2018年03月27日
呉服市場に関する調査を実施(2018年)
~需要は二極化、高価格帯商品が好調の一方、中価格帯商品が苦戦~
調査要綱
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内呉服市場の調査を実施した。
1. 調査期間:2017年11月~2018年3月
2. 調査対象:呉服関連メーカー、呉服関連卸売業、呉服関連小売業等
3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、郵送アンケート、及び文献調査併用
<呉服市場とは>
本調査における呉服市場には、正絹のきもの、紬類のきもの、帯類、リサイクルきものの他、和装小物、ゆかた、合繊素材のきもの等を含む。市場規模は小売金額にて算出し、レンタルきものは含まない。
調査結果サマリー
◆ 2017年の呉服小売市場規模は前年比97.3%の2,710億円と微減
2017年の呉服小売市場規模は前年比97.3%の2,710億円であった。呉服小売市場は少子化の影響や婚姻件数の減少傾向※などのマイナス要因はあるものの、インターネット通販やリサイクル販売が好調であることもあり、一定の市場規模を維持し、微減に留まった。(※データ出所:厚生労働省)
◆ リサイクル販売チャネルとインターネット通販チャネルは引き続き好調
2017年の呉服小売市場をチャネル別にみると、前年と比べ、リサイクル販売、通信販売は引き続き好調で、催事・訪問販売は前年並みであった一方、これ以外のチャネルは不調であった。価格の安さや利用の気軽さなどから、リサイクルきものやインターネット通販で購入できる浴衣(ゆかた)などが消費者の支持を受け、リサイクル販売、通信販売はいずれもプラス成長である。
◆ 消費者嗜好の多様化、織りや染めにこだわる逸品需要など二極化も
アパレルファッションと同等の感覚で楽しまれているリサイクルきものや、インターネット通販で購入できる浴衣(ゆかた)などが価格の安さや利用の気軽さなどを理由に支持を受け、市場を拡大させている。
一方で、価格に関係なく、織りや染めにこだわった他には無い特別な商品や逸品を重視する消費者層も存在する。消費者嗜好は多様化し、また二極化傾向もみられる。