海外におけるレーザー研究開発動向調査
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発刊日
2006/09/25
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体裁
A4 / 190頁
資料コード
C48107100
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調査概要
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本書は、海外におけるレーザ技術開発の最新の動向をまとめたものである。
レーザはすでに産業分野、研究開発分野、国防関連等の様々な分野で幅広く利用されており、また新しいレーザ技術の研究開発も欧米日を中心として世界的に展開されている状況にある。
開発され、すでに利用に供されているレーザの種類は非常に多いが、今回は、いわゆる産業用レーザを対象として海外の技術開発状況を調査した。産業用レーザといってもその対象領域は徐々に広がり、現在では溶接・切断・表面処理等の機械製造の分野のみならず、マーキング・トリミング・スクライビング等を行なう電子・半導体製造分野、治療・診断等の医療及びバイオ分野など広範に利用されるようになった。このような利用領域の拡大に対応すべく各種の先進的レーザ装置が開発されているが、その基本概念・基礎技術は欧米発であることが多い。
そこでまず、第1章では海外のレーザ技術開発プロジェクトを概観する。海外のレーザ技術開発は、諸外国の政府機関がスポンサーとなり主導して進められることが多い。米国では、従来から国防との関連でレーザ開発が進められていた経緯から、米国国防省のDARP(Defense Advanced Research Project Agency)が主導して、現在、高効率な半導体レーザ技術開発を進めている。一方、欧州におけるレーザ開発のリーダともいえるドイツでは、従来から独・科学技術省(BMBF)が主導して、レーザ技術の開発を進めている。
したがって、ここでは特に米・独のレーザ技術開発における国家プロジェクトを中心に、その歴史と現在の取組状況を述べる。なお、わが国においても従来からレーザ技術開発の国家プロジェクトが進められてきたことから、参考として、その経緯について簡単に触れることにする。なお、今後暫くの間は、幅広い産業利用を意識した、より高効率・高出力・高信頼の半導体レーザの研究開発が各国で継続されるであろう。
また、中国の状況についても述べる。アジアでは、主として中国が欧米との技術協力により光・レーザ産業の振興を図ろうとしている。中国の国家情報産業部が、光電子素材・部品、光ファイバ、レーザ機器等製造の発展を図るべく、“光谷(Optics Valley)”計画を進めている。現状では、レーザ技術(生産技術等含む)の強化は、まだこれからの課題で、各種の支援が必要とされる状況にある。例えば、ドイツは、将来の巨大市場とされる中国との結びつき強化のため、中国にレーザ技術者・技能者育成のための学校を作るなどして熱心に支援している。レーザ技術に関し、現在のところはまだ技術導入の段階であるが、将来は世界的に影響力のある生産拠点に成長する可能性もある。
次いで第2章では個々のレーザ技術開発の動向について述べる。対象としたのは、主として固体レーザと半導体レーザである。固体レーザはディスクレーザやファイバレーザに代表されるように比較的新しい概念のレーザが含まれ、今後とも技術的進展が期待される。同様に超短パルスレーザ、波長変換による短波長固体レーザも幅広く産業利用が期待されるところである。半導体レーザはNd:YAGやファイバレーザの励起用では普及しているが、加工への直接利用のさらなる普及が望まれている。
まずLD励起Nd:YAG等の高出力固体レーザに関しては、2000年前後から実際の製造現場で普及し始め、技術的にはほとんど成熟段階といえる。したがって、ここでは比較的新しい概念のYbディスクレーザを中心に技術動向をまとめる。ディスクレーザは通常のロッド型レーザに比べて、ビーム品質、励起効率等が非常に優れており、今後とも産業分野での利用拡大が期待される。また、高出力固体レーザの応用分野の一つであるレーザ溶接技術の動向についても述べる。従来のアーク溶接やランプ励起レーザに比べて高品位な溶込み溶接が可能なことから、引続き高出力固体レーザの重要な適用領域である。
