全国の20代から60代の女性10,079人のフェムテック認知度は7.1%、前回調査より1.3ポイント上昇
~今後の購入・利用意向の回答比率が高いのは更年期ケア系のアイテム・サービス~
1.調査結果概要
2023年9月に全国の20代~60代の女性10,079人に対して、フェムケア・フェムテック(消費財・サービス)の認知度やアイテム・サービスへの消費者アンケート調査を実施した。
本調査において「フェムテックという言葉の意味を知っているか」(単数回答)と尋ねたところ、フェムテックの認知度は7.1%であった。
前回(2022年9月)調査、前々回(2021年9月)調査と比較すると、認知度はそれぞれ5.8%、3.4%であったのに対し、前回からは1.3ポイント、前々回から3.7ポイント上昇した。依然として「フェムテック」の認知度は1割に達していないものの、「(フェムテックという言葉を)知らない」という回答は76.4%と8割を切った。
また、「(フェムテックという言葉を)聞いたことはあるが、言葉の意味はわからない」という回答は16.5%と、前回、前々回調査と比較すると、前回からは2.5ポイント、前々回から6.8ポイント上昇した。2021年以降、メディアでもフェムテックについて取り上げられることが増え、耳にする機会が多くなったためと考える。
次に年代別にフェムテックの認知度を見ると、フェムテックアイテム・サービスのターゲット世代となっている30代(8.6%)、40代(9.5%)の認知度が、他の年代に比べて若干高い結果となった。一方で、60代では認知度が4.1%に対し、「(フェムテックという言葉を)知らない」という回答が84.5%と8割を超えている。
本調査結果からは、フェムケア・フェムテックのマーケットを拡大するためには、まず将来のターゲットとなり得る若年層の認知度向上が必須であり、今後のさらなる認知拡大が課題になると言える。
2.注目トピック
本調査結果から、生理系アイテムや妊娠産後ケア系アイテムの購入・利用率が高い傾向に
本調査では、39品目のアイテム・サービスについて、すでに認知していると回答した人に「購入・利用経験あり(今は利用していない含む)」、「購入・利用経験はないが、購入・利用意向あり」、「購入・利用したこともなく、購入・利用したいとも思わない」(複数回答)を尋ねた。
本調査結果から、生理系アイテムや妊娠産後ケア系アイテムの購入・利用経験ありの回答比率が高い傾向にあることがわかった。妊娠時のスキンケアアイテム(54.8%)、ノンポリマー(コットン)紙ナプキン(54.5%)、マタニティインナー、マタニティウェア(53.1%)、婦人体温計(51.7%)、生理管理アプリ(50.6%)などである。とくに、生理管理アプリについては、「2020年以前に購入したものを現在も利用している」との回答比率が33.2%と高く、一度利用すると継続性が高いものとみられる。
一方、購入・利用経験ありの回答比率は低いが、購入・利用意向ありが高いアイテム・サービスとして、各カテゴリーのチェックキット[郵送型婦人科系がん検査キット(35.4%)、ホルモン検査キット(29.6%)、子宮内フローラチェックキット(25.5%)等]、更年期世代向けのケアアイテム・サービス[オンライン相談サービス(33.6%)、スキンケア(32.9%)、体調管理アプリ(31.0%)等]が挙げられる。
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調査要綱
2.調査対象: 全国の20代から60代の女性10,079人
3.調査方法: インターネットモニターを対象とした消費者アンケート調査
<本調査について>
本調査では、全国の20代から60代までの女性10,079人を対象として、インターネットモニターを対象とした消費者アンケート調査を実施した。
調査では、女性特有の健康の悩みや不調、ケア・対処方法、フェムケア・フェムテック(消費財・サービス)市場のアイテム・サービスの認知度、購入・利用状況、友人や同僚、家族に薦める可能性、女性特有の健康課題についての情報共有等について尋ねた。
ここでは、フェムテックの認知度、アイテム・サービス別購入・利用経験および今後の購入・利用意向について、調査結果を公表する。
<市場に含まれる商品・サービス>
フェムケア・フェムテック(生理系、不妊・妊よう性/妊娠・産後ケア系、更年期ケア系、ウィメンズヘルスケア系、セクシャルウェルネス系の計39品目)のアイテム・サービスへの消費者アンケー ト調査結果
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