2011年版 プラスチック軽量容器市場の徹底分析
プラスチック軽量容器市場においては、個食化の進展や電子レンジの普及を背景に、容器から調理器具への進化が始まっております。参入企業各社においては、こうした状況下、「素材×機能×食シーン」を重視した製品開発を進め、エンドユーザーとの関係強化を目指した提案営業を行っております。本調査レポートでは、PSP容器、PP系容器、PET系容器、PS系容器、PSPシート、A-PETシート、OPSシートの素材別に調査。プラスチック軽量容器市場の将来を展望いたしました。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- PSP容器、PP系容器、PET系容器、PS系容器、PSPシート、A-PETシート、OPSシートの素材別に下記項目を調査
- 調査項目
(1)市場規模推移(2009年~2010年実績、2011年見込み、2012年予想)
(2)個別メーカー動向 ①生産体制、②販売動向、③主力製品・注力製品の特徴、④開発動向 - 参入企業の動向を調査
- 調査対象企業
エフピコ、中央化学、シーピー化成、リスパック、デンカポリマー、アテナ工業、ギンポーパック、コバヤシ、
積水化成品工業、JSP、サンディック、電気化学工業、ダイセルポリマー、ポリテック、ウツミリサイクルシステムズ、
オージェイケイ
■本資料の概要
第1章:プラスチック軽量容器市場の展望
第2章:プラスチック軽量容器の市場動向
第3章:プラスチック軽量容器メーカーの展望と戦略
第4章:プラスチックシートの市場動向
第5章:プラスチックシートメーカーの展望と戦略
■掲載内容
第1章:プラスチック軽量容器市場の展望
垂直統合や独自販売チャネルの開拓など新市場創造モデルも試される変容遂げる容器メーカー
プラスチック軽量容器市場は2011年に72万t規模へ
年初からの原材料価格の急騰を受け、価格競争は沈静化の兆し
(表) 大手容器メーカーの戦略
(表・図) 主要素材別プラスチック軽量容器 市場規模推移
エンドユーザーとの関係強化を目指した提案営業が活発化
先行するエフピコは再生レジン供給により事業領域を川上へ拡張
(表) メーカー別 原反の調達先および内製化率
ブランド確立による指名買いの獲得で収益性向上につなげる
第2章:プラスチック軽量容器の市場動向
〔1〕PSP容器市場
カップ麺向けが牽引し、PSP容器市場は2011年にプラス成長に転じる
トレー市場は物流と「エコトレー」で競争力を高めるエフピコの一人勝ちの様相に
(表) PSP容器 市場規模推移
(表・図) PSP容器メーカー原反使用状況からみたシェア推移
(表) PSP容器メーカーの原反使用状況から見た用途別出荷量推移
(表) PSP原反出荷量推移
メーカー各社は蓋材とのセット販売によるPSP弁当容器の販売を強化
エフピコ「MFP」はパスタやスープ、弁当・丼容器などとして採用が拡大傾向に
PSPどんぶりは紙化・PP化の圧力が強まりをみせる
PSP容器のリサイクル状況
〔2〕PP系軽量容器市場
(1)PPフィラー入り単層容器、PP/PSアロイ容器
リスパックが戦略的な価格設定でバイオPPフィラー容器を市場に投入
エフピコ「MFP」、中央化学「SD」と耐熱新素材が出揃い、競争は2012年が正念場
(表) PPフィラー容器 市場規模推移
(表・図) PPフィラー容器 メーカーシェア推移
(2)発泡PP容器
2011年に中央化学が発泡倍率5倍のPP系新素材「SD」を上市
ギンポーパック「パルファイン」は炊き込みご飯など半調理食品容器として採用が拡大
(表) 発泡PP系容器 市場規模推移
(表・図) 発泡PP容器 メーカーシェア推移
〔3〕PET系軽量容器市場
エフピコ、リスパックの2強が順調に出荷量を伸ばし、市場規模は2012年に15万t超えへ
(表) A-PET容器 市場規模推移
一軸延伸PETトレーは好調推移、二軸延伸PET容器は2012年夏に量産化がスタート
(表・図) A-PET容器メーカーシェア推移
PLA容器は大手原料メーカーの量産効果による低価格化が進展
バイオPET容器は2012年の上市が計画される
〔4〕PS系軽量容器市場
(1)OPS容器・蓋材
2007年をピークにOPS容器市場はマイナストレンドが続く
