2007年版 医療連携の現状と将来展望

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発刊日
2007/05/28
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体裁
A4 / 257頁
資料コード
C49101200
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リサーチ内容

第1章 医療制度改革で大きく変わる地域医療と医療連携
  • 診療情報、診療機能の公開が地域医療を変える
  • 地域においてがんなどの診療ネットワークが構築される
  • 医療計画は医療機関の選別につながる
  • 新医療法は“疾患”への着目と、“患者の視点”の導入がポイント
  • 特定健診・特定保健指導で地域医療はこう変わる
  • 特定健診・特定保健指導分野は新しい市場
  • フリーアクセス制限に向かうか、後期高齢者のかかりつけ医制度
  • 「在宅主治医」を基点とする在宅医療支援のネットワークの構築
  • 後期高齢者医療制度の診療報酬はマルメに
  • 地域ケア整備構想で医療・介護の本格的連携に
  • 地域医療支援病院の位置付けに変化が起きている
  • DPC導入病院は地域連携パス作成への意欲も高い
  • DPCとは一体である医療連携体制
  • ブレイクする成果主義の導入、P4Pも日本上陸

第2章 診療ネットワーク、地域連携パスの現状と将来予測
  • 地域連携パス作成の動きが加速している
  • 「地域連携パス」とは地域診療ネットワークで使う連携ツール
  • 地域連携パスは共有すべき重要事項のみを記載したオーバービューパス
  • 厚生労働省の地域連携パス診療報酬評価のモデル
  • 次回改定で採用が予測される「連携パス加算」の対象疾患
  • 自治体の地域連携パス、診療ネットワークの対応状況
  • 地方自治体の診療ネットワーク構築状況-青森県の地域連携パス
  • 地域医療計画策定で自治体が既存のネットワークを活用
  • 地域連携パスのIT化、電子パスは必須の流れ
  • “紹介率ショック”で地域医療連携室の役割は変わるか
  • 地域医療連携室が地域連携パスの作成過程に積極的に関与
  • 地域医療の連携コーディネーターを誰が担うのか
  • 製薬企業の地域連携パスの戦略的取り組みについて
  • 製薬企業MRが地域医療連携室と情報交換を始める
  • 製品名を冠した地域連携パスも登場している

第3章 病診・疾患別連携ネットワークと連携パスの実態

■NTT東日本関東病院(GI-NeTT  DM²)
検査や投薬等の基準を示して地域連携パスで共有、急性増悪時には優先入院できる仕組み
「胃潰瘍」地域連携パス 糖尿病連携システム
  • 逆紹介用外来パスを作成して開業医との連携ツールに
  • 6疾患12種類の地域連携パスを開発
  • インフォームド・コンセントのツールとしても活用
  • 地域の開業医をネットワークした糖尿病の地域完結型医療システム
  • 糖尿病専門医でなくても参加できるように診断フローチャートを作成
  • DM²による糖尿病患者の長期的管理の地域連携パスの実際
  • DM²による糖尿病患者への薬剤処方はまず非SU薬が第一選択肢
  • DM²の取り組みは健診義務化で増大する糖尿病患者の療養資源づくりである
  • オープンクリニックという医療連携の形態
  • 診療ネットワーク構築に製薬メーカーのMRも参加

■独立行政法人労働者健康福祉機構香川労災病院(香川シームレスケア研究会)
医療・介護・行政の連携で脳卒中の地域連携パスの普及に取り組む
「脳卒中」の地域連携パス
  • 患者・かかりつけ医と担当医師が一緒に取り組む医療連携システムを構築
  • 独自の脳卒中の地域連携パスを作成、2006年より運用開始
  • 地域に合った連携を検討する研究会が地域連携パスの基盤に
  • 地域連携を進めていく上での問題点が地域連携パスで解消される
  • 脳卒中の地域連携パスはExcelベースで作成
  • 円滑な連携を行うためにリハビリを5段階に標準化
  • リハビリ終了後はかかりつけ医やケアマネージャーにパスを提供
  • 香川労災病院の脳卒中地域連携パスは県の標準モデルに
  • 地域連携パスのIT化は県のインフラ「K-MIX」の活用も

