プレスリリース
No.2517
2020/10/01
OTC市場に関する調査を実施(2020年)

2019年のOTC市場規模は前年比0.2%増の8,350億円
~市場成長を続けているものの伸び率は低調、安定成長には国内需要の本格的な活性化が不可欠~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内OTC市場を調査し、市場動向、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

国内OTC市場規模推移と予測
国内OTC市場規模推移と予測

1.市場概況

2019年の、一般用医薬品と指定医薬部外品を合算した国内OTC市場は、メーカー出荷額ベースで前年比0.2%増の8,350億円と推測した。内訳は、一般用医薬品が同0.7%増の6,920億円、指定医薬部外品が同2.1%減の1,430億円である。市場は成長を継続しているが、全体としては低い伸びに留まっている。
2014年よりOTCが免税対象となったことで拡大したインバウンド(訪日外国人客)需要は一段落したが、引き続き安定推移しており、新製品が投入されている目薬や解熱鎮痛剤、パップ剤・プラスターが好調に推移した。一方、ドリンク剤やミニドリンク剤が中心を占める指定医薬部外品は、特定保健用食品を含む健康飲料などとの競争が続いており、減少傾向にある。

2.注目トピック

新型コロナウイルス感染症拡大によるインバウンド需要減少で、国内市場の活性化が急務

2019年のOTC市場は、新製品により活性化を果たした一部薬効の製品の貢献と、訪日外国人向けのインバウンド需要を背景に微増となった。
ところが、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、インバウンド需要は壊滅的な打撃を受けており、先行きが不透明な中で、今後も成長を継続していくためには、国内市場の本格的な活性化が必要とされる。
そのためには、一般用医薬品に止まらず、医薬部外品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメント、健康関連商品など、OTCを広義に捉え、コンシューマーヘルスケア全般からの視点による取り組みがOTC関連企業には求められていくと考える。

3.将来展望

2020年のOTC市場は、メーカー出荷額ベースで前年比0.2%増の8,370億円になると予測する。内訳は、一般用医薬品が同0.6%増の6,960億円、指定医薬部外品が同1.4%減の1,410億円である。
2020年については、定期的なリニューアルによる、各薬効の新製品投入が図られ、引き続き市場の活性化が期待される。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるインバウンド需要減少が市場に大きな影響を与えることが懸念される他、ドリンク剤・ミニドリンク剤や胃腸薬、水虫薬などは引き続き市場縮小のトレンドが継続する見通しである。したがって、市場成長は継続するものの、成長率は2019年と同様の横ばい傾向である可能性が高い。

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Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  総合感冒薬
     ドリンク剤・ミニドリンク剤
     整腸薬・止瀉薬
  • 注目トピックの追加情報
  •  2017年から導入されたセルフメディケーション税制、消費者の認知度向上が課題
     新製品開発ではコンシューマーヘルスケア全般からの視点による取り組みが重要
  • 将来展望の追加情報

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    調査要綱

    1.調査期間: 2020年5月~7月
    2.調査対象: OTC関連企業(メーカー・卸売業・小売業)等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、文献調査を併用

    <OTC市場とは>

    OTCとは、Over The Counterの略で、医師による処方箋を必要とせずに購入できる一般用医薬品を指す。
    本調査におけるOTC市場とは、OTC(要指導医薬品、第一類、第二類、第三類の一般用医薬品)の出荷額と、指定医薬部外品(厚生労働大臣の指定により、一般用医薬品から医薬部外品となった品目)の出荷額を合算し、算出している。なお、2005年~2011年までは厚生労働省「薬事工業生産動態統計」から引用している。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    総合感冒薬、ドリンク剤・ミニドリンク剤、ビタミン剤、胃腸薬、整腸薬・止瀉薬、解熱鎮痛剤、目薬、パップ剤・プラスターほか

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2020年07月31日
    体裁
    A4 311ページ
    価格(税込)
    132,000円 (本体価格 120,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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