2018年03月02日
宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査を実施(2018年)
~2017年は各分野により好不調がみられ、全体の市場規模は横ばいに留まる~
調査要綱
矢野経済研究所では、国内宝飾品(ジュエリー)市場について調査を実施し、2017年の市場規模(実績値)、および2020年まで予測値を公表する。
1.調査期間:2017年1月~12月
2.調査対象:宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、
インポートジュエリーブランド企業等
3.調査方法:当社専門研究員による電話及び直接面接によるヒアリング、および郵送アンケートを併用
<本調査における宝飾品(ジュエリー)とは>
本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴石、真珠などを使用した宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石の商品を含む。
調査結果サマリー
◆ 2017年の国内宝飾品小売市場規模は9,468億円、前年比100.6%と微増
2017年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比100.6%の9,468億円と、2年続いた縮小基調から一転、プラス成長となった。年初から徐々に株価も上昇、景気回復感が高まりを見せる中で、宝飾市場も次第に回復をした。年後半には金価格も上昇し、クリスマスシーズンの購買も拡がった。
◆ インバウンド需要は堅調
2017年も訪日外国人による爆買いといった大量購入は控えられたものの、インバウンド(訪日外国人客)需要は確実に拡がった。訪日外国人客数は年々増加を続けており、百貨店や海外ブランドを中心に宝飾品消費も伸びた。特に訪日中国人や日本在住の中国人によるWeChat(微信)などのSNSアプリを使った代理購買(本国にいる中国人の代わりに買い物をすること)需要が高まりを見せた。
◆ 2020年の国内宝飾品小売市場規模は1兆17億円と堅調推移を予測
2020年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、1兆17億円を予測する。今後大きく伸長することは難しいものの、国内景況感の改善が見込まれるなか、2019年に予定されている消費税率引上げ前の駆け込み需要、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおけるインバウンド(訪日外国人客)需要や国内需要などが期待されることから、市場は堅調に推移するものとみる。