2020年度、パチンコホール経営企業132社の決算平均は赤字に転落
~コロナ禍が響き売上高25.6%減、営業損失の平均は1,200万円~
1.調査結果概要
本調査では、当社『YANOパチンコデータベース』に収録されている全国のパチンコホール経営企業2,392社から、企業規模を考慮し任意に132社を抽出した。それらの決算情報の主要指標平均値を算出し、2018年度から2020年度までの3ヵ年の業績推移分析を行った。
2.注目トピック
パチンコホール経営企業132社の売上・利益動向
【売上高・売上原価】
2020年度の売上高の平均は155億8,800万円、前年度増減率は-25.6%だった。2020年度はコロナ禍と新規則機への移行によって、売上高が大きく低下した。売上原価の構成比は数年来、85%以上の水準を保っていて、2020年度も前年度から0.5ポイント増となる85.6%だった。
【売上総利益】
売上高の減少に伴い、2020年度の売上総利益の平均は前年度増減率で-28.2%となる22億4,100万円だった。粗利確保のために売上原価を抑制するよう取り組んだものの、売上総利益の構成比は前年度から0.5ポイント減少した。売上高の大幅な減少に対応しきれていないことが伺える。
【販売管理費】
2020年度の販売管理費の平均は22億5,300万円、前年度増減率は-14.6%だった。一方で、販売管理費の構成比は前年度から1.9ポイント増となる14.5%だった。
パチンコホール経営における販売管理費には遊技機の購入費用が含まれる。構成比は長年10%を超えていて、パチンコホール経営企業の経営を圧迫している。2018年2月の遊技機規則改正を受け、パチンコホールは2022年1月末までに店内にある旧規則機を新規則機に置き換える必要がある。2020年度は売上高の減少に伴い販売管理費を引き下げたものの、新規則機移行による費用発生もあり下げきれなかったため、構成比率が微増した。2021年度は新規則機移行が最終段階を迎えることから、さらに販売管理費が上昇し、利益を圧迫すると考える。
【営業利益】
これまでは売上原価と販売管理費の圧縮によって増益が続いていた。しかし、2020年度はコロナ禍に伴う政府の休業要請によって一定期間の店舗休業を余儀なくされたため、売上高が減少し、営業利益の平均は1,200万円の赤字に転落した。
調査要綱
2.調査対象: パチンコホール経営企業
3.調査方法: 『YANOパチンコデータベース』のデータを基にした当社専門研究員による集計・分析
<本調査について>
本調査では、当社『YANOパチンコデータベース』に収録されている全国のパチンコホール経営企業2,392社から、企業規模を考慮し任意に132社を抽出した。それらの決算情報の主要指標平均値を算出し、2018年度から2020年度までの3ヵ年の業績推移分析を行った。
集計対象としたパチンコホール経営企業は、大手企業(20店舗以上経営)12社、準大手企業(10~19店舗経営)24社、中堅企業(4~9店舗経営)43社、小規模企業(1~3店舗経営)53社の計132社を企業規模を考慮し任意に抽出した。集計対象132社が経営する店舗数の平均値は7.5 店である。
なお、大手パチンコホールチェーン経営企業のマルハン、ダイナム、アンダーツリー、ガイア、NEXUS、ニラクなど、事業規模が突出している企業および成長が著しい企業については、集計対象から除外した。
<市場に含まれる商品・サービス>
パチンコホール経営企業、パチンコホール
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