深絞り成形グレードの上市を受け、2012年は「蓋」が大きなテーマに
(表) OPS容器 市場規模推移
(表・図) OPS容器 メーカーシェア推移
2011年は一軸PETとの競争を見据えたトレーの新型投入、アイテム追加が相次ぐ
(2)PS単体容器(真空・圧空)
市場はマイナス成長が続くも、清涼感や高級感を演出できるPSソリッド容器の上市も始まる
(表) PSソリッド容器 市場規模推移
(表・図) PSソリッド容器 メーカーシェア推移
第3章:プラスチック軽量容器メーカーの展望と戦略
株式会社エフピコ
2011年3月期は過去最高益を更新
トップシェア固めへ総合力にさらに磨きをかける
2011年5月に中部リサイクル工場のメカニカルリサイクルプラントが稼動
PETリサイクル事業の構築により、再生レジンメーカーに事業領域を拡大へ
2011年5月に新中部ピッキングセンターが稼動、新関東工場は2012年4月の竣工へ
PSP容器ではエコトレーの需要が順調に拡大
新素材「MFP」は電子レンジ加熱対応の麺容器での展開を強化
A-PET容器の出荷量は2011年に6万t規模にまで拡大
一軸延伸トレーは好調推移、二軸延伸容器は2012年夏の市場投入へ
耐熱容器では透明PP、発泡PPの販売を重点化
エフピコ春のミニフェア2011では来場者数が前回比32%の大幅増に
中央化学株式会社
価値創造の追求により国内事業の再構築と中国事業拡大に取り組む
2011年4月に提案営業の主要拠点となる東京オフィスを開設
2011年に東北工場の生産ラインを鹿島、山梨の両工場へ移設
中国では川下工程の自動化投資によりコスト低減と供給能力の拡大を推し進める
「素材・技術の中央化学」復権に向け、
2011年に多機能・高付加価値素材「SD」「SPP」「SCT」を相次ぎ上市
PSPトレーは苦戦が続くも、蓋材向けにOPS容器が底堅く推移
3つのリサイクルシステムを推進
シーピー化成株式会社
メーカーの原点に戻った製品開発を推進、非価格競争へのシフトを鮮明にする
2011年に大阪、福岡でミニ商談会を開催し、エンドユーザーに向けた提案営業の強化を図る
PSP容器は前年並みで推移も、「SF」「UF」の拡販を推し進める
OPS容器では2011年に超軽量嵌合フードパック「KL」を新たに投入
透明トレーは「エコC」の上市に併せ素材をOPSに集約化へ
高級感・重厚感の演出と多様な機能を付与した「ハカマ」シリーズを上市
リスパック株式会社
安全・安心とサスティナビリティ社会創造に向けたバイオ容器事業を加速化
2013年頃に関東工場第二期工事の着手を計画、バイオ容器中心の専用工場建設へ
PLA容器の出荷量は前年比30%増で推移
2011年秋上市のバイオPPフィラー容器も引き合いが急増
A-PET容器は特許技術を活かした「BLACK PET」の需要が堅調推移
大型ボックスタイプ「アールケース」で新たな市場の形成を狙う
PSPでは優れた防曇性を付与したA-PET蓋材とのセット販売を強化
耐熱容器では軽量化ニーズに対応するPP発泡品の見直しを進める
デンカポリマー株式会社
「耐熱」「深絞り」をキーワードにスチレン系容器の製品開発を積極化
耐熱嵌合フード「OPライトV」は好調推移、OPS蓋材でも耐熱タイプを拡販へ
2012年には清涼感・高級感を演出するソリッド系刺身容器を上市予定
PSPでは蓋付き寿司・刺身容器のランナップ拡充を推進
アテナ工業株式会社
「アテナブランド」確立による収益性の向上を目指す
電子レンジ用調理器具「ラ・クッカー」はテレビ通販で注目度が上昇
2011年9月にはワンウェイ容器「タジン鍋風電子レンジ調理容器」の出荷もスタート
「ペプラカップ」はカップ麺向けに好調を維持、スープや味噌汁などへの採用拡大にも取り組む
A-PET/紙の複合容器ではスナック向けで紙代替を狙う
株式会社コバヤシ
ユーザーとの共同開発を軸に多様なニーズに対応
豆腐容器の需要は堅調推移、代理店との連携によりさらなる販路の拡大を目指す
「オパレイ」は冷菓向けが好調、PS系ヨーグルト容器はオレフィン系との競合が続く
株式会社ギンポーパック
発泡PP容器の可能性を追求し、加工食品の新たなカテゴリー創出へ
2010年秋に発泡PPの変性工程の設備を従来比3倍に増強
「パルファイン」は炊き込みご飯など半調理食品向けに採用が拡大
