学校の統廃合、財政と郷愁の問題に矮小化するな
■学校の統廃合、財政と郷愁の問題に矮小化するな
文科省、小中学校の統廃合に関する指針を公表。小学校では6学級以下、中学校は3学級以下の学校に対して、通学時間1時間を目処に統廃合の検討を促す。
従来の標準学級数は、小中学校ともに「12学級以上18学級未満」。これは公立小の児童数が1200万人を越えていた1956年当時に作られた指針である。児童数が半減した現在、当然ながらこの基準は非現実的である。
一方、公立学校の統廃合は常に地元の反対を伴う。地域社会の核が失われることへの懸念、少子高齢化、過疎化が加速することへの不安、母校を失うことの寂しさなどが背景にある。また、必ずしも財政負担の軽減には貢献しないとの研究成果(国立教育政策研究所 紀要第141集、他)も反対の根拠となる。
もちろん、統廃合だけがソリューションではない。しかし、誰にとっての便益かを考えれば解決の方向性は自ずと見えてくる。子どもたちの未来を犠牲にしてまで過疎を過疎のまま放置することに大義はない。そもそも地域社会の核を維持するために“地元”はこれまで何をしてきたのか。問われているのは無策であり続けた地域社会であり、求められているのは、“地元”の知恵と覚悟である。
■テロの背景にあるもの
国際労働機関(ILO)、2015年の世界の若者(14-24歳)の失業率を13.1%(前年比▲0.1ポイント)と予測。中東・北アフリカ地域は29.8%(前年比▲0.3ポイント)と最悪。テロの温床となる要因の一つがここにある。
翻って、日本国内の高校生就職内定率は11月末時点で84.1%、21年ぶりの高水準。大学生も80.3%、4年連続で前年を上回る。女子は81.9%と過去最高。
日本でも若者の失業率の高さが問題化しつつある。しかし、昨年9月時点における15-24歳の失業率は5.9%。ギャップはあまりにも大きい。
今週の”ひらめき”視点 01.18 – 01.22
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