プレスリリース
No.3070
2022/10/26
金融機関向けDXに関する調査を実施(2022年)

2021年度の国内金融向けIT市場は3兆6,369億円
~非接触、デジタル化推進が実行フェーズに移行し今後は拡大傾向に~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、金融機関のDXに関する市場を調査し、金融機関のIT投資額、および将来展望を明らかにした。

国内金融機関向けIT市場規模・予測
国内金融機関向けIT市場規模・予測

1.市場概況

2021年度の国内金融機関向けIT市場は事業者売上高ベースで3兆6,369億円と推計した。金融機関におけるシステム更改やオープンAPIへの対応が一巡したこともあり、近年はほぼ横ばい傾向が続いている。

一方で、新型コロナウイルスの影響により非接触、デジタル化、オンライン上での取引の重要性が認識されたこともあり、デジタル化推進の取組みが実行フェーズに移行し、今後は市場規模拡大の要因になるとみる。金融機関を取り巻く環境は近年変化してきており、人口減少・少子高齢化の進行や低金利環境の長期化に加え、新型コロナウイルス感染拡大による影響など厳しい状況が続いている。また、デジタライゼーションの動きも加速しており、異業種からの金融業界への進出なども見受けられ、環境は日々変化している。

​銀行向けセキュリティ基盤の開発やインフラ、DX支援などが増加していることを背景に、各ベンダーの売上は堅調に拡大している。今後は、異業種における金融サービス参入ニーズをはじめ、銀行向けのネットワーク構築やデータ分析、インフラのほか、金融向け業務効率化クラウドが増加していく見通しである。

2.注目トピック

顧客接点のデジタル化の加速

コロナ禍により、金融機関ではオンラインでの取引が好まれ、来店客数も減少傾向にあることから、顧客接点のデジタル化に向けた取り組みが加速するとみる。非接触・非対面による需要も高まっており、オンラインでの取引やアプリの機能強化など、金融SIerは様々なソリューションを提供している。

Webやアプリでの取引を好むとも考えられる若年層向けに、金融機関はアプリのUI/UXを強化している。顧客利便性の向上にも寄与することから、積極的に投資される領域といえる。

​​単純なアプリの使用感の調整から、最新技術の搭載などソリューションは多岐にわたる。特にオンライン上での取引・営業が活発化されたことを要因として利用が進むものも多い。オンライン上で本人確認を行うeKYCや電子契約サービス等のソリューションは、従来対面で行っていたものをオンラインで可能にするものであり、今後も需要が高まるとみる。

3.将来展望

2025年度の国内金融機関向けIT市場規模は3兆9,131億円まで拡大すると予測する。

​多くの金融機関が中期経営計画等において、店舗・チャネルの最適化やデジタル化の推進を掲げている。店舗統廃合やチャネルの拡大にはアプリの強化や店舗のペーパーレス化等が必要となり、市場規模の拡大が見込める。また、クラウドへの移行や基幹システムオープン化への意向も高まっており、今後デジタル化への投資意欲は拡大していくとみる。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年9月~2022年7月
    2.調査対象: 金融機関向けのSIer、Solution Vendor
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査等併用

    <国内金融機関向けIT市場とは>

    金融機関においては、基幹系システムの構築や強固なセキュリティを保つためのIT投資が求められる。それに加えてオープンAPIへの対応やオンライン上での取引への移行など近年ではDXに係る取組みも活発化している。

    本調査では、金融機関向けのSIer、Solution Vendorの取り組みから、金融機関のDXに係る投資意欲を調査した。その上で国内金融機関のIT投資額を国内金融機関向けIT市場とし、事業者売上高ベースで市場規模を算出した。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    DX、デジタル化、非対面・非接触、アプリ、データ分析などを目的とする金融機関向けDXソリューション

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2022年07月29日
    体裁
    A4 129ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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