プレスリリース
No.2832
2021/11/11
国内の業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場に関する調査を実施(2021年)

2020年の国内業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場を130億円と推計、2035年には944億円に達すると予測

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、商用車(業務用車両/MaaS車両)と同車両搭載コネクテッド端末、及びコネクテッドサービスの国内市場を調査し、 2035年にかけての品目別市場規模推移、品目別市場動向、市場構造の変化推移、将来展望などを明らかにした。ここでは、2035年までの業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場規模予測を公表する。

国内の業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場規模推移・予測
国内の業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場規模推移・予測
業務用車両/MaaS車両 分類と搭載されるコネクテッド端末
業務用車両/MaaS車両 分類と搭載されるコネクテッド端末

1.市場概況

2020年の国内業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場規模(事業者売上高ベース)を129億7,500万円と推計した。

商用車向けのコネクテッドサービスは、1990年代から後付け3点セット(デジタルタコグラフ/業務用ドライブレコーダ/運行動態管理システム)端末が導入されており、2000年代以降は自動車メーカー(OEM)純正コネクテッド端末も大手の宅配便や貨物輸送事業者、カーリース事業者等に導入されてきた。これらのコネクテッド端末は、トラッキングや運行管理、労務管理などの機能を提供している。
近年では、ODBⅡ等の故障診断・車両状態管理、安全管理、燃費管理、保険などに加え、カーシェアリングサービス向けの機能を持つMaaS端末が導入されている。更に2025年以降にはビークルOS端末が導入される見込みで、運転支援や車両制御、インフォティメントなど本格的な自動運転に向けた機能や、Beyond MaaSと呼ばれるさまざまなサービス機能を持つ端末が搭載される見通しである。

2.注目トピック

フリートの現状と将来

本調査対象には、トラック、バスなどの商用車以外にフリート(乗用車のうち業務用として使用される車両)を加えた。すでに普及が進んでいるレガシーなフリートとしては、レンタカー、タクシーがほとんどである。
2015年以降、カーシェアリングなどで活用されるMaaS(Mobility as a Service)車両もフリートに加わってきたが、台数はまだわずかに過ぎず、乗用車の新車販売台数に占めるフリート車両の比率は数%程度である。将来的にはLv4以上の自動運転EV車両が増加し、POV(Personally Owned Vehicle)の台数は減少するとも言われる。
なお、今回のフリート台数には社用車(外回り営業社員用の軽自動車、高級幹部が乗る運転手付高級乗用車等)を含んでいない。社用車を含んだ場合、フリートの乗用車内における比率はさらに大きくなる。

3.将来展望

2035年の国内業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場規模(事業者売上高ベース)は943億6,200万円に拡大すると予測する。
将来的には、POV(Personally Owned Vehicle)の台数が減少し、カーシェアリングなどのMaaSサービス事業者が保有するMaaS端末車両や、トヨタ「eパレット」のようなLv4以上の自動運転EVのMaaS車両が増加する見込みで、こうしたことが市場規模の拡大を後押しすると考える。但し、Lv4以上の自動運転車両の本格的な普及は、法的な問題などクリアすべき点も多く、一部スマートシティなどの特殊地域を除いては2030年以降と考えられる。

また、次世代モビリティは、現在、まだ市場形成が始まったばかりの勃興期であるが、2035年にかけて大きく普及すると予測する。特にラストワンマイルでの客送・配送に用いられることが期待されている。自律搬送型ロボットや配送ロボット、電動ミニカー、超小型モビリティ、eバイク、電動キックボードなどさまざまな次世代モビリティが普及する見込みで、これらの車両には自動車向けよりも低価格なコネクテッド端末が搭載され、サービスが提供されるものと考えられる。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年4月~9月
    2.調査対象: 国内OEM(自動車メーカ)、サプライヤ、コネクテッド端末/ソリューションベンダ他
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメールによる取材、当社データベースの調査データからの考察ならびに文献調査併用

    <業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場とは>

    本調査における業務用車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場とは、トラックやバスなどの業務用車両に加え、フリート(乗用車のうち業務用として使用される車両)であるタクシーやレンタカー、さらにMaaS(Mobility as a Service)サービス事業者の保有車両、Lv4以上の自動運転EVを対象として、トラッキングや運行管理、車両管理、安全管理、燃費管理、保険などの機能を提供するコネクテッドサービス事業者の売上高ベースで算出した。
    なお、コネクテッド端末はさまざまな次世代モビリティにも搭載される見通しだが、本市場規模には含まない。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    1.2035年までの車両台数予測 乗用車(POV:Personally Owned Vehicle、レンタカー、タクシー、社用車、MaaSユニット搭載車、Lv4以上の自動運転EV)、商用車(トラック、バス) 2.2035年までのコネクテッド端末台数予測 後付け3点セット(デジタルタコグラフ/業務用ドライブレコーダ/運行動態管理システム)、OEM純正コネクテッド端末、MaaS端末(ODBⅡ等)、ビークルOS端末、3.2035年までのコネクテッドサービス市場予測、4.2035年までの次世代モビリティのコネクテッド端末台数&サービス市場予測 自立搬送ロボット、配送ロボット、電動ミニカー、超小型モビリティ、eバイク、電動キックボード等

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2021年09月29日
    体裁
    A4 188ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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