具体的には、比較的新しいテーマであるディスクレーザに関して個別的に開発状況をまとめた。高出力レーザの開発のみならず、短パルスの発生や、その概念を応用した半導体ディスクレーザの開発等今後の進展が期待されそうなテーマが見受けられる。
溶接は高出力固体レーザの重要な応用分野であるため、その動向をまとめた。これまではLD励起YAGレーザやCO2レーザが主に用いられてきたが、近年高出力のディスクレーザやファイバレーザが製品化され、自動車等の溶接への適用が始まっている。レーザ溶接における、これら各種レーザ装置の性能・適応性を比較検討した研究もいくつか行われており、その概要をまとめた。高出力のファイバレーザ等はビームが絞れるため、溶込みの深い高速の溶接を可能とし徐々に普及するであろう。また、新しい溶接技術として、今後の普及が期待されているリモート溶接についても、その概要と各メーカの製品化状況をまとめている。スキャンニング機能を強化した、この溶接方法は今後普及する可能性がある。
半導体レーザは、近年新規に市場参入するメーカも多々あり、技術開発が活発である。かなり急速に高出力・高効率化が図られつつある。LD励起固体レーザの普及は励起用の半導体レーザの低価格化が必須と言われていたが、性能・価格・信頼性の面で市場要求に近いところまで到達しつつあると言える。したがって、ここではテーパ形状の共振器構造を有するダイオードや可視波長半導体レーザの動向も含めて、高効率化、高効率化、高信頼化の技術動向について述べる。
具体的には、すでに出力100Wを超えるバーの製品があり、今後益々高出力・高効率のレーザが開発されるであろう。レーザダイオードの高効率化は省エネに寄与し、また、ダイオードの信頼性が向上し寿命が延びてきていることと合わせて、運転コストの低減に直接結びつく。そのため、ここ2~3年でかなりの技術的進展が見られる。各メーカ・研究機関では、半導体材料の選択やエミッタ形状を工夫することによって、より高性能な半導体レーザ開発を目指している。
ファイバレーザでは、最近すでに10kW以上の高出力レーザが製品化されており、今後ますます普及が期待されるレーザである。ミクロンオーダの細いガラスファイバを発振媒体とするため本質的にビーム品質が良い。現在少数の製造メーカしか製品を販売していないが、新規参入等による市場の活性化が期待される。ここでは、高出力CWファイバレーザ、パルスファイバレーザ、及び比較的新しいフォトニック・クリスタル・ファイバ(PCF)を用いたファイバレーザの動向について述べ、また適用技術の例として、ファイバレーザによる溶接技術についても触れる。
具体的には、すでに出力10kWを超える製品が発売されている高出力タイプのレーザのみならず、微細加工・マーキング等に有用なパルスレーザ、屋外計測で必要とされるアイセーフレーザ、さらにファイバ内に空孔を周期的に配列したPCFを使ったファイバレーザの開発状況についてもまとめた。回折限界に近いビーム品質、冷却性能の良さ等数々の特長を有するファイバレーザは、適用範囲の広がりが期待できる。
超短パルスレーザとしては、Ti:Sapphireレーザ、ファイバレーザがすでに製品化されている。特有の優れた加工特性を有するものの、装置がまだ高価であり、取扱い性が良くないことから産業用として十分普及がなされていない。しかし半導体レーザで直接励起が可能なYb:KGW等の材料も開発・製品化されるなど、技術開発は逐次進展している。ファイバの超短パルスレーザは冷却性に優れ、光学系がシンプルである等の優位性があり、パルスの高エネルギー化を主体とした開発が進められている。ここでは、Ti:Sapphireを含む固体媒質及びファイバの超短パルスレーザに関する技術開発動向を述べる。
具体的には、Ti:Sapphireを代表とするフェムト秒レーザが研究用や計測用にはかなり広く使われているが、レーザ加工分野への普及はまだそれほど進んでいない。レーザ発振器自体の性能にかかる部分もあるが、レーザ(グリーン)でレーザを励起するシステムの複雑さや取扱いの悪さに起因するところもあると言われている。しかし、レーザダイオードで直接励起できる媒体を用いて産業利用を想定したピコ秒・フェムト秒のレーザシステムもいくつか製品化されており、さらなる普及が期待される。また、ファイバの超短パルスレーザは、冷却性能の良さに加えて、高繰返し・高品質のパルスが発生できる特長があり、パワーアップに向けた技術開発が行われている。
短波長レーザに関しては、エキシマレーザが波長308nm以下のUV波長出力するレーザとして重要な位置を占める。また、1μmレーザビームの波長変換による短波長固体レーザ技術もかなり急速に進展している。近年の電子・半導体産業において短波長レーザの重要性が高まり、特に半導体ウェハの加工、FPDのアリーリング加工など短波長レーザでなくてはならない応用分野が広がっている。こうした状況に基づき、最近のエキシマレーザ及び短波長固体レーザの技術動向を述べる。
