アイデア発散・収束法

16 5W1H法 <収束(アイデア整理)法>

収束法の概要

発想されたアイデアについて、フレームワーク的にアイデアを分類、整理していく方法です。
ここでのフレームワークとは、いわゆる5W1Hのスタイルでフレームを配置するものであり、ビジネスアイデアのイメージ醸成のために、押さえておきたい需要な要素項目を並べていきます。

一般的にビジネスアイデアの検討における5W1Hと言えば、以下となります。

  • Who(誰に/ターゲット)
  • Why(なぜ、何のために/購買動機)
  • When(いつ/販売・提供時間、時期、期間)
  • Where(どこで/販売チャネル・ルート)
  • What(何を/商品・サービス、技術、価値)
  • How(どうやって/販売・提供方法、戦略)

また、これに以下のような2w2Hを加えて、7W3Hのようなスタイルで詳細に整理しても良い。

  • Whom(誰に対して/ターゲットと異なる購入者)
  • When(どんな時/利用シーン)
  • How Meny(いくつ/販売数量)
  • How Much(いくらで/販売価格)

この整理法のポイントは、フレーム配置にあります
ビジネスモデルのイメージ化を促進し、加えてどのような点への検討が不足いるかを明らかにできるような形でフレーム配置する必要があります。

先のようなスタイルで詳細にフレーム配置することができればベターですが、アイデアの整理という視点においては必ずしもこのように詳細である必要はありません。
(また、詳細にフレーム配置して整理しようとすればするほど、ビジネスアイデアのキーエッセンスを見え難くするリスクも高まります

あまりに雑なフレーム配置による整理はナンセンスですが、ビジネスアイデアのキモ、エッセンスがわかるように整理を試みることが重要です。

さらにこの整理法の欠点として、アイデア検討が終了した段階で、ある程度ビジネスモデルらしきものが想定可能な水準のアイデアが出揃っていないと使えないということがあります。
(そのような場合は無理に5W1Hによる整理を行わず、KJ法やセブンクロス法などでの整理を行い、ビジネスモデルのイメージ昇華を優先させるべきだと考えられます)

よくよく考えるとおわかりかと思いますが、5W1H法は、マーケティング戦略のエッセンスそのものに等しいものとなりますので、どちらかと言えば、ビジネスの種・ネタを探索、検討する初期のアイデア検討時よりも、ビジネスモデルとして企画してく段階で使うべき整理法と言えます。

注)主観的な整理であり、必ずしもこれが正しいというものではありません

活用フォーマット&準備物

活用フォーマット
(サンプル)
(あくまでも一つの事例ですがご参考下さい)
他の準備物 ホワイトボード+マーカーペン
(もしくは付箋+筆記用具+貼付け可能な場所)

実施の手順

開催準備
  • 2、3名程度の人選を行い、日程調整を行う。
    (1名の場合は判断に偏りや迷いが生じる可能性があり、多すぎると意見がまとまり難くなるものの、企画検討に近しい作業でもあるため、KJ法やセブンクロス法などと比べるとそれ程の支障はない)
    (通常、アイデア発想の検討会に参加した人から選定することが多いが、必ずしも不参加の人が入ってはいけないということはない)
  • 場所の確保、準備物等があればそれも準備。
  • (場合によっては)参加者への開催テーマの告知なども実施。
事前説明
  • 集まった参加者へ、①開催趣旨、②テーマ、③整理方法、④整理ルール、について冒頭に説明する。
  • とりわけ②のテーマについては出来る限りフォーカスかつ明確にする。
フレーム配置の検討(アイデア・意見の収束①)
  • テーマを念頭におきつつ、アイデアの内容を鑑みて、適切なフレーム配置を行う。
    (冒頭の5W1Hほかを参考に、適宜アレンジする)
  • ただし、ビジネスアイデアのエッセンスを明確にできる程度を心がけ、必要以上の詳細なフレーム配置は行わないようにする。
    (検討テーマや出ているアイデア群から判断するのがベストだが、難しい場合は一先ず詳細なフレーム配置をしておき、後でフレームごと取捨選択、あるいはフレームの見直しをすれば良い)
アイデアの振分け(アイデア・意見の収束②)
  • 配置されたフレームへ、アイデアを振り分けていく。
    (そのアイデアがどのフレームに係るアイデアなのか?という視点で整理していく)
結論(アイデア収束の結果分析)
  • 各フレームに配置されたアイデアを俯瞰し、そこから言えることを抽出整理していく。
    (ひとまず複数の内容が認められる場合は複数並べておく)
  • すべてのフレームについて、アイデアからのポイント整理ができたら改めて俯瞰し、アイデアとして重要なポイントを特定する。
  • その特定したポイントを基軸として、他のフレームとの整合性を図る。
    (すなわち、その特定ポイントとの整合性が担保できないものはもちろん、必要不可欠でないと判断されるポイントについても消去していくことで、ビジネスアイデアのエッセンスを絞り込んでいく)
  • この一連の作業によって検討が不足している内容があれば、改めてそこのフォーカスした検討を行う。

注)一般的な手順を示したものであり、必ずしもこれに従う必要はありません

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