プレスリリース
No.3632
2024/10/01
車載ディスプレイ世界市場に関する調査を実施(2024年)

2024年の車載ディスプレイ世界出荷量は前年比5.9%増を予測
​~Cockpit Module向けレイアウトデザインの変化により、15インチ前後と20~50インチ台の大型Center Information Displayや、Integrated Display、Passenger Display等高付加価値な車載ディスプレイ製品の搭載が拡大へ~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、車載ディスプレイ世界市場を調査し、タイプ別や部位別、インチ別の市場動向、メーカー動向、価格動向、将来展望を明らかにした。
車載ディスプレイ世界出荷量予測
車載ディスプレイ世界出荷量予測

1.市場概況

2024年の車載ディスプレイ世界出荷量(純正品のみ、LCD-TFT、AMOLED、Mini LED[Direct LED(Back light Unit)]、MicroLEDディスプレイ、メーカー出荷数量ベース)は、前年比105.9%の1億9,306万6,000枚になると予測する。
2023年に世界の自動車マーケットは大幅に伸長し、車載ディスプレイの世界出荷量も拡大した。2024年に入ってその反動もあり、世界的な景気後退によるクルマの需要が減少したことで、車載ディスプレイ世界出荷量の成長も鈍化しつつある。その要因となっているのは、補助金政策の打ち切りなどによりEV販売の勢いが鈍化したための中国や欧州でのEV(電気自動車)生産量減少であり、EV向け車載ディスプレイの世界出荷量は減少を見込む。2024年の車載ディスプレイ世界出荷量は前年比105.9%となる見通しである。

2.注目トピック

Cockpit Module向けディスプレイデザインが本格的に変化、Integrated DisplayやPassenger Displayが注目される

2025年以降の車載ディスプレイの注目トレンドとして、Cockpit Module向け「Integrated Display(機能統合型ディスプレイ)」や「Passenger Display(助手席側ディスプレイ)」の市場拡大が挙げられる。

車内前方付近のCockpit Module向けディスプレイデザインのレイアウトは過渡期を迎えており、本格的に変化していく見通しである。今後、Cockpit Module向けにはコックピットの全幅に広がるSuper-Long Displayよりも、「Multi Display(1つの表示装置に複数情報を表示するディスプレイ)」の複数搭載やIntegrated Displayの採用に理解を示す動きがある。
中国市場ではCluster+大型CID(Center Information Display)搭載の流れが主流になりつつある。一方、欧州市場ではPassenger Displayを含むIntegrated Displayの採用が本格化している。特に、欧州ではPassenger Display搭載の標準規格化を進めているため、今後市場規模の拡大を予測する。なお、Passenger Display向けディスプレイでは、視野角制御技術により実現可能な「Switchable Privacy Display」も安全性の観点から搭載が進んでおり、さらに高付加価値な車載ディスプレイ製品が登場しつつある。

3.将来展望

車載ディスプレイの出荷数量は、自動車1台あたりに複数枚のパネルが搭載されるため、これまでは常に自動車生産台数の成長率を上回ってきた。しかし、2025年以降の車載ディスプレイの市場成長は必ずしも自動車生産台数の成長率を上回るとは限らず、車載ディスプレイの搭載枚数に対する考え方が変化し、2025年以降の車載ディスプレイ世界出荷数量は、自動車生産台数の成長率に近づくと予測する。
車載ディスプレイの大型化は著しく進行しており、部材コストを抑えるために様々な中小型車載ディスプレイは搭載せず、Cockpit Module向けに9インチ以上のディスプレイを2枚搭載するデザインが定着しつつある。また、「CIDとCluster」、もしくは「CIDとPassenger Display」の機能を統合したIntegrated Displayを1枚搭載するディスプレイデザインの採用も拡大しており、数量の伸びは鈍化傾向にあると考える。

一方で、高付加価値な車載ディスプレイ製品の搭載拡大により、車載ディスプレイの金額市場は高成長が続く見込みである。市場の拡大を支えるのは車載用OLEDパネルや、大型かつ高輝度なLED Back light Unit付きIntegrated Display、映り込みを抑制するAG/LR反射フィルムやインセル(内蔵)型タッチパネル付きなどの高性能な車載ディスプレイの採用拡大である。Cockpit Module向けレイアウトデザインの変化により、15インチ前後と20~50インチ台の大型CIDや、Integrated Display、Passenger Displayなど高単価な車載ディスプレイ製品の採用が拡大し、金額ベースでの高成長を支えると予測する。

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  •  Cockpit Module向けで大型車載用ディスプレイの採用が急増
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    調査要綱

    1.調査期間: 2024年6月~8月
    2.調査対象: 車載ディスプレイメーカー
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

    <車載ディスプレイ市場とは>

    本調査における車載ディスプレイ市場とは、 自動車のCockpit Module向けCID(Center Information Display)、Cluster(Instrument Cluster)、Integrated Display、Passenger Display、RSE(Rear Seat Entertainment)、HUD(Head-up Display)、Mirror(Rearview Mirror / Side Mirror)向けのLCD-TFT、AMOLED、Mini LED[Direct LED(Back light Unit)]、Micro LEDを対象として、メーカー出荷数量ベースで算出した。
    また、市場規模は市販品を含まず、純正品のみを対象とする。

    ※参考資料
    「自動車用フィルム・シート市場に関する調査を実施(2024年)」(2024年10月24日発表)
    ​https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3644

    <市場に含まれる商品・サービス>

    車載TFT-LCD、車載AM-OLED、車載Mini/Micro LED

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年08月30日
    体裁
    A4 140ページ
    価格(税込)
    220,000円 (本体価格 200,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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