具体的には、微細加工分野で従来から使われているエキシマレーザとともに、最近高出力化され、UV波長の特性を生かした微細穴あけやウェハ加工等へ適用されるようになった波長変換UV固体レーザについてもまとめた。エキシマレーザは高繰返し・高エネルギーのビームにより広い範囲を一度で加工できることからアニーリングやマスク加工での重要な位置付けは変わりない。一方、UV(THG)固体レーザは、加工性能向上のため、現在の出力20Wをさらに向上させる技術開発が進められており、60W以上のTHGビーム発生の見通しが得られている。また、グリーン光(532nm)や青緑光(4xx nm)のレーザについては、従来のArレーザ等の置換えやディスプレイ、バイオ計測等で重要なレーザであり、適用範囲の広がりが期待できる。
第3章では海外の主要なレーザメーカの事業概要、製品化状況等について述べる。現在、大小合わせておそらく数百社以上のレーザ装置の製造メーカがあるものと思われるが、本書では、海外の各レーザメーカとその製造しているレーザ装置種別との対応について、一覧表にまとめている。さらに、レーザ技術開発・製品化開発の観点から重要な、また特徴的な製品を開発・製造しているメーカの概略の事業概要、製品化状況、研究開発状況等を述べる。レーザメーカは比較的規模の小さい会社が多くあり、それぞれ特徴的な製品を出している。これらは主として研究開発型の企業であり、今後どのような製品が開発され、市場が形成されていくかは興味深いところである。また、なお、一部の海外主要メーカの詳細については、既刊の「レーザ加工機市場の現状と将来展望 200年度版」に記載している。
【掲載メーカ一覧】
レーザはすでに産業分野、研究開発分野、国防関連等の様々な分野で幅広く利用されており、また新しいレーザ技術の研究開発も欧米日を中心として世界的に展開されている状況にある。
開発され、すでに利用に供されているレーザの種類は非常に多いが、今回は、いわゆる産業用レーザを対象として海外の技術開発状況を調査した。産業用レーザといってもその対象領域は徐々に広がり、現在では溶接・切断・表面処理等の機械製造の分野のみならず、マーキング・トリミング・スクライビング等を行なう電子・半導体製造分野、治療・診断等の医療及びバイオ分野など広範に利用されるようになった。このような利用領域の拡大に対応すべく各種の先進的レーザ装置が開発されているが、その基本概念・基礎技術は欧米発であることが多い。
そこでまず、第1章では海外のレーザ技術開発プロジェクトを概観する。海外のレーザ技術開発は、諸外国の政府機関がスポンサーとなり主導して進められることが多い。米国では、従来から国防との関連でレーザ開発が進められていた経緯から、米国国防省のDARP(Defense Advanced Research Project Agency)が主導して、現在、高効率な半導体レーザ技術開発を進めている。一方、欧州におけるレーザ開発のリーダともいえるドイツでは、従来から独・科学技術省(BMBF)が主導して、レーザ技術の開発を進めている。
したがって、ここでは特に米・独のレーザ技術開発における国家プロジェクトを中心に、その歴史と現在の取組状況を述べる。なお、わが国においても従来からレーザ技術開発の国家プロジェクトが進められてきたことから、参考として、その経緯について簡単に触れることにする。なお、今後暫くの間は、幅広い産業利用を意識した、より高効率・高出力・高信頼の半導体レーザの研究開発が各国で継続されるであろう。
また、中国の状況についても述べる。アジアでは、主として中国が欧米との技術協力により光・レーザ産業の振興を図ろうとしている。中国の国家情報産業部が、光電子素材・部品、光ファイバ、レーザ機器等製造の発展を図るべく、“光谷(Optics Valley)”計画を進めている。現状では、レーザ技術(生産技術等含む)の強化は、まだこれからの課題で、各種の支援が必要とされる状況にある。例えば、ドイツは、将来の巨大市場とされる中国との結びつき強化のため、中国にレーザ技術者・技能者育成のための学校を作るなどして熱心に支援している。レーザ技術に関し、現在のところはまだ技術導入の段階であるが、将来は世界的に影響力のある生産拠点に成長する可能性もある。
