住宅価格上昇で新築戸建注文住宅の購入マインドが低下も、中古住宅ビジネス活況の契機に
1.調査結果概要
昨今の資材価格や人件費の上昇等を背景とした住宅価格の上昇により、戸建注文住宅の買い控えが続いている。こうした状況の中で、一戸当たり床面積の縮小、規格型注文住宅や平屋住宅の増加などがみられている。そのため、ハウスメーカーには狭い空間でも広く見せる工夫が求められている。
他方で、引き続き、共働き世帯や子育て世帯が一次住宅取得者のボリュームゾーンで変化がないため、ハウスメーカー、ハウスビルダーとも、家事楽や暮らしに合せた収納、子供が安全に過ごせる住環境といったソフト提案を積極化しおり、その進化が期待できる。また、2030年の住宅像としては、ネットワークやセンサーと結びついた住宅のインテリジェンス化や、激甚化する災害に対応した、さらなる住宅のレジリエンス化・堅牢化が進むものとみられる。
2.注目トピック
大手ハウスメーカーの商品トレンド
大手ハウスメーカーの商品トレンドとしては、住宅価格が上昇しても、新築戸建注文住宅を購入でき、かつ、環境意識の高い中流上位層(ミドルアッパー層)から富裕層に対して、長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅などを販売している。
他方、新築戸建注文住宅の購入が難しい中流層(ミドル層)に関しては、新築戸建注文住宅と比較して値ごろ感のある中古住宅の販売や、中古住宅のリフォーム・リノベーションといったストックビジネスを推進している。
さらに、海外住宅市場への取り組みを強化していることから、将来的に海外における住まい方や技術が我が国に逆輸入され、我が国の住宅産業にイノベーションをもたらす可能性がある。
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調査要綱
2.調査対象: 大手ハウスメーカー、ハウスビルダー・工務店、マンションメーカー等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<市場に含まれる商品・サービス>
(1)戸建住宅市場(2)マンション市場 (3)工法別住宅市場(プレハブ住宅、木造住宅、ツーバイフォー住宅、分譲マンション)(4)住宅の注目市場(高齢者住宅、賃貸住宅、中古住宅)(5)その他、関連市場
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