■名古屋第二赤十字病院(八事整形医療連携会)
地域連携パスの成功は時間をかけた地域インフラづくりにある
「大腿骨頸部骨折」地域連携パス
  • 高齢化進展に伴い大腿骨頸部骨折の患者数も増大傾向
  • 多施設・多職種参加の交流ネットワークで地域連携パスの構築へ
  • 大腿骨頸部骨折の地域連携パスの実際
  • アウトカム志向の地域連携パス
  • 大腿骨頸部骨折の地域連携パスの稼動状況
  • “地域連携パス加算”の取得状況
  • 地域連携パスと薬物治療
  • 地域連携パスのインターネット活用にはセキュリティが課題
  • 大腿骨頸部骨折の地域連携パスには管理栄養士の関与も必要需要になる
  • 地域連携パスと地域連携室との関係
  • 地域連携パスは病院マネジメントにも貢献

■独立行政法人国立病院機構横浜医療センター
術後の化学療法を診療所医師に任せる薬剤特化型パスを運用
「胃・大腸がん」の地域連携パス
  • 病院の外来改革ががんの病診連携につながっていった
  • 病診連携は患者・病院・診療所それぞれにメリット
  • 膨大なエビデンスデータを簡素化して地域連携パスに反映
  • 診療所に納得して連携してもらうために経済メリットもアピール
  • 地域の開業医の協力をどうやって取り付けるか
  • 診療所のレベルに合わせた連携先のクラス分けでリスク管理
  • 診療待ち時間、病院・診療所滞在時間の増減を検証
  • 病診連携開始後、胃がん手術1.2倍、大腸がん手術1.5倍に増加
  • 患者・診療所・病院の三者三様のメリットが明快に示されていることが重要
  • 薬剤名を決めた地域連携パスのほうが使いやすい

■NPO法人西東京臨床糖尿病研究会
糖尿病療養の地域リソースづくりで先行する診療ネットワーク
「糖尿病」診療ネットワーク
  • 国家プロジェクトが動き出し糖尿病医療が大きく変わる
  • 糖尿病の地域完結型疾患管理で先行する診療ネットワーク
  • 先進的な西東京臨床糖尿病研究会の糖尿病の療養インフラづくり
  • 糖尿病の食生活管理の重要性から地域に栄養士を派遣
  • 地域限定資格(L-CDE)で糖尿病療養のリソースを拡大
  • 地域ごとに他職種が連携する13の間接事業を展開
  • 組織をNPO法人化したことでどんな効果が出たのか
  • 糖尿病の地域連携パスの構築にも取り組む

■静岡市静岡医師会~静岡市立静岡病院
医師会が主導して1疾患2人主治医制の診療ネットワークを構築
「イーツー(医-2)ネット」
  • 在宅患者を連携でバックアップする3つのカードシステム
  • 医師会・公的病院・訪問看護ステーション・消防救急隊による往診連携
  • 在宅療養支援診療所への登録患者数が伸びないのは高負担のためか
  • 医師会主導で基幹病院と疾患別連携を開始する
  • 「イーツーネット」は必ず患者が紹介元に戻る仕組み
  • 「イーツーネット」は疾患別連携のさきがけ
  • 診療所が地域を飛び越えて最先端の診療の知見を得る連携
  • 病院医師の意識を変えていった医師会の取り組み
  • 医師会の取り組みをサポートしたさまざまな病診連携の研究資金

■医療法人ペガサス馬場記念病院
ケアミックス病院が取り組む「医・介」連携ネットワーク
「医療・介護連携」
  • 「脳疾患治療実力病院調査」で最高評価を得る
  • 院内の全ベッドを地域の登録医に開放するスタンスで臨む
  • ケアミックスの病院としての必要性から在宅に帰るための地域連携パスを構築
  • 急性期退院後のケアを担う介護保険サービス事業所と連携関係を強化
  • 医療と介護がWIN-WINの関係になるための「パートナー事業所制度」
  • 団塊世代の高齢化でさらに医療と介護の連携ニーズが高まる