次いで第2章では個々のレーザ技術開発の動向について述べる。対象としたのは、主として固体レーザと半導体レーザである。固体レーザはディスクレーザやファイバレーザに代表されるように比較的新しい概念のレーザが含まれ、今後とも技術的進展が期待される。同様に超短パルスレーザ、波長変換による短波長固体レーザも幅広く産業利用が期待されるところである。半導体レーザはNd:YAGやファイバレーザの励起用では普及しているが、加工への直接利用のさらなる普及が望まれている。
まずLD励起Nd:YAG等の高出力固体レーザに関しては、2000年前後から実際の製造現場で普及し始め、技術的にはほとんど成熟段階といえる。したがって、ここでは比較的新しい概念のYbディスクレーザを中心に技術動向をまとめる。ディスクレーザは通常のロッド型レーザに比べて、ビーム品質、励起効率等が非常に優れており、今後とも産業分野での利用拡大が期待される。また、高出力固体レーザの応用分野の一つであるレーザ溶接技術の動向についても述べる。従来のアーク溶接やランプ励起レーザに比べて高品位な溶込み溶接が可能なことから、引続き高出力固体レーザの重要な適用領域である。
具体的には、比較的新しいテーマであるディスクレーザに関して個別的に開発状況をまとめた。高出力レーザの開発のみならず、短パルスの発生や、その概念を応用した半導体ディスクレーザの開発等今後の進展が期待されそうなテーマが見受けられる。
溶接は高出力固体レーザの重要な応用分野であるため、その動向をまとめた。これまではLD励起YAGレーザやCO2レーザが主に用いられてきたが、近年高出力のディスクレーザやファイバレーザが製品化され、自動車等の溶接への適用が始まっている。レーザ溶接における、これら各種レーザ装置の性能・適応性を比較検討した研究もいくつか行われており、その概要をまとめた。高出力のファイバレーザ等はビームが絞れるため、溶込みの深い高速の溶接を可能とし徐々に普及するであろう。また、新しい溶接技術として、今後の普及が期待されているリモート溶接についても、その概要と各メーカの製品化状況をまとめている。スキャンニング機能を強化した、この溶接方法は今後普及する可能性がある。
半導体レーザは、近年新規に市場参入するメーカも多々あり、技術開発が活発である。かなり急速に高出力・高効率化が図られつつある。LD励起固体レーザの普及は励起用の半導体レーザの低価格化が必須と言われていたが、性能・価格・信頼性の面で市場要求に近いところまで到達しつつあると言える。したがって、ここではテーパ形状の共振器構造を有するダイオードや可視波長半導体レーザの動向も含めて、高効率化、高効率化、高信頼化の技術動向について述べる。
具体的には、すでに出力100Wを超えるバーの製品があり、今後益々高出力・高効率のレーザが開発されるであろう。レーザダイオードの高効率化は省エネに寄与し、また、ダイオードの信頼性が向上し寿命が延びてきていることと合わせて、運転コストの低減に直接結びつく。そのため、ここ2~3年でかなりの技術的進展が見られる。各メーカ・研究機関では、半導体材料の選択やエミッタ形状を工夫することによって、より高性能な半導体レーザ開発を目指している。
ファイバレーザでは、最近すでに10kW以上の高出力レーザが製品化されており、今後ますます普及が期待されるレーザである。ミクロンオーダの細いガラスファイバを発振媒体とするため本質的にビーム品質が良い。現在少数の製造メーカしか製品を販売していないが、新規参入等による市場の活性化が期待される。ここでは、高出力CWファイバレーザ、パルスファイバレーザ、及び比較的新しいフォトニック・クリスタル・ファイバ(PCF)を用いたファイバレーザの動向について述べ、また適用技術の例として、ファイバレーザによる溶接技術についても触れる。
具体的には、すでに出力10kWを超える製品が発売されている高出力タイプのレーザのみならず、微細加工・マーキング等に有用なパルスレーザ、屋外計測で必要とされるアイセーフレーザ、さらにファイバ内に空孔を周期的に配列したPCFを使ったファイバレーザの開発状況についてもまとめた。回折限界に近いビーム品質、冷却性能の良さ等数々の特長を有するファイバレーザは、適用範囲の広がりが期待できる。
超短パルスレーザとしては、Ti:Sapphireレーザ、ファイバレーザがすでに製品化されている。特有の優れた加工特性を有するものの、装置がまだ高価であり、取扱い性が良くないことから産業用として十分普及がなされていない。しかし半導体レーザで直接励起が可能なYb:KGW等の材料も開発・製品化されるなど、技術開発は逐次進展している。ファイバの超短パルスレーザは冷却性に優れ、光学系がシンプルである等の優位性があり、パルスの高エネルギー化を主体とした開発が進められている。ここでは、Ti:Sapphireを含む固体媒質及びファイバの超短パルスレーザに関する技術開発動向を述べる。