開発テーマは耐寒性向上、バリア性付与、深絞り、高倍化
第4章:プラスチックシートの市場動向
〔1〕PSPシート市場
軽量化が一段落し、震災特需が追い風に
2011年のPSPシート市場は1998年以来のプラス成長へ
(表) PSPシート 市場規模推移
(表・図) PSPシート メーカー別出荷量推移
(表) PSPシート メーカー別用途別出荷量及びシェア推移
トレー反は内食回帰とエフピコの快進撃で2%前後の成長率
(表) PSPシート 用途別出荷量推移(食品分野)
市場を牽引するラミ丼は好調を持続も
どんぶり型カップ麺の紙化、電子レンジ調理麺の相次ぐ商品化が不安材料に
〔2〕A-PETシート市場
2011年のA-PETシート市場は24.6万tで着地
エフピコの再生シート市場参入と二軸延伸PETの量産化で、2012年もプラス成長が続く
(表) A-PETシート 市場規模推移
(表・図) A-PETシート メーカーシェア推移
食品接触用途など再生シートの出口の多様化が期待されるも
入り口となる使用済みPETボトルの回収面では中国のベール輸入解禁が懸念材料に
(表) バージンシート・再生シート 市場規模推移
A-PETシートの外販メーカーは非食品分野へ事業の軸足を移す
(表) A-PETシート 需要分野別市場規模推移
〔3〕OPSシート市場
2007年をピークにOPSシート市場はシュリンクが続く
2011年には減少率が小幅になるも、2012年にはもう一段の縮小へ
(表) OPSシート 市場規模推移
(図) OPSシート 用途別構成比(2011年見込み)
(表・図) OPSシート メーカーシェア推移
(表) OPSシート 主要メーカー生産体制一覧
2011年春にサンディックが真空成形機用「サンディックシート810」を上市
第5章:プラスチックシートメーカーの展望と戦略
積水化成品工業株式会社
ユーザーサポートのさらなる強化で持続的な成長を目指す
PSP「エスレンシート」の売上高はカップ麺向けを牽引役に好調推移
軽量化が一段落したトレー反は震災後の内食化の高まりを受けプラス成長へ
株式会社JSP
専業メーカーとしての技術力を活かし軽量化や耐熱性へのニーズに対応
ラミ丼の需要が堅調推移、2011年のPSPシート出荷量は前年並みを見込む
レンジ調理の拡大を予想し、耐熱PSPシートの拡販に取り組む
オージェイケイ株式会社
CPPをはじめ、特殊フィルム150μmの生産を計画
2011年に大阪樹脂化工からオージェイケイへ商号を変更し、企業イメージを一新
併せて子会社の吸収合併と生産集約化を図る
A-PETシートの出荷量は前年並みが続く
ポリテック株式会社
工業用途とのバランスを取りつつ、耐熱グレードや環境グレードの開発を進める
2011年6月に和歌山工場の1系列を改造し、4系列全てでVRVに対応する体制を整備
耐熱温度を100℃程度に高めるPETシートの開発に取り組む
ウツミリサイクルシステムズ株式会社
優れた安全衛生管理体制を確立し、再生シートの可能性を広げる
2010年5月にA-PETのシーティングを泉南工場に集約化
2011年5月にはりんくう工場、小牧工場のPETボトル受け入れ能力の増強を図る
食品分野は安定推移、トイレタリー容器など非食品分野で採用アイテムが増える
サンディック株式会社
OPSシート市場のトップメーカーとして高機能グレードの開発を積極化
OPSシート出荷量は2011年に下げ止まりの見通し
2010年10月に市場開発部を立ち上げ非食品分野への展開を強化
コストメリットを高めた耐熱グレード「905」、真空成形機用「810」を2011年に上市
電気化学工業株式会社
PSメーカーとしてのバックボーンを強みに、A-PETとの素材間競争に挑む
2011年4月にPSシート販売子会社クリアテックシートを吸収し
PS系製品のさらなる競争力確保に取り組む
A-PETシート代替を視野に入れ、OPSシート「ソフリア」の拡販を進める
ダイセルポリマー株式会社
OPSシートの品質および生産性の向上を追求し、ユーザーとの関係強化を図る
A-PETとの競合は一段落し、消費不振の影響は受けつつも、
2011年のOPSシート出荷量は前年並みへ
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