■医療法人社団成宮会なるみやハートクリニック~社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院
病診共通のフォーマットでPCI後の患者管理を実践
「PCI」の地域連携パス
  • 聖隷三方原病院循環器科と共同でPCIの地域連携パスを作成
  • PCI施術後の患者の経過管理プログラムとして用いている
  • パスを地域全体に広げていくことが究極の目標になる
  • パスを使用する地域の開業医数を増やすために成果評価を実施
  • アンケート評価から改善に取り組みシンプルな形に
  • 診療所が役割を果たしてこそ地域医療の底上げになるはず
  • お互いがよく知っているという基盤の上に地域連携パスができる
  • 地域連携パスにおける製薬企業MRの役割
  • 選ばれる診療所となるために必要な地域連携パス

■聖路加国際病院
ブランド病院志向患者が多い聖路加ハートセンターの外来診療システム改革
「循環器疾患一般」の連携ネットワーク構築
  • 日本のメイヨー・クリニックを目指すブランド病院
  • 外来は1日約2,800名で、外来収入が病院収入全体の約3割超に
  • 「うちは家中、聖路加ですから」と強い患者の病院志向
  • 循環器内科と心臓血管外科を統合した「ハートセンター」
  • 専門外来設置も外来患者コントロールのための方策
  • 「パートナーズクリニック」の展開も新しい連携の形
  • 地域の開業医師の会合にまめに顔を出すことも大切
  • 聖路加の専門医として力を発揮するためにも病診連携は不可欠

■東京慈恵会医科大学付属病院
急増する前立腺がんを地域でマネジメントする大学病院発の地域連携パス
「前立腺がん」地域連携パス
  • 増大傾向の前立腺疾患も地域連携で管理されるのが理想
  • 前立腺がんのPSA無料検診開始を機に地域連携パスを構想
  • 紹介・逆紹介(地域連携)のアルゴリズムを作成
  • 病院への再検査依頼は「PSA値4.1ng/ml以上」で
  • 前立腺がんに特化した「診療情報提供書」でスムーズな連携が可能
  • 将来的には慈恵大版パスとして全国の診療所との連携も想定
  • 将来は薬剤も規定した地域連携パスに

■東京都保健医療公社大久保病院~医療法人社団三育会新宿ヒロクリニック
在宅医と院内NST(栄養サポートチーム)が協同で「PEG」地域連携パスを開発
「胃ろう造設術」地域連携パス
  • 国は医療費の安価な在宅医療への誘導施策を積極的に展開
  • 病院・診療所で役割分担を行い在宅で「胃ろう造設」患者をケア
  • PEGの地域連携パスの作成プロセス
  • PEGの地域連携パスの運用状況
  • 連携施設向けのPEGパスはケアの内容を重視
  • PEG患者の在宅療養に欠かせないNSTの活動
  • PEGの地域連携パスにはどういう課題があるか

■財団法人竹田綜合病院
循環器領域の地域連携パス導入で地域の循環器診療を向上させる
「循環器疾患一般」の地域連携パス
  • 地域医療連携課や総合連携本部を病院組織内に立ち上げで病診連携を推進
  • 地域連携パス導入のきっかけは外来コントロールの必要性から
  • 地域連携パスの導入はPTCA後の患者からスタート
  • ペースメーカー植込術の地域連携パスも運用
  • 地域連携パス運用のポイントは患者に理解を求めることから
  • 医師引き上げで循環器科の危機から循環器全般にパスを拡大
  • 循環器全般に適用できるような、分かりやすい地域連携パス
  • 再受診率を76%に上昇させる成果を挙げる
  • 「地域連携パス勉強会」も地域連携パス運用に効果的
  • 地域連携パスおける薬剤処方は開業医の選択に任せる
  • 地域連携パスの導入は外来コントロール以外にも成果をもたらす
  • 地域連携パスを導入してからの問題点

