プレスリリース
No.3352
2023/10/11
ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2023年)

コロナ禍の追い風を受け3,000億円台に達した2022年の国内ゴルフ用品市場、しかし2023年の後半以降は数量の伸び悩みなど課題も顕在化

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のゴルフ用品市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

ゴルフ用品別国内市場規模推移
 ゴルフ用品別国内市場規模推移

1.市場概況

2022年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)は、前年比112.0%の3,092億円となった。過去に国内ゴルフ用品市場規模が3,000億円台を記録した年は2001年であるから、実に21年ぶりに大台に達した。
2020年以降、国内に限らず世界のゴルフ用品市場が「コロナバブル」と言われる思わぬ好況に沸いており、コロナ禍で屋外型のアクティビティとしてゴルフに注目が集まったことにより2022年の国内市場も前年に引き続いてのプラス成長を果たした。それ以外にも、原材料高騰を背景とした商品値上げによる金額規模の底上げが成長の一因として指摘できる。

2.注目トピック

消費者アンケート調査結果からみる、コロナ禍に新たにゴルフを始めた新規参入ゴルファーの動向

当社では、新型コロナウイルス感染症拡大が国内のゴルフ産業に与えるの影響について、定量的に分析することを目的として、消費者アンケート調査を2020年以降、4回にわたり実施してきた。

4回のアンケート調査結果では、2019年以前にはゴルフを未経験、あるいは経験はあるものの1年以上プレーしていなかったが2020年以降新たにゴルフを始めた「新規参入及び休眠復活ゴルファー」は約110万人(拡大推計値)であった。
しかしながらその一方で、コロナ禍をきっかけにゴルフを始めたけれど、既にやめてしまった(2023年7月現在)という「早期リタイアゴルファー」も約2割程度存在するという調査結果となった。

その理由については金銭的理由や、ゴルフを始めてはみたものの上達を実感できないのでつまらなくなってやめてしまうなどスキル的な理由で止めてしまった人が多いであろうことは、過去の類似調査の結果から容易に想像できる。それに加え、コロナ前の生活環境に戻ったことでゴルフを止めてしまった人、「旅行に行けるようになったので」、「飲み会が復活したので」、「会社通勤が復活したので」、「転勤が決まったので」などといった理由でゴルフをやめた人も一定数存在するのではないかと思われる。

これらの理由による離脱をゴルフ業界の「仕組み」で防止するのは難しく、一定数の離脱者が出てしまうのは致し方ない。離脱率が約2割程度と推計すると、残りの「新規参入及び休眠復活ゴルファー」がゴルフを継続してくれているのは上出来と言って良いのかもしれない。ゴルフ業界側で講じることの出来る早期リタイア防止策は当然今後も講じていく必要はあるが、やはり「新規ゴルファーを持続的に創出する仕組み」、即ち「ゼロを1にする仕組み」をゴルフ業界が戦略化、戦術化することの必要性と重要性を今回の調査結果は改めて指し示していると言える。

3.将来展望

2023年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)は、前年比103.0%の3,184億3,000万円と予測する。市場成長予測の要因としては、前年から続いている商品単価の上昇が挙げられる。
2023年の数量規模については、「ウッド」、「アイアン」、「ラウンドボール」、「シューズ」など前年比マイナス予測のカテゴリーが多い。しかし、金額構成比率の高いゴルフクラブ市場合計が数量ベースでは前年比98.2%の708万本となるものの、金額ベースで同104.0%の1,228億3,000万円と引き続いてのプラス成長予測であること、ゴルフウエア市場も前年比102.2%の1,145億円とプラス予測であることが大きく影響している。
言うまでもなくこの予測数字の達成には、小売市場において一定以上の需要が生まれることが必要条件となるが、当社のゴルフ用品実売動向調査「YPSゴルフデータ(国内約1,100店舗のゴルフ用品小売店の実売結果を集計、分析したデータ)」における2023年各月のデータを見る限り、引き続いてのプラス成長の実現は相当高いハードルであると言わざるを得ない状況にある。

オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  1.ゴルフクラブ ウッド
     2.ゴルフクラブ ハイブリッド
     3.ゴルフクラブ アイアン
     4.ゴルフクラブ パター
     5.ゴルフボール(ラウンドボール)
     6.ゴルフシューズ
     7.キャディバッグ
     8.ゴルフグローブ
     9.ゴルフウエア
  • 注目トピックの追加情報
  • 将来展望の追加情報

  • 以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

    調査要綱

    1.調査期間: 2023月5月~8月
    2.調査対象: ゴルフ関連企業(メーカー、商社、卸、小売店)
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、インターネット消費者アンケート調査

    <ゴルフ用品とは>
    本調査におけるゴルフ用品とは、ゴルフ用品取扱関連企業が生産・販売を行う、個人消費者向けの商品をさす。自社ブランド商品の国内売上分を対象とし、ゴルフ用品メーカー向けの「OEM請負分」「カスタムクラブ分」の売上高は対象外とする。
    ※ゴルフ用品メーカーが小売店に設置している「計測器」や「シミュレーションゴルフ機器」なども対象外とし、中古品(ロストボール含む)も含まない。

    ​<ゴルフ用品市場とは>
    本調査におけるゴルフ用品市場は、上記対象商品のメーカー売上高ベースで算出した。
    ※各メーカーの「総売上高(直営店売上分+卸売)」から「返品」及び「マークダウン伝票発行分(値引伝票額若しくは差引額)」を差し引いた数値(純売)で、海外向け売上分を除いたもの。 

    <市場に含まれる商品・サービス>

    ゴルフクラブ(ウッド、ハイブリッド、アイアン、パター)、ゴルフボール(ラウンドボール、レンジボール)、ゴルフシューズ、キャディバッグ、その他バッグ・カバー類、ゴルフグローブ、ゴルフウエア(キャップ・バイザー、ベルト、アンダーウエア含む)、その他ゴルフ用品(ティー・マーカー類、練習器具、コンペ賞品・ギフト、携帯型飛距離測定器、その他)

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2023年08月25日
    体裁
    A4 523ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
    電話番号
    03-5371-6912
    メールアドレス
    press@yano.co.jp
    ©2023 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
      本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
      報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
      利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。