2030年の電源構成、原子力<再生可能エネルギー。この選択に覚悟はあるか
政府は2030年までの温暖化ガスの削減目標を「2013年比で20%」とする方向で調整に入った。そして、その前提となる2030年の電源構成について、再生エネルギー23-25%、原子力21-23%、火力55-60%(経産省)と発表した。これに対して経団連は、原子力の比率を25%超とし、再生エネルギーは15%程度に抑えるよう提言した。
原発の運転期間は40年、新規増設をせずにこの原則を適用すると2030年の原子力依存度は15%となる。ただし、原子力規制委員会の安全審査をパスすれば最長20年まで延長が認められる。経産省は運転延長を前提に新規増設はしない方針である。一方、経団連提案の25%を是とすると新規増設は避けられない。
8日、日本原子力産業協会は、世界の原子力発電所の動向に関するレポートを発表した。2015年1月時点で稼動している世界の原発は431基、前期比+5基。内訳は中国+5基、インド+1基、アメリカ-1基。
また、現在建設中のプラントは76基、計画中のプラントが107基、今後増設されるプラントの1/3を中国が占めるという。
福島第1は世界の原子力政策を一変させた、かに見えた。しかし、止まることのない新興国の電力需要は次世代エネルギーの供給能力、技術革新のスピードをはるかに上回る。
個別プラントの安全対策、電力コスト、地域や新興国の経済成長、次世代エネルギー産業の育成、温暖化対策、そして、“10万年後の安全”の確保、、、この巨大技術が提起する問題はどれをとっても軽くない。ただし、その核心はシンプルだ。万が一、暴れ出したら“制御”出来ない、この1点に尽きる。
今週の”ひらめき”視点 04.05 – 04.09
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