2023年度の生活支援サービス市場(主要5分野計)は前年度比104.2%の5,633億円
~生活をサポートする生活支援サービスへの潜在的な利用意向が顕在化~
1.市場概況
2023年度の生活支援サービスの主要5分野(家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス(専門清掃)、ホームセキュリティ、見守りサービス、家具・家電レンタルサービス)の市場規模は、前年度比4.2%増の5,633億円と推計した。
生活支援サービスの認知度は少しずつ向上しており、コロナ禍においても大きなマイナスの影響を受けなかった。昨今は、コロナ禍で抑制されていた、スタッフが自宅に来て対面でサービスを提供するなどの生活支援サービスの潜在的な利用意向が顕在化しており、利用者数の増加が加速する可能性もあることから、2024年度の同市場規模は、同9.3%増の6,158億円になると予測する。
生活支援サービスの主な役割は、生活者に安心や安全を提供すること、快適な暮らしと便利なサービスを提供することである。生活の質を高めるために付加価値が提供されるサービスであり、低コストを追求するサービスではない。よって、民間事業者は、事業性が高まる価格帯で適正なコストを要求できるサービスとして成長させていかなければならない。
2.注目トピック
福利厚生や公的補助など、国や地方自治体からの支援に期待感
家事代行サービスにおいては、経済産業省により令和5年度補正予算事業の福利厚生導入実証事業(利用料金の補助事業)が実施されている。また、一部の地方自治体においても、家事代行サービスの利用者に対する利用料金補助の事業化など、生活者の家事代行サービスの利用に対する補助が行われるようになってきている。
家事代行サービスは炊事、洗濯、掃除、買い物など“家事”にまつわるサービスが提供されるため、生活者自身で実行できる“コト”も多く、対価を支払ってサービスを受けることへの抵抗感は小さくない。これに対し、国や地方自治体が支援や利用料金の補助を行うことで、”誰でも使うことができるサービス”という認識が広がり、サービス利用の抵抗感を軽減することに繋がると考える。事業者からの利用促進策の打ち出しだけでなく、公的な支援を追い風にして、市場拡大につながるものとみる。
3.将来展望
生活支援サービスは生活者の生活を直接支援し利便性を高める。その中には、民間事業者が提供するサービスであっても公共サービスとして提供されていてもおかしくはないと思われる性質をもっているものもあり、実際に公的支援や補助が行われている。
ただし、生活支援サービスの多くは“人”が提供するサービスであり、長期継続したサービス提供を実現するためには、収益性を高めることのほか、サービスを提供するスタッフの継続した雇用環境を維持するためにも、民間事業としての事業性を追求していくことが必要となる。国の実証事業や地方自治体の補助事業など、サービス利用料金の公的支援による生活者への利用促進効果、利用者数の増加に期待するとともに、民間事業者は、事業性を高めるために適正なサービス提供価格を追求していかなくてはならないと考える。
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家具・家電レンタルサービス市場
調査要綱
2.調査対象: 生活支援サービスの提供事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・email等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<住まいと生活支援サービスとは>
本調査では、一般生活者の日常生活を支援する、①家事代行サービス、②ハウスクリーニングサービス(専門清掃)、③ホームセキュリティ、④見守りサービス、⑤家具・家電レンタルサービス、⑥コインランドリー、⑦宅配型クリーニング、⑧衣類保管、⑨移動スーパー(移動販売車)、⑩駆け付け対応サービス、⑪宅配ロッカーなどの住まいと生活支援サービスを対象とした。
なお、本調査における生活支援サービス市場規模とは、家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス(専門清掃)、見守りサービス、家具・家電レンタルサービス(いずれも利用者の支払い金額ベース)、およびホームセキュリティ(事業者売上高ベース)の主要5分野合計で算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス、ホームセキュリティ、見守りサービス、家具・家電レンタルサービス、コインランドリー、宅配型クリーニング、衣類保管、移動スーパー(移動販売車)、駆け付け対応サービス、宅配ロッカー
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