2024年の国内宝飾品小売市場規模は前年比108.1%の1兆1,306億円
~景気好調を受けて1兆円規模を維持~
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調査結果概要
<市場概況、将来展望>
2024年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は前年比108.1%の1兆1,306億円と、2008年以降14年ぶりに1兆円規模まで回復をした2022年に続き、2023年も1兆円を超えたが、2024年は1兆1,000億円をも超える規模となった。
年初から自然災害などに多く見舞われたが、概して株高や不動産価格上昇などを背景とした景気好調感を受けて、国内宝飾品(ジュエリー)小売市場は好調に推移した。富裕層を中心に高額のジュエリー購買に繋がったことに加え、金地金価格の高騰により宝飾品(ジュエリー)各社が商品の値上げを実施したこと、インバウンド(訪日外国人客)を中心に海外ブランドの売上が好調に推移したこと、婚姻組数※が増えない中でも販売単価が上昇傾向にあることでブライダルリング市場が拡大したこと、地金商品や高額のダイヤモンドなどが投資的な意味合いで購入されたことなどが、市場規模拡大に起因した。(※データ出所:厚生労働省「人口動態統計」)
2025年はさらなるインバウンド需要の増加など国内の景気好調感は継続するとみられることから、2025年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比106.8%の1兆2,070億円を予測する。
<注目トピック~地金価格の高騰>
国家間の武力紛争や異常気象などといった世界的なリスクの高まりを受けて、金地金価格が上昇を続けている。
こうしたなか、昨今はダイヤモンドや色石を使わない地金ジュエリーが好調である。販売数量は増えてはいないものの、販売単価の大幅な上昇により売上増に繋がっている。チェーン類や純金ジュエリーなど、デザインバリエーションが拡がっていることも好調さを後押している。なかでも喜平チェーンが特に売れており、価格が上昇しているにも関わらず、投資目的として購入するケースが多くみられる。
※調査要綱
1.調査期間:2024年1月~12月
2.調査対象:宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、 インポートジュエリーブランド企業等
3.調査方法:当社専門研究員による電話及び直接面談によるヒアリング、および郵送アンケートを併用
<宝飾品(ジュエリー)とは>
本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴石、真珠などを使用した宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石の商品を含む。 なお、市場規模は小売金額ベースで算出している。
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