2022年第1四半期の住宅リフォーム市場規模は前年同期比7.6%減の約1.4兆円、落ち着きを見せるも依然として高水準を維持
1.市場概況
2022年第1四半期(1~3月)の住宅リフォーム市場規模は1兆4,036億円(速報値)、前年同期比で7.6%減と推計する。前年同期比では落ち着きを見せているものの、過去10年間の第1四半期と比較すると、平均規模を上回る水準で推移している。
住宅リフォームを分野別にみると、増改築工事(10㎡超、および10㎡以下)は低迷しているものの、設備修繕・維持関連は堅調に推移している。家具・インテリア関連は、コロナ禍前の水準に回復している。
2.注目トピック
2021年度の住宅リフォーム市場は 6.8兆円、前年度比1.1%増
住宅リフォーム市場規模を年度ベースで算出すると、2021年度(2021年4月~2022年3月)は6兆7,880億円(速報値)、前年度比で1.1%増と推計する。
コロナ禍にあっても、2021年度の市場が好調に推移した背景には、リフォーム適齢期を迎えた住宅を有する団塊ジュニア世代のリフォーム需要の拡大に加え、在宅時間の長期化に伴い住環境を見直す機運が高まり、リフォーム需要が底堅く推移したことのほか、建築費や建材費などの高騰も市場拡大の要因の一つと考えられる。
3.将来展望
2022年の住宅リフォーム市場規模は、6.2~6.5兆円を予測する。
日本国内では新型コロナワクチン接種が進み、感染状況は徐々に落ち着きをみせている。そのため、旅行・レジャーやエンターテインメント関連などの支出の増加が見込まれるが、これに加え、物価高騰の影響もあることから、家計支出全体が縮小し、住宅・住環境関連への支出を控える傾向にあるものとみる。その結果、住宅リフォーム市場が低迷する可能性もあるものと考える。
調査要綱
2.調査対象: 各種統計データ及び住宅リフォーム事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による市場規模算出、及び文献調査
<住宅リフォーム市場とは>
本調査における住宅リフォーム市場とは、「10㎡超の増改築工事」・「10㎡以下の増改築工事」・「設備修繕・維持関連」・「家具・インテリア等」の4分野をさす。
なお、市場規模は国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」をもとに推計した。
<市場に含まれる商品・サービス>
住宅の躯体・設備等の修理・修繕・改装に関わる工事等
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