冷凍パン生地、冷凍パンともに、コロナ禍を経て市場は回復基調
1.市場概況
2022年度の冷凍パン生地・冷凍パン市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比104.1％の1,805億6,600万円となった。2019年末まではカフェチェーンやレストラン、ブライダル（披露宴）、カラオケ、テーマパーク等、ホイロ（発酵機）を持たない施設や店舗での冷凍パンの需要拡大により市場は好調に推移してきたが、2020年のコロナ禍で市場は急速に縮小した。しかしここに来て、新型コロナウイルスの5類感染症への移行により、国内の社会経済活動の正常化やインバウンド（訪日外国人客）の宿泊・観光需要の回復、継続的な人件費高騰を背景に、市場規模はコロナ禍前の水準に近付いている。
2.注目トピック
冷凍パン生地・冷凍パンの売場が拡大
冷凍パン生地、冷凍パンの参入企業におけるインターネット販売が徐々に拡大しており、自社サイトでの直接販売（直販）に加え、他社サイトへの出店など販売チャネルの拡大がある。とりわけ冷凍パン生地・冷凍パンメーカーが一般消費者をターゲットにオンラインショップを立ち上げるケースが増えている。また、自動販売機で焼成後冷凍パン（製品冷凍）を販売しているメーカーもあり、インターネット販売だけではなく、徐々に売場が増えてきている。
3.将来展望
2027年度における冷凍パン生地・冷凍パン市場規模は事業者売上高ベースで、2,089億5,700万円を予測する。コロナ禍の反動を除き、2024年度以降は年率2～3％程度で市場拡大すると予測する。少子高齢化社会が進展するなか、長期的にはパン市場全体は横這いで推移するとみる。また、慢性的な人材不足が継続することから、ホテルやレストランなどの外食産業を中心とした業務用需要を取り込み、冷凍パン生地・冷凍パン市場は、利便性の高い半焼成、焼成後冷凍パンが市場を牽引するものと考える。
オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます！
【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
生地玉冷凍
成型後冷凍
ホイロ後冷凍
冷凍パン（半焼成冷凍、焼成後冷凍〔製品冷凍〕）
ホテルやレストランの需要が回復し、輸入冷凍パン生地・冷凍パンが伸長
調査要綱
2.調査対象： 国内メーカー、輸入商社等
3.調査方法： 当社専門研究員による直接面談（オンライン含む）、電話等によるヒアリング調査ならびに文献調査併用
＜冷凍パン生地・冷凍パン市場とは＞
本調査における冷凍パン生地・冷凍パン市場とは、冷凍パン生地（生地玉冷凍、成型冷凍生地、ホイロ（発酵機）後冷凍生地）と冷凍パン（半焼成冷凍、焼成後冷凍（製品冷凍））の合計値であり、市場規模は事業者売上高ベースで算出している。なお、冷凍パイ生地、冷凍ケーキ類を含まない。
＜市場に含まれる商品・サービス＞
冷凍パン生地（生地玉冷凍、成型冷凍生地、ホイロ後冷凍生地）、冷凍パン（半焼成冷凍、焼成後冷凍〔製品冷凍〕）
出典資料について
お問い合わせ先
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。