2018年の国内ウォッチ市場は2年連続のプラス成長で推移!
~直営ブティックやSNSでの顧客とのコミュニケーション構築が売上拡大に寄与~
1.市場概況
一般社団法人日本時計協会データによると2018年の国内ウォッチ市場規模は小売金額ベースで、前年比102.5%の8,208億円であった。
直営店舗やコンセプトショップの出店に加え、直営店舗のリニューアルなど、多彩で数多くの店舗展開が奏功し、特に高価格帯の商品を中心に好調であった。
インバウンド(訪日外国人客)需要について、中国客は横ばいであるが、タイやシンガポール、マレーシアなどは増加傾向にあり、底堅く推移した。海外で知名度の高いブランドや復刻版モデル、日本限定商品などが好調であった。
また、高級インポートウォッチブランドにおいてオフィシャル(公式)サイトにおけるインターネット通販が本格化し、ブランド企業主体によるネット販売の取り組みが積極的に行われた。SNSを駆使し、顧客の囲い込みやファンとのコミュニケーションによるコミュニティ構築の取り組みによって、徐々にではあるが売上につながった年となり、市場規模拡大に貢献した。
2.注目トピック
ウォッチのサブスクリプション(定額)サービスが拡充
近年、衣・食・住のあらゆる分野でサブスクリプションサービスが広がっており、ウォッチ市場においても、IT事業者を中心に多くの企業の参入がはじまっている。
グレードに応じて月額3千円~20万円と幅広く設定されているが、中心価格帯は5千円~1万円でユーザー(利用者)には利用しやすい価格設定となっている。通常の使用範囲における汚損、破損があった場合も消費者の負担がないため気軽に利用することができるため、高い支持を集めている。手の届かない高級ウォッチを手頃な価格でレンタルできることから、高級ウォッチの入り口としての期待が高まっている。
3.将来展望
国内ウォッチ市場は、東南アジアの顧客獲得や、女性顧客の開拓、スマートウォッチ市場の拡大、中国人ミレニアル世代の台頭などの市場拡大要因があることから、今後も底堅く推移するものとみる。ブランド企業と顧客の間の接点がこれまで以上に近しいものになっていることもあり、時計メーカーやブランド企業においては、繋がりの強いファン層をいかに獲得するかが重要になる。
また、高い販売力を有する空港商業施設や、徐々に上向き基調がみられてきた市中免税店(主に百貨店内店舗)、再開発の進む渋谷等における新商業施設などでの販売チャネルが加わってくることから、ウォッチへの注目度はより高まっていくものと考える。
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インポートウォッチ市場の概況
調査要綱
2.調査対象: 時計関連企業(メーカー・卸売業・小売業)、関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、郵送アンケート調査ならびに文献調査を併用
<国内ウォッチ(腕時計)市場とは>
本調査における国内ウォッチ(腕時計)市場は、国産ウォッチ、インポートウォッチ、スマートウォッチ、ライセンスウォッチ等を対象とし、2012年~2018年の市場規模データ(実績値)は一般社団法人日本時計協会の資料から引用している。
<市場に含まれる商品・サービス>
国産ウォッチ、インポートウォッチ、スマートウォッチ、ライセンスウォッチ、並行輸入ウォッチ、リユースウォッチ等
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