願う。