2018 業務用掃除ロボットの可能性と将来性
業務用掃除目的のサービスロボットを対象に参入企業の取り組み実態や開発動向、事業化プラン、需要展望を把握すると共に、それらをベースに業務用掃除ロボットの可能性を追求し、課題と将来性を考察した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査対象先:国内の業務用掃除ロボットメーカや販売企業、研究開発に取り組む企業、関連団体、関係省庁等
調査方法:直接面接取材による情報収集を中心に、電話ヒアリング、公表されている資料やデータ、文献、研究成果、新聞記事等を入手し参考にしている
調査期間:2017年12月~2018年3月
- 少子高齢化の進展により、国内ではますます労働力確保が困難となりつつある。特に肉体的負担を強いられる清掃請負業務においても深刻で、女性や高齢者の活用だけでは充分とは言えない。その補完手段として、業務用掃除ロボットに注目が集まる。
- 国内で製品化されている業務用掃除ロボットは、床掃き掃除(吸引)ロボット、床洗浄ロボット、窓拭きロボット、水底掃除ロボット、PVパネル洗浄ロボット、エアコン掃除ロボットがある。
- 床掃除/洗浄ロボットは、新規参入や新製品投入が続いている。特に、マキタの製品は清掃請負業者向けというよりも、作業現場や店舗における自己使用向けといえ、これまでにない需要を開拓しつつある。
- 更に、これからもソフトバンクロボティクスやケルヒャー等の大手企業の参入が予定され、床掃除/洗浄ロボットの市場は一層活性化すると期待できる。
- 家庭用でいち早く製品化されている窓掃除ロボットにも、業務用が投入された。使用環境に制限はあるが、業務用としてこれまでになかった需要開拓が期待できる。
- 水底掃除ロボット、PVパネル洗浄ロボット、エアコン掃除ロボットは、参入メーカは限定されるが地道な取り組みが続いている。それぞれの機能を活かし、用途拡大が注目される。
- ロボットに万能性を求めるユーザ側との認識の違いはまだあるが、実証実験や業界団体によるPR、コンソーシアム結成などの動きもあり、徐々に理解と活用が進むと期待できる。
- 業務用掃除ロボットはまだ普及レベルにないが、これから労働力補完や作業手段として必要不可欠になりつつある。その可能性と将来性をこの資料では考察する。
第1章 業務用掃除ロボット市場の現状
第2章 用途別業務用掃除ロボットの市場動向
第3章 主要参入企業の取り組み実態
第4章 ユーザ側に見る掃除ロボットの導入促進
第5章 業務用掃除ロボットの可能性と将来性
■掲載内容
調査結果のポイント
第1章 業務用掃除ロボット市場の現状
1.多彩な顔ぶれとなる参入企業。これから新規参入を目指す企業もある
2.用途によって時期や社数に違いがある市場参入
3.総市場規模推移
(1)用途によって成長性に差が出る数量ベースの市場規模。全体では拡大傾向維持
(2)規模は小さいながら、拡大する金額ベースの市場規模。用途により違いは出る
4.業務用掃除ロボット全体のメーカシェア推移
(1)数量ベースのメーカシェアは、新製品を擁して新提案を行う企業がシェアを伸ばす
(2)アマノ、マキタのシェア上昇が目立つ金額ベースのメーカシェア
第2章 用途別業務用掃除ロボットの市場動向
1.床掃き(吸引)ロボット
(1)フィグラが先行し、2015年以降新規参入が相次ぐ。マキタにより用途拡大が進む
(2)新規参入もあり数量、金額ともに市場規模拡大。しかし、まだその絶対値は小さい
(3)数量ではマキタが圧倒的、金額ではアマノとマキタがリードするメーカシェア推移
(4)プロ使用タイプと自己使用タイプで大きく異なる製品仕様と性能
(5)プロ使用タイプでいくつかある課題・問題点。ユーザ側にもある
2.床洗浄ロボット
(1)アマノ、シーバイエス、中西金属、マクニカが参入。2018年度も新規参入あり
(2)数量、金額ともまだ小さい市場規模。現状よりもこれからに期待
(3)数量、金額共にアマノが圧倒するメーカシェア。しかし、絶対的なものではない
(4)清掃能力や大きさ、価格等に大差ない製品仕様
(5)低価格化と使いやすさがポイントとなる課題・問題点
3.窓拭きロボット
(1)業務用で4社が参入。使用場所で棲み分け、1社は家庭用との競合が色濃い
(2)まだ小さい市場規模推移。歴史の浅さを考慮すれば、これからの成長性に注目
(3)参入が限定され、現状では競合関係はない。その分、背負う責務は大きい
(4)家庭用と比較すると、業務用に好ましい点もある製品仕様
(5)使い勝手、効率、スピード、安全確保に課題を残す
4.水底掃除ロボット
(1)プール用と養殖水槽向けに各2社が参入。四柳製品はロボットに該当せず
(2)安定した需要はあるが、その大きさは小さい市場規模
(3)プール用を扱うメーカが大半を占めるメーカシェア
(4)用途によって異なる清掃機能。プール用と養殖水槽用では棲み分ける
(5)用途に応じた機能は確立し、ユーザは限定。用途拡大に向けて、製品本体に課題
5.PVパネル掃除ロボット
(1)参入企業は4社が確認できるが、情報が乏しくその実態が不明な企業もある
(2)規模は小さく、年々縮小が避けられない市場規模
(3)シンフォニアテクノロジーが独占するシェア。他社は事業展開の実態がつかめず
(4)はっきりしない製品仕様。違いも見られるが、可搬式では「リソラ」が基準
(5)製品、ユーザ側に課題は多い。FIT需要が縮小していく中で、次の一手が問われる
6.その他の業務用掃除ロボット
第3章 主要参入企業の取り組み実態
1.アマノ(株)
2.シーバイエス(株)
3.シンフォニアテクノロジー(株)
4.セールス・オンデマンド(株)
5.中西金属工業(株)
6.フィグラ(株)
7.ビー・エル・オートテック(株)
8.その他の企業
第4章 ユーザ側に見る掃除ロボットの導入促進
1.ビルメンテナンスロボット普及促進コンソーシアム
(1)メーカの枠を超えたビルメンテナンスロボット普及促進コンソーシアムの取り組み
(2)アクティオによるビルメンテナンスロボット普及促進センター開設
(3)ユーザ側に立った取り組みを進めることで、期待できる掃除ロボット普及の後押し
2.(公)全国ビルメンテナンス協会
3.Haneda Robotics Lab
4.その他
第5章 業務用掃除ロボットの可能性と将来性
1.普及には、製品側にもユーザ側にも課題は残る。ユーザの意識改革も必要
2.床掃き/床洗浄ロボットに求められる低価格化。需要拡大につながる
3.カギを握る大手企業の床洗浄ロボット新規参入。両刃の剣になりえる
4.当面は床掃除ロボットが市場を牽引。普及に向けて2020年までにヒット作が望まれる
5.2020年度まで拡大傾向が続く市場規模予測。本格的な普及に向けて真価が問われる
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