プレスリリース
No.3553
2024/05/22
建設現場DX市場に関する調査を実施(2024年)

建設現場において実装し得るハードウェア面のDX技術は、実証実験段階から実装段階へと進みつつある

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の建設現場に直接実装されるハードウェア等を中心とした建設現場DX技術等の市場動向を調査し、現状や将来展望、課題を明らかにした。ここでは、建設現場DX市場(5分野計)の予測について、公表する。

建設現場DX市場(5分野計)予測
建設現場DX市場(5分野計)予測

1.市場概況

「建設現場DX」とは建設施工現場にダイレクトに導入されるようなハードウェア面に関する技術動向を指し、大手ゼネコン等におけるデジタル戦略やICT施工、現場の自動化・省力化技術などから、①自動化、②遠隔操作、③遠隔臨場、④ドローン活用、⑤建設用3Dプリンターの5つの技術について、市場動向を調査した。

2024年度の建設現場DX市場(5分野計、事業者売上高ベース)を586億円と予測する。これらの技術の多くは実証実験段階にあり、建設現場における本格的な実装はこれからとなるが、大手ゼネコンを始め、建設機械メーカー、ロボットメーカー、システムインテグレーターなどによって現場実装に向けて着実に進んでおり、今後の建設現場において欠かせない技術・サービスとなっていく見込みである。

2.注目トピック

国の施策も建設現場のDX化を後押し

国土交通省が進めている建設現場へのICTの導入・活用の取り組みである「i-Construction」では、自動・遠隔施工技術の推進による、建設現場のリモートオフィス化や工場化などの既存建設現場から大きく異なる概念が打ち出され、技術実装が進められている。
また、DX技術の導入を妨げるような、人による直接目視点検や巡回、管理者常駐などを義務付ける「アナログ規制」については、デジタル庁によりそれらの規制の見直しや撤廃、代替技術の導入が進められている。これらの施策が推進されることにより、建設現場における建設機械の自動化や遠隔操作、遠隔臨場の技術などがより積極的に活用されていくことになると考える。

3.将来展望

2030年度の建設現場DX市場(5分野計)を1,250億円になると予測する。
市場の内訳をみると、遠隔臨場技術やドローン活用技術については、既に建設現場での実装が進んでおり、今後も安定した成長が見込まれる。一方、自動化技術、遠隔操作技術、建設用3Dプリンターでは市場は黎明期にあり、一部では現場実装も進んでいるものの、実証実験段階の域を大きく超えてはいない。
5分野毎に成長スピードの差はあるものの、いずれも建設現場における労働力不足やイノベーションに寄与する技術であり、今後も着実に成長を続けていくと予測する。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2024年1~3月
    2.調査対象: ゼネコン、建設機械事業者、ロボット事業者、ドローン事業者、システムインテグレーター、その他建設関連事業者等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

    <建設現場DXとは>

    本調査では、建設現場に直接実装するようなハードウェア面に関するテクノロジーを「建設現場DX」と独自に位置づけ、①自動化技術(建設機械の自動化、建設工事用ロボット)、②遠隔操作技術(建設機械等の遠隔操作)、③遠隔臨場技術(ウェアラブルカメラ等を活用した遠隔臨場)、④ドローン活用技術(ドローンを活用した屋内建設現場の進捗管理、建築物点検、物資輸送等)、⑤建設用3Dプリンター(セメント材料などを活用し建設用に適応させた3Dプリンター)の5分野の技術等の市場動向調査を行った。

    本調査における建設現場DX市場とは、5分野におけるデバイス・機器の販売、レンタル、周辺サービス等を鑑み、事業者売上高ベースで算出した。尚、市場規模に含めるのは市場を通じて外販されるもののみとする。ゼネコン等が自社の建設工事において使用する技術は基本的に外販されないため、原則として市場規模には含めていない。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    建設機械の自動化、建設工事用ロボット、遠隔操作技術、遠隔臨場技術、ドローン活用技術、建設用3Dプリンター

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年03月28日
    体裁
    A4 216ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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