2021年度 NEDOベンチャービジネスマッチング会
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2021年12月22日(水)に「NEDOベンチャービジネスマッチング会」を開催します。
NEDOの支援制度で採択された中小・ベンチャー企業のうち、次世代をリードするエネルギー系の実力派企業が一堂に会し、独自に開発した新技術をご紹介するほか、開発した技術内容に関する展示や個別商談会を行います。
本イベントは、毎年多くの企業の方にご参加いただき、ご好評いただいております。
皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。
- 11社の有力ベンチャーが出展
- 出展各社が優れた技術・事業構想をプレゼンテーション
- 関心がある出展企業との個別面談が可能(Web会議ツールを使用したオンライン面談)
※「NEDOベンチャービジネスマッチング会」には、毎回非常に多くの企業様にご参加いただいております。
過去の開催概要は、下記をご参照ください。
◆2020年度 NEDOベンチャービジネスマッチング会(開催案内)
◆2019年度 NEDOベンチャービジネスマッチング会(開催案内)
◆2018年度 NEDOベンチャービジネスマッチング会
◆2017年度 NEDOベンチャービジネスマッチング会
◆2016年度 NEDOベンチャービジネスマッチング会
セミナータイムテーブル
主催者(NEDO)講演
※内容は、一部変更となる場合もございますので、ご了承ください。
技術紹介予定企業
革新的な技術を持った新エネルギーベンチャー・中小企業が、NEDO事業を通じて開発した技術をプレゼンします。
“医療画像診断、老朽化したインフラ検査、自動運転、電子デバイス、蓄電池、品質管理”に革新をもたらす、スーパーセンシングテクノロジーの開発
- LiB市場は拡大傾向にあるが、発火事故などの件数も増加傾向にある。エージングではふるい落とせない不良品LiBの流出防止が求められている中、 同社は、X線などの一般的な手法に比べ、他の技術では得られない電池内部の発電状況を直接可視化する世界初の技術を開発した。
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LiBを検査する場合のフローは次のとおり。
① 電池に電流を印加。
② 蓄電池表面の磁場を測定。
③ 磁場計測データから蓄電池内部の電流密度分布を導く。
④ 電流密度分布画像診断システムを用いて、異常箇所を特定する。
※ ③と④は、世界初のコア技術になる。
コンピュータシステムの負荷を活用した、再エネ電力安定化システム
~ 再エネの余剰電力を活用し、グリーン電力でDC等を安定稼働 ~
- 再生可能エネルギーの発電量が多い九州などでは、春・秋に発電量が電力需要を上回る状況になり、電力系統への出力抑制が発生、その傾向は本州・四国にも拡大していく。
- それに対して今回提案するのは、タスク制御で上げDRを実現する特許技術を活用、再エネで余剰電力をデータセンターに供給、捨てられる再エネを最大限に活用する事業モデルである。
- 電力消費が大きい事業者(DC事業者など)は、本モデルを活用することで、グリーン電力を安価に無駄なく活用でき、カーボンニュートラル実現に貢献できるようになる。
低消費電力エッジAIを搭載したローカル5G基地局
- 次世代通信ネットワークのひとつとして、大きな期待を寄せられる“ローカル5G”であるが、トラフィックがほとんど発生していない時間帯が多いにも関わらず、基地局の消費電力が大きいことが課題。
- 小型エッジAIの搭載によって予測した太陽光発電の発電量、通信トラフィック量に基づいて、ビルディングブロック分割された通信部のうち、不要ブロックの電源をOFF(ノーマリオフコンピューティング)することで劇的な低消費電力化を実現。
- 商用電源への接続を不要とし、基地局だけで設置環境や各種ニーズに応じたシステム制御を可能とするとともに、いつでもどこでも利用できる可搬性を備える。
薄膜に対する超精密加工が可能なプレス装置
- 『Zメカニズム』という、同社が独自に開発した技術を搭載したプレス装置。
- 一般的なプレス装置の駆動機構として搭載されている『ピストンクランク』の場合、稼働する際にコンロッド(クランクシャフトとラムをつなぐリンク部品)の揺動が発生する。
- それに対して、『Zメカニズム』の場合、回転力を直交する2軸に分離・分解する機構であるため、コンロッドの揺動が発生しない。このため、ラム(スライダ)の厳正直線運動が可能になるので、力の伝達・変換ロスを低減させ、振動や熱の発生を抑制することが可能になる。このため、薄膜に対する超精密加工が可能になる。
太陽光発電システム 次世代パワーコンディショナの自動試験プラットフォーム
- 再生可能エネルギーの導入が増大するにつれ、電力系統の不安定化に対する懸念が拡大。これに伴い、パワコン(PCS)に要求される機能も複雑化、メーカー各社は次世代型「スマートインバータ」の開発に注力。
- 同社の「自動試験プラットフォーム」は、専用模擬電源や計測器、モニタリングシステムなど様々なハード・ソフトを組み合わせ、最適な自動試験環境を構築するものであり、今般、次世代パワコンに対応した試験システムを開発。ユーザーは1台のPCで試験条件を選択するのみで、自動的に試験レポートのアウトプットまでが実現。