■カルナプロジェクト(九州大学、九州電力グループほか)
日本型疾病管理事業として構想された糖尿病の地域連携ネットワーク
「糖尿病」の地域連携パス
  • 米国疾病管理をビジネスモデルとする新しい地域医療の試みがスタート
  • 糖尿病の専門医と非専門医との診療ネットワークの構築を目指す
  • 米国の疾病管理会社の売り上げ規模は160億円超
  • 事務局に設置したコールセンターが患者支援など多種のサービスを提供
  • 連携には多様な糖尿病患者に対応できる電子化された連携パスを作成
  • 「ポイント制度」など患者の治療モチベーションを上げるための工夫
  • 事業の効果測定を行い、本格事業化の可能性を探る
  • 「サービス産業創出支援事業」が新医療ビジネスのシーズに
  • 疾病管理事業で集積する治療データは製薬企業にとって大きな魅力
  • わが国での疾病管理事業が成功するのかどうかの試金石に

第4章 2007年版特集-特別寄稿-

わが国の医療提供体制の改革と今後の病院マネジメントの方向
日本大学医学部社会医学講座医療管理学部門 教授 大道 久
1.医療保険制度改革の全体像
(1)医療費適正化の計画的推進
(2)中長期施策としての生活習慣病の予防と長期入院の是正
(3)短期的施策としての高齢者の負担増と保険給付の見直し
(4)後期高齢者医療制度の創設
(5)保険者の再編と統合
2.新たな高齢者医療制度
(1)老人医療制度のこれまでの経緯と現況
(2)後期高齢者医療制度創設の背景
(3)後期高齢者医療広域連合の設置と被保険者
(4)後期高齢者医療制度の財源
(5)前期高齢者医療費に関する財政調整
3.第5次医療法改正と今後の医療提供体制
(1)医療機能情報の公表制度への対応
(2)新たな医療計画に求められるもの
(3)対応が進む都道府県と病院の当面の課題
(4)医療計画の推進と医療費適正化計画
4.療養病床の再編と新たな地域ケア
(1)療養病床の歴史的経緯と社会的入院
(2)療養病床再編の基本的考え方
(3)病床転換に向けた支援策
(4)再編後の地域ケア体制の構築
5.新たな医療提供体制下における病院マネジメント
(1)長期入院の是正と療養病床の再編
(2)急性期医療に向けた課題
(3)保険者への対応
(4)後期高齢者医療制度の診療報酬体系
(5)介護保険制度への対応
DPC時代の病院マネジメント
~クリニカルオーデイット、P4P、地域連携パス、疾病管理まで~
国際医療福祉大学附属三田病院副院長
国際医療福祉総合研究所長・同大学大学院教授 武藤正樹
はじめに
1.DPCデータ活用元年
2.巨大化するDPCデータベース
3.DPCデータは経営や質データの宝庫
4.DPCデータから見えること
5.質に基づいた支払い方式(P4P)
6.クリニカル・オーデイット
7.新たな地域医療計画と地域連携クリテイカルパス
8.地域連携クリテイカルパスとは?
9.熊本市で始まった地域連携クリテイカルパス
10.さまざまな疾患で作られる地域連携クリテイカルパス
(1)脳卒中の地域連携クリテイカルパス
(2)内視鏡的胃ろう術(PEG)
(3)循環器疾患
(4)糖尿病
(5)がん
(6)在宅連携パス
11.地域連携クリテイカルパスの作り方
12.疾病管理とは?
13.疾病管理会社
おわりに

第5章 関連データ
  • 特定機能病院・DPC対応病院・地域医療支援病院・救命救急センター・がん診療連携拠点病院・周産期母子医療センター届出状況
  • 地域医療支援病院一覧
  • 各二次医療圏における地域医療支援病院の数
  • がん診療連携拠点病院指定一覧表
  • 全国救命救急センター一覧
  • 総合(地域)周産期母子医療センター一覧

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