2021年第1四半期の住宅リフォーム市場規模は前年同期比12.4％増の約1.5兆円、昨年後半からの好調を維持

1.市場概況

2021年第１四半期（1～3月）の住宅リフォーム市場規模は1兆5,074億円（速報値）、前年同期比で12.4％増と推計する。​新型コロナウイルスの感染拡大にともない、当該期間に2回目の緊急事態宣言が発出されていたにも関わらず、2017年以降最も大きい規模となった。

昨年の緊急事態宣言下では、多くのリフォーム事業者がショールームの営業時間短縮・休業による営業自粛などコロナ禍への対応に迫られたが、2回目の緊急事態宣言下では感染拡大対策を徹底し通常の営業活動を行ったこともあり、その影響は軽微となった模様である。このような状況下にあっても、生活者の住空間の改善に対する支出となる「設備修繕・維持関連」の支出が大きく伸びていることは、住宅リフォーム市場に大きな追い風となっているといえる。

2.注目トピック

2020年度の住宅リフォーム市場は 6.7兆円　前年度比1.6％増

住宅リフォーム市場規模を年度ベースで算出すると、2020年度（2020年4月～2021年3月）は、6兆6,996億円（速報値）、前年度比で1.6％増と推計する。上期（4-9月）は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、前年度同期比9.7％減となったが、下期（10-3月）は同13.6％増と上期のマイナス分を取り戻す形となった。

3.将来展望

日本国内においては現在も緊急事態宣言が発出されるなど、非常に不透明な状況が続いており、2021年の市況はかなり幅のある予測となる。プラスの要因としては、2020年度後半からの勢いそのままに住宅リフォーム市場が堅調に推移すると、7.0兆円を期待できる勢いである。
一方で、外出自粛といった生活の制限が減少し、旅行・レジャーやエンターテインメント関連の支出の増加によって住空間の改善への支出が減少し、住宅リフォーム市場が低迷する可能性もある。どちらにせよ、今年1年もコロナ禍とワクチン接種の動向に左右される1年になると考えられる。

調査要綱