具体的には、Ti:Sapphireを代表とするフェムト秒レーザが研究用や計測用にはかなり広く使われているが、レーザ加工分野への普及はまだそれほど進んでいない。レーザ発振器自体の性能にかかる部分もあるが、レーザ(グリーン)でレーザを励起するシステムの複雑さや取扱いの悪さに起因するところもあると言われている。しかし、レーザダイオードで直接励起できる媒体を用いて産業利用を想定したピコ秒・フェムト秒のレーザシステムもいくつか製品化されており、さらなる普及が期待される。また、ファイバの超短パルスレーザは、冷却性能の良さに加えて、高繰返し・高品質のパルスが発生できる特長があり、パワーアップに向けた技術開発が行われている。
短波長レーザに関しては、エキシマレーザが波長308nm以下のUV波長出力するレーザとして重要な位置を占める。また、1μmレーザビームの波長変換による短波長固体レーザ技術もかなり急速に進展している。近年の電子・半導体産業において短波長レーザの重要性が高まり、特に半導体ウェハの加工、FPDのアリーリング加工など短波長レーザでなくてはならない応用分野が広がっている。こうした状況に基づき、最近のエキシマレーザ及び短波長固体レーザの技術動向を述べる。
具体的には、微細加工分野で従来から使われているエキシマレーザとともに、最近高出力化され、UV波長の特性を生かした微細穴あけやウェハ加工等へ適用されるようになった波長変換UV固体レーザについてもまとめた。エキシマレーザは高繰返し・高エネルギーのビームにより広い範囲を一度で加工できることからアニーリングやマスク加工での重要な位置付けは変わりない。一方、UV(THG)固体レーザは、加工性能向上のため、現在の出力20Wをさらに向上させる技術開発が進められており、60W以上のTHGビーム発生の見通しが得られている。また、グリーン光(532nm)や青緑光(4xx nm)のレーザについては、従来のArレーザ等の置換えやディスプレイ、バイオ計測等で重要なレーザであり、適用範囲の広がりが期待できる。
第3章では海外の主要なレーザメーカの事業概要、製品化状況等について述べる。現在、大小合わせておそらく数百社以上のレーザ装置の製造メーカがあるものと思われるが、本書では、海外の各レーザメーカとその製造しているレーザ装置種別との対応について、一覧表にまとめている。さらに、レーザ技術開発・製品化開発の観点から重要な、また特徴的な製品を開発・製造しているメーカの概略の事業概要、製品化状況、研究開発状況等を述べる。レーザメーカは比較的規模の小さい会社が多くあり、それぞれ特徴的な製品を出している。これらは主として研究開発型の企業であり、今後どのような製品が開発され、市場が形成されていくかは興味深いところである。また、なお、一部の海外主要メーカの詳細については、既刊の「レーザ加工機市場の現状と将来展望 200年度版」に記載している。
【掲載メーカ一覧】
1)Aculight Corporation(www.aculight.com)
2)Alfalight, Inc.(www.alfalight.com)
3)Alpes Lasers(www.alpeslasers.ch)
4)Alphalas GmbH(www.alphalas.com)
5)ATC-Semiconductor Devices(www.atcsd.ru)
6)Bookham Inc.(www.bookham.com)
7)Bright Solutions s.r.l.(www.brightsolutions.it)
8)Cascade Technologies(www.cascade-technologies.com)
9)Clark-MXR Inc.(www.cmxr.com)
10)Cobolt AB(www.cobolt.se)
11)Coherent Inc.(www.coherent.com)
12)Corelase(www.corelase.com)
13)Cutting Edge Optronics Inc.(www.st.northropgrumman.com/ceolaser)
14)Cymer Inc.(www.cymer.com)
15)DILAS Diodenlaser GmbH(www.dilas.de)
16)EKSPLA(www.ekspla.com/en)
17)Exitech Ltd.(www.exitech.co.uk)
