2019年度の玩具市場はヒット商品がなく前年を割るも、2020年度はコロナ禍でも堅調推移を予測
1.市場概況
2019年度の国内玩具市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、主要9品目で前年度比4.0%減の6,402億円、テレビゲームを除く主要8品目では同4.7%減の3,352億円と推計した。ともに前年度を下回る結果となった。
主要8品目において、3割程度のシェアを占める男児キャラクター・男児玩具市場は、トレーディングカードゲームは引き続き好調に推移し、一部の定番商品は健闘していたものの、目立ったヒット商品がなく減少し、前年度「サプライズトイ※」が大きな話題を呼んだ女児キャラクター・女児玩具は、人気キャラクターの玩具は好調だったものの、これまで市場を牽引してきた定番商品が厳しく、前年を割った。
※サプライズトイとは、商品パッケージを開封するまで、中身がわからない仕様で、開封する作業も楽しむことができる玩具のことである。
2.注目トピック
コロナ禍の巣ごもり需要を受けて、ジグソーパズル、アナログゲーム市場が急拡大
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発出され、さまざまな活動や外出が自粛されたことから、「巣ごもり」「イエナカ」「おうち時間」などをキーワードとした需要・消費が旺盛となったことで、ジグソーパズル、アナログゲーム市場等において、ゴールデンウイーク商戦や夏休み商戦を中心に追い風が吹くかたちとなった。
3.将来展望
2020年度の国内玩具市場規模(メーカー国内出荷金額ベース)は、主要9品目で前年度比4.7%増の6,705億円、テレビゲームを除く主要8品目では同0.1%増の3,355億円を予測する。
主要8品目においては、ジグソーパズル、アナログゲーム市場などが巣ごもり需要を受け前年度比で二桁増を記録するものと予測するが、合計して全体の3割ほどを占める男児玩具と女児玩具ともに、苦戦している状況が続いているものとみられることを背景に、前年度比では横ばい程度で推移するものと予測する。
なお、テレビゲームを含めた主要9品目に関しては、巣ごもり需要を受けていることに加えて、新たなハードウェアも投入されたことから、拡大するものと考える。
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調査要綱
2.調査対象: 玩具・模型ホビー・テレビゲーム関連メーカー、卸問屋、小売事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・電子メールによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<玩具市場とは>
本調査における玩具市場とは、①電子玩具、②模型・ホビー、③男児キャラクター・男児玩具、④女児キャラクター・女児玩具、⑤ゲーム類(アナログゲーム等)、⑥季節物・雑玩具、⑦基礎玩具(知育・乳幼児玩具、ジグソーパズル、ブロック類等)、⑧ぬいぐるみ、⑨テレビゲームの主要9品目をさす。玩具市場規模はメーカー国内出荷金額ベースで算出し、輸出分を含まない。
また、ハイターゲットトイは、成人をターゲットとした玩具全般をさし、テレビゲームを除く主要8品目にそれぞれ含まれる。玩具菓子、カプセル入り玩具、フィギュアは、本調査における主要9品目には含まない。
なお、各9品目別の詳細は以下参照
①電子玩具;電子ゲーム、電子ぬいぐるみ類、キッズパソコン、スマートフォンを模した玩具、体感ゲームなど(ハイターゲットトイ含む)
②模型、ホビー;プラモデル、ホビーラジコン、モデルガン、その他ホビー(ハイターゲットトイ含む)
③男児キャラクター・男児玩具;トイラジコン、その他男児玩具(トレーディングカードゲーム、ハイターゲットトイ含む)、スマートフォンを模した玩具のうち、キャラクターをモチーフとしたものも含む。
④女児キャラクター・女児玩具;きせかえ、その他女児玩具(ハイターゲットトイ含む)、スマートフォンを模した玩具のうち、キャラクターをモチーフとしたものも含む。
⑤ゲーム類;ボードゲーム、アナログゲーム、一般ゲームなど(ハイターゲットトイ含む)
⑥季節物、雑玩具;節句人形、花火、水物、その他の玩具
⑦基礎玩具;知育・乳幼児玩具、ブロック類、その他基礎玩具、ジグゾーパズル(ハイターゲットトイ含む)
⑧ぬいぐるみ;ぬいぐるみ、人形、その他ぬいぐるみ類(ハイターゲットトイ含む)
⑨テレビゲーム;テレビゲーム機、携帯型ゲーム機、テレビゲームソフト(一部オンラインゲーム含む)
<市場に含まれる商品・サービス>
電子玩具、模型・ホビー、男児キャラクター・男児玩具、女児キャラクター・女児玩具、ゲーム類(アナログゲーム等)、季節物・雑玩具、基礎玩具(知育・乳幼児玩具、ジグソーパズル、ブロック類等)、ぬいぐるみ、テレビゲーム、玩具菓子、カプセル入り玩具、フィギュア、鉄道模型、トレーディングカードゲーム
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