2020年のインナーウェア小売市場規模はレディスで前年比91.1%の5,510億円、メンズで同89.3%の2,277億円
~レディス、メンズともにインナーウェア市場は大幅なマイナス傾向~
1.市場概況
2020年のレディスインナーウェア小売市場規模は、前年比91.1%の5,510億円と大幅なマイナスとなった。2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、主に都心部を中心とした商業施設や百貨店が休業・時短営業となり、商業施設や百貨店などで展開するインナー企業ほど、その影響を受けた。一方で、地方の量販店や専門店チェーン向けの販売構成比が高い企業は都心部よりはダメージが少なかった。
2020年のメンズインナーウェア小売市場規模は、前年比89.3%の2,277億円と大幅なマイナスとなった。メンズインナーも新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けたほか、際立ったヒット商品が近年出ていないことも影響した。
2.注目トピック
フェムテックブームで業界内の「吸水ショーツ」の取り組みが活発化
近年、フェムテック(FemTech)という言葉が浸透し始めてきている。その中で、インナー業界においては「吸水ショーツ」への取り組みが目立ち始めている。ユニクロが「フェムテック」の取り組みを強化し、「女性にとって不自由の多い日をもっと快適に」をテーマに、エアリズムブランドから次世代型「吸水サニタリーショーツ」を発表した。洗って繰り返し使えるため、女性の身体にも環境にもいいサステナブルなショーツとなっている。吸水ショーツ自体はもともとある商材だが、今後、各社においてより注目される商材になっていくものと考えられる。
3.将来展望
2021年のレディスインナーウェア小売市場規模は前年比100.2%の5,520億円と予測する。2020年は、コロナ禍で大幅な落ち込みを見せたが、2021年は2020年ほどの落ち込みはないものと推測され、横ばいから微増で推移すると思われる。市場の活性化の1つに、ノンワイヤーブラなど新たなヒット商品が出てくることが望まれる。またその一方で、体型維持を意識した商品提案、デザイン、機能性、素材のほかに優位性を見出して、それぞれの強みをどのように訴求するかも重要である。
2021年のメンズインナーウェア小売市場規模は前年比101.0%の2,300億円と予測する。メンズインナーもレディスインナーと同様、落ち込みが2020年ほどにはならないと思われ、横ばいから微増で推移すると予測する。テレワークや巣ごもり消費の中で、新たな提案がメンズインナーにも求められており、本人が購入するのではなく代理購買が根強いため、男女に対し、機能性、素材はもちろん、家でも着用したくなるインナーの開発が生き残りを左右する。
オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!
【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
2020年のメンズインナーウェア市場動向
2020年のレッグウェア市場動向
調査要綱
2.調査対象: インナーウェア・レッグウェア市場に参入している製造業、卸売業、小売業、その他関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用
<インナーウェア(レディス・メンズ)、レッグウェア市場とは>
本調査におけるレディスインナーウェア市場とは、ブラジャーやガードルなどファンデーション、ランジェリー、ショーツ、肌着などを対象とし、メンズインナーウェア市場はランニングやトランクス、ブリーフなどを対象とする。また、レッグウェア市場はソックスやタイツ、ストッキングなどを対象とする。いずれも市場規模は小売金額ベースで算出している。
<市場に含まれる商品・サービス>
レディスインナーウェア、メンズインナーウェア、レッグウェア
出典資料について
お問い合わせ先
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。