プレスリリース
No.3704
2025/03/27
監視カメラ/システム国内市場に関する調査を実施(2024年)

2024年度の国内監視カメラ市場規模は前年度比112.7%の2,252億円の見込
​~DX推進をサポートするVCA画像解析システムやクラウドカメラサービスが市場をけん引、今後も市場は堅調に推移する見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、監視カメラ/システム国内市場を調査し、 品目別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

監視カメラ/システム国内総市場規模推移・予測
監視カメラ/システム国内総市場規模推移・予測
クラウドカメラサービス国内市場規模推移・予測(累計稼働台数)
クラウドカメラサービス国内市場規模推移・予測(累計稼働台数)

1.市場概況

2023年度の国内監視カメラ/システム総市場規模(ベンダー出荷金額ベース)は、前年度比110.9%の1,999億円となった。VCA画像解析システムやクラウドカメラサービスが、DX推進をサポートするカメラソリューション(マーケティングや安全管理、交通管理、医療現場などでの活用)として、セキュリティだけでなく、利用用途が多岐に渡ったことで、監視カメラ/システムの需要が拡大している。さらに、そうした利用用途への活用のために必要なIP(ネットワーク)カメラの伸長もあり、市場全体は堅調に拡大した。

​一方、アナログ系カメラやそれに関連する周辺機器(DVR、エンコーダなど)は減少基調になっているが、解像度の高いアナログHD(High Definition)カメラの浸透に加え、IPカメラよりも安価であることから、アナログ系カメラの需要は今だ根強く、大きな需要減少には至っていない。

2.注目トピック

クラウドカメラサービス国内市場

クラウドカメラサービスは、現場を遠隔で管理するため、IP(ネットワーク)カメラで撮影した画像データをインターネットを経由してクラウド上に記録・保存するサービスである。同市場における累計稼働台数は、IPカメラの内数である。

​クラウドカメラサービス国内市場における2023年度のクラウドカメラの累計稼働台数は44万台であった。2024年度の累計稼働台数は54万7,500台の見込みで、大きく伸長している。今後も順調に推移していき、2029年度の累計稼働台数は131万台まで成長すると予測する。現在、比較的安価に導入できるサブスクリプション型サービスの提供が一般化し、主流となっている。こうしたなか、小規模事業者や中小企業などでも容易にマーケティングなどのカメラソリューションを享受できるようになったことで、市場の裾野が拡大している。

3.将来展望

2024年度の国内監視カメラ/システム総市場規模(ベンダー出荷金額ベース)は、前年度比112.7%の2,252億円の見込み、2029年度には4,108億円まで成長すると予測する。VCA 画像解析システムとクラウドカメラサービスが市場をけん引し、今後もマーケティングや画像解析によるカメラソリューションを中心とした提供が想定されることから、2024年度以降も市場は堅調に推移するとみる。

また、国内​監視カメラ/システム総市場は、カメラ本体(ハードウェア)を中心に販売するのではなく、画像解析システムなどのソフトウェアを基盤とした付加価値ビジネスとして、今後さらに活発化すると考える。一方で、今後はソフトウェアを含めたソリューション全体でも差別化が難しくなる可能性がある。各サービス提供事業者においては映像データ利活用など、有益な画像解析や情報分析サービスを提供しながら、提案できるカメラソリューションにどのような特色をもたせ、進展させていくかが重要になると考える。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2024年8月~11月
    2.調査対象: 監視カメラメーカー、代理店、SIer等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用

    <監視カメラ/システム総市場とは>

    本調査における監視カメラ/システム総市場は、国内における監視カメラ(IPカメラ+アナログ系カメラ)、DVR(Digital Video Recorder)、NVR(Network Video Recorder)、エンコーダ、VMS(Video Management System/Software)、VCA画像解析(Video Content Analysis)、クラウドカメラサービスの各分野を構成するハードウェア、ソフトウェアを対象とし、ベンダー出荷金額ベースで算出した。なお、工事費や保守・メンテナンス作業費は含まない。また、赤外線カメラ、およびサーモグラフィ関連も含まない。各分野の詳細は以下参照。

    ・監視カメラ:監視カメラはIP(ネットワーク)カメラとアナログカメラに大別される。ネットワークカメラはIP機能を内蔵し、カメラ単独でインターネット網に接続して使用可能な業務用カメラであり、アナログカメラは同軸ケーブルによってモニタや録画機器と物理的につなげる必要があり、一般的にはIPカメラに比べて安価である。
    ・DVR(Digital Video Recorder):アナログ系カメラが撮影した映像データをハードディスクにデジタルデータとして記録、保存する機器の総称である。
    ・NVR(Network Video Recorder):主にIPカメラの映像データをハードディスクにデジタルデータとして記録、保存する機器の総称である。
    ・エンコーダ:アナログカメラから得た画像を通信回線に送るための変換を行う製品をさす。
    ・VMS(Video Management System/Software):監視カメラで撮影した映像を記録媒体に保存し、管理するためのソフトウェアをさす。
    ・VCA画像解析(Video Content Analysis):顔認証、人数計測、車両ナンバー認識、動体・不動体検知など、カメラで撮影した画像や映像を利用し、コンピュータ上で解析をすることで様々な情報をデータ化したり、作業を効率化したりすることができる機能をさす。
    ・クラウドカメラサービス:カメラで撮影した映像をインターネットを経由しクラウド上に記録・保存するサービスである。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    監視カメラ(IPカメラ、アナログ系カメラ)、DVR、NVR、エンコーダ、VMS、VCA画像解析、クラウドカメラサービス

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年11月29日
    体裁
    A4 134ページ
    価格(税込)
    220,000円 (本体価格 200,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
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