プレスリリース
No.3660
2024/10/28
国内アパレル市場に関する調査を実施(2024年)

2023年のアパレル総小売市場規模は8兆3,564億円、前年比103.7%
~伸び鈍化も3年連続でプラスに~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内アパレル市場を調査し、品目別や販売チャネル別の動向、アパレルメーカーや小売業などのアパレル産業の現況を明らかにした。
国内アパレル総小売市場規模推移
国内アパレル総小売市場規模推移

1.市場概況

2023年の国内アパレル総小売市場規模(紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品計)は前年比103.7%の8兆3,564億円で3年連続で前年を上回った。
販売チャネル別では、昨年同様、百貨店や専門店における実店舗の回復が顕著である。イベントなどの再開に伴い入学式や成人式などのオケージョン需要が回復したことで買い替えや新調の需要が増加し、実店舗での利用が増えた。EC(インターネット通販)はコロナ禍の期間に急成長した分、その反動が見られ、成長率が鈍化している。実店舗での購買需要がその一要因と考えられる。

2.注目トピック

2023年アパレル業界の全体動向

大手アパレルの2023年業績動向をみると、コロナ禍で受けたダメージから回復し攻めに転じる企業と、ダメージから回復せず構造改革を進めている企業に二分されている。

攻めに転じる企業は、新ブランドや新業態を開発・投入している。新ブランドは従来ブランドよりも上の価格帯のブランドが多い。コロナ禍で停滞していた上質なファッション需要を掘り起こしていると考える。
一方、コロナ禍のダメージから回復していない企業は、経営効率の向上や不採算ブランドの撤退等を中心とした構造改革を進めている。
顧客への価格訴求力のあるアパレルテナントに押されて、構造改革を進めている企業はショッピングセンターを中心に出店意欲が減退している。攻めに転じる企業は従来よりも価格帯が上の新ブランドや新業態のテナント出店の好機とみて、出店を強化していく構図が出来ている。

3.将来展望

国内アパレル​総小売市場規模(紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品計)は2025年頃まではコロナ禍前の市場規模の水準に向けて、回復基調で推移する見通しである。
アパレル市場は長期的には少子高齢化・人口減少の影響を受けて穏かに減少するが、目下の原材料費の高騰や物流費の増加、人件費の上昇によって販売単価が上昇基調にあるため、落ち込み幅は当面抑えられる見込みである。さらに上振れする可能性としては、労働賃金の上昇トレンドが継続して一人当たり衣料品支出金額の減少に歯止めがかかり、家計の衣料品支出額が増加するケースが考えられる。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2024年7月~9月
    2.調査対象: アパレルメーカー(総合アパレル,メンズアパレル,レディスアパレル,ベビー・子供アパレル他)、小売業(百貨店,量販店,専門店,その他)、業界団体等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送によるアンケート調査、ならびに文献調査併用

    <アパレル総小売市場とは>

    本調査におけるアパレル総小売市場とは総合アパレル、メンズアパレル、レディスアパレル、ベビー・子供アパレルなどのアパレル関連企業によるアパレル・洋品を小売金額ベースで算出している。なお、二次流通のリサイクルショップなどでの販売分は含まない。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    メンズアイテム(スーツ、ジャケット・ブレザー、コート、スラックス・パンツ、シャツ)、レディスアイテム(スーツ、フォーマルウェア、ワンピース、ジャケット・ブレザー、コート、ボトム、シャツ・ブラウス)、その他(ニット製品[セーター類、Tシャツ類、ポロシャツ類]、ジーンズ製品、ベビー・子供服、インナーウェアなど)

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年09月30日
    体裁
    A4 383ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
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