- またシステム構築後もオンラインでのアップデートにより、新たな自動試験機能を追加することが可能。
燃料電池用金属セパレータ量産システムの事業化提案
<共同開発と技術ライセンス>
- 現状上市しているFCV(燃料電池自動車)の価格は700万円を超えており、2050年ネットゼロに向け、FCVを大衆車(200万円)にするには、コストダウンが至上課題である。
- 燃料電池の駆動内部環境は強酸性であるため、セパレータ基材に高耐食性のチタン金属が使用されている。そこで、当社は希少・高価なチタンを用いずに、ステンレス・アルミ基材に耐食性と導電性を両立するDLCをコーティングするPIAD方式(※)を開発した。さらに、高速成膜(5um/hr)を実現する製造技術を開発した。
(※)PIAD方式によるDLC薄膜の成膜方法
1.外部RFイオン源から高周波電圧印加し、プラズマが発生する。
2.基材に負の高電圧パルスを印加し、電圧を制御して基材周辺のイオンを注入して、密着性を向上させる。
3.原料ガスと反応させながらDLC薄膜を成膜する。
小規模酪農家向け乾式メタン発酵システム
- 飼養頭数150頭以上の大規模酪農家でバイオガスプラントの導入が進んでいるが、100頭未満の小規模酪農家での戸別型プラントの導入は殆どなかった。それに対して今回開発したのは、小規模な酪農家(乳牛100頭以下のつなぎ飼い牛舎)を対象にした、半固形状のふん尿処理が可能な低コスト乾式メタン発酵システムになる。
- 乳牛ふん尿を乾式のメタン発酵槽でメタン発酵を行い、生成したバイオガス(メタン58%)によりバイオガス発電機で発電する。この他に、余ったバイオガスをバイオガス精製装置で高純度バイオメタン(メタン98%)にし、それを水素に改質して燃料電池で発電させるシステムをオプションとして追加することもできる。
「廃プラスチック油化 リサイクルプロジェクト」参加企業募集のご案内
- “廃プラ問題”が社会的に高い注目を集める一方、国内では約900万t/年の廃プラスチックうち、再生品への利用は3割弱に留まり、5割以上は再生利用が困難として“サーマルリサイクル”として燃料化されているのが現状。
- プラスチックを化学反応により分解する“ケミカルリサイクル”のうち、油の状態に戻す“油化”はこれまで、廃プラスチックを熱して油に戻す「熱分解」方式が主流であったが、当該方式では炉内のコーキングによる処理能力の低下、配管の閉塞等が生じやすく、高頻度のメンテナンスが必要であった。
- 本技術「HiCOP(ハイコップ)」方式は、触媒を利用して、廃プラスチックから高品質の炭化水素油を低コストで生成できる技術であり、「熱分解」方式ではできなかった高品質の油化により、生成した炭化水素油を「バージン材」として「再製品化」することも可能となる。
産学連携で開発した ナノセラミック分離膜
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当社の「ナノセラミック分離膜」は、用途に応じ膜透過・吸着させる分子をカスタマイズできる独自ノウハウを有する技術である。
※シリカ膜の小さな分子(水素等)を高選択的に透過分離する特徴と、ゼオライト膜のある分子を選択して優先的に吸着分離する特徴を有する。 -
このナノセラミック分離膜を用い、以下の取組みでカーボンニュートラルな地域循環型社会を目指す。
①未利用木質バイオマスからエタノールを生成する。
⇒前処理バイオマスを発酵する過程で分離膜を使い、アルコールを連続的に分離・回収し、収率を高める。
②エタノール水から水素を選択的に抽出する。
⇒ C2H5OH+3H2O→2CO2+6H2(吸熱反応)オンサイトで分離膜を通し、水素のみ抽出・利用する。
省エネ・創エネを実現する
ネット・ゼロ・エネルギー型(完全自立循環型)排水処理装置
- 通常、有機性排水の処理法は「好気性処理」と「嫌気性処理」に大別される。好気性処理は曝気・脱水に要する電力消費が大きく、費用が高額になりやすい。
- 嫌気性処理は曝気が不要で余剰汚泥が少ないという利点があるが、従来のEGSB法には、処理の不安定性、エネルギー回収量不足により、大規模でないと経済性メリットが出しにくい点が課題であった。
- その課題を解決するため、メタン生成菌の科学的解析と管理手法の向上、GSS(気固液分離装置)と規格型の開発によるメタンガスの回収率向上と装置の原価低減、排水の余熱回収および発電機のコージェネレーションによるシステム全体のエネルギー効率の向上により、経済性を飛躍的に向上させた。
藍色LED光による、生物付着防止技術
- 臨海部の発電所や船舶では、アカフジツボやムラサキイガイなどの付着生物(Sessile Organisms)の付着被害 (発電所では稼働停止により4,000万円/日の損失が発生)が課題とされている。
- 同社は、この課題に対して、一定の波長・放射照度を持つ藍色LED光を用いた、生物の付着汚損制御技術を開発した。また、藍色LEDがムラサキイガイの幼生を閉殻・活動停止させることを世界で初めて発見した。
- 本技術は、水中に設置した対象機器に藍色LED光を連続照射することで、機器類へのフジツボ類、イガイ類、藻類などの付着繁殖を防止できる。また、塩素系薬剤と比較して環境への毒性残留影響がないほか、防汚塗料と比較してトータルコスト(イニシャル+ランニング)の低減が可能。