18)FEMTOLASERS Produktions GmbH(www.femtolasers.com)
19)FISBA OPTIK AG(www.fisba.ch)
20)GSI Group Inc.(www.lumonics.com)
21)HighQ laser(www.highqlaser.com)
22)Innolas GmbH(www.innolas.com)
23)IPG Photonics Corporation(www.ipgphotonics.com)
24)JDSU Inc.(www.jdsu.com)
25)JENOPTIK Laserdiode GmbH(www.jold.com)
26)Lambda Physik(www.lambdaphysik.com)
27)LASAG AG Industrial-Lasers(www.lasag.com)
28)Laser2000 GmbH(www.laser2000.de)
29)Laserex Technologies Ltd.(www.laserex.net)
30)LASERLINE GmbH(www.laserline.de)
31)LIMO Lissotschenko Mikrooptik GmbH (limo-microoptic.de)
32)m2k-Laser GmbH(www.m2k-laser.de)
33)nLight Corporation(www.nlightphotonics.com)
34)Nuvonyx Inc.(www.nuvonyx.com)
35)OSRAM Opto Semiconductors GmbH(www.osram-os.com)
36)Östling Markiersysteme GmbH(www.ostling.com)
37)Quantel(www.quantel.fr)
38)Quantronix Corporation(www.quantronixlasers.com)
39)Rofin Sinar Laser GmbH(www.rofin.com)
40)Sacher Lasertechnik GmbH(www.sacher.de)
41)Southampton Photonics Inc.(SPI)(www.spilasers.com)
42)Spectra-Physics(www.spectra-physics.com)
43)Synrad Inc.(www.synrad.com)
44)Thales Laser(thales.nuxit.net)
45)TOPTICA Photonics AG(www.toptica.com)
46)Trotec GmbH(www.troteclaser.com)
47)Trumpf GmbH(www.trumpf.com)
リサーチ内容
第1章 海外のレーザ技術開発プロジェクトの動向
1.概要
2.これまでの経緯
第2章 海外のレーザ技術開発の動向
1.概要
2.高出力固体レーザ技術の動向
第3章 海外レーザメーカの動向
1.概要
2.主要レーザメーカの概要
1.概要
2.これまでの経緯
[参考] わが国のレーザ技術開発プロジェクトの変遷3.海外プロジェクトの最近の動向
3-1.米国の動向4.中国の光・レーザ産業の動向
3-2.欧州の動向
4-1.「光谷」計画の概要5.将来の展望
4-2.他国による支援状況
参考文献
第2章 海外のレーザ技術開発の動向
1.概要
2.高出力固体レーザ技術の動向
2-1.概要3.半導体レーザ技術の動向
2-2.ディスクレーザの動向
2-3.レーザ溶接技術の動向
(1)高出力固体レーザによる溶接
(2)ファイバレーザによる溶接
(3)新しい溶接技術(リモート溶接等)
参考文献
3-1.概要4.ファイバレーザ技術の動向
3-2.高出力化技術
3-3.高効率化技術
3-4.高輝度化技術
3-5.高信頼化技術
参考文献
4-1.概要5.超短パルスレーザ技術の動向
4-2.高出力ファイバレーザ
[参考] わが国のファイバレーザ開発
4-3.パルス・ファイバレーザ
4-4.アイセーフ・ファイバレーザ
4-5.PCFレーザ
参考文献
5-1.概要6.短波長レーザ技術の動向
5-2.バルクの超短パルスレーザ
5-3.超短パルス・ファイバレーザ
参考文献
6-1.概要
6-2.エキシマレーザ
6-3.波長変換固体レーザ
参考文献
第3章 海外レーザメーカの動向
1.概要
2.主要レーザメーカの概要
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