2018年01月19日
カーナビ世界市場に関する調査を実施(2017年)
~カーナビデバイスの多様化とともに2022年の世界市場規模は3,117万台に拡大~
調査要綱
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内及び世界主要国のカーナビ市場の調査を実施した。
1.調査期間:2017年8月~12月
2.調査対象:カーナビゲーション、DA(ディスプレイオーディオ)メーカー、自動車メーカー(OEM)、一次部品メーカー(Tier1)等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<カーナビとは>
本調査におけるカーナビは主に乗用車向けであり、自動車メーカー(OEM)が工場で装着するメーカーオプション(MOP)、ディーラーで装着されるディーラーオプション(DOP)、カー用品店等で購入される市販品をさす。また、自動車のインスツルメントパネルやセンターディスプレイに一体して組み込まれるeコクピットを含む。
なおeコクピットとはセンターディスプレイ、クラスタディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等を統合した車載HMI(Human Machine Interface)システムである。
調査結果サマリー
◆ 2016年のカーナビ世界市場規模は2,296万台、前年比110.3%と順調に拡大
2016年のカーナビ世界市場規模は2,296万1,000台で、前年比110.3%と自動車販売台数の拡大に合わせて伸長している。自動車の魅力向上に、音楽・映像配信などのインフォテインメント(情報・娯楽)システムの果たす役割が大きくなっており、その代表的な存在がカーナビである。今後、世界の自動車市場においてカーナビを含むインフォテイメントシステムの重要性が更に高まっていくものと考える。
◆ カーナビデバイスの多様化
高級車にはeコクピット※1、中・小型車にはDIN型カーナビ、アジア地域展開の大衆車や米国のKT法※2遵守にはディスプレイオーディオ(DA)※3、新興国ではスマートフォンナビとPND(ポータブルナビゲーションデバイス)といった棲み分けが進む一方で、各国のスマートフォン普及率や政府による大衆車政策などの市場環境等によってカーナビの使われ方が変わる可能性もある。
◆ 2022年の世界カーナビ市場規模は3,117万台までの拡大を予測
世界規模でみると、カーナビ市場はまだ伸び続けており、2022年の世界カーナビ市場規模は、3,117万台に拡大すると予測する。純正化の進展やeコクピットへの統合、スマートフォンとの連携など、今後の車載情報端末はeコクピット、カーナビ、PND、DA、スマートフォンナビといった複数の種類の各々の製品が、各国の文化や言語、生活環境といった市場環境や特性を反映しつつ、地域別需要に適合しながら、共存していくものとみる。
※1 eコクピットとは、センターディスプレイ、クラスタディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等を統合した車載HMI(Human Machine Interface)システムである。
※2. 米国では駐車場などで自動車が後退する際の子供を含む歩行者の事故防止のため、後退時の後方確認として、すべての新型車に1台以上のリアカメラとその映像を見るためのモニタ(DAやバックミラーモニター)の搭載を義務付ける法、KT(Kids Transportation Safety Act)法があり、2018年に完全施行が予定されている。
※3. DA(ディスプレイオーディオ)とはナビゲーション機能をもたない「ディスプレイ+AV機能」デバイスである。