制度整備の進展や政策的後押しを背景に市場の形成進む
1.市場概況
2013年の再生医療推進法の公布・施行に続く、2014年11月の再生医療等安全性確保法および医薬品医療機器法の施行により、再生医療に関する国の新しい規制の枠組みが提示され、また、再生医療実現拠点ネットワークプログラムといった大型の国家プロジェクトを通じた経済面でのバックアップを図り、予算運用も日本医療研究開発機構に一元化して効率的・効果的な運用を行うなど基盤整備が進められてきた。
こうした中、再生医療等製品の上市も16製品を数えるまでに進んできた。
2.注目トピック
iPS 細胞による臨床研究動向
2006年、京都大学 山中伸弥教授によりマウスの繊維芽細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)が世界で初めて作製され、また翌2007年にはヒトの線維芽細胞からヒトiPS細胞が樹立されてから10年以上を経過した。
この間、iPS細胞の技術が普及すると共に、臨床応用に向けた研究開発が進められてきた。2014年には世界で初めて人への臨床応用が行われれ、以来iPS細胞を使って行われる国内の臨床研究・治験は緩やかながらも着実に増加方向に推移している。
iPS細胞の臨床使用において、免疫反応が少なく移植可能な分化細胞の原料となる再生医療用iPS細胞のストックを2015年から提供を開始するなど、安全性に配慮しつつ臨床での活用を促進するといった制度整備も進んでいる。
3.将来展望
再生医療等製品市場は、上市する製品数の増加や処方者・患者への浸透に加え、対象患者数が少ない場合も高額な価格により販売高は相当の規模に及ぶといったこともあり、引き続き拡大方向に推移するものと予測する。優れた効果・効能を有する開発品の上市が今後も続くものと期待されているが、他方、現下の価格状況から医療財政面での懸念も聞かれる。
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再生誘導医薬
調査要綱
2.調査対象: 再生医療等製品関連企業、細胞培養加工施設関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<再生医療等製品市場とは>
再生医療等製品は、いわゆる医薬品医療機器等法に定義されており、次のうち政令に定めるものを指し、これらによって構成される市場を再生医療等製品市場とした。
(1)人又は動物の細胞に培養等の加工を施したものであって、身体の構造・機能の再建・修復・形成するもの、または疾病の治療・予防を目的として使用するもの
(2)遺伝子治療を目的として、人の細胞に導入して使用するもの
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