2008年版 高機能透明樹脂市場の展望と戦略
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デジタル関連部材の低価格化に伴い、素材間競争も激しさを増す高機能透明樹脂の現状と将来展望を市場調査した。
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調査資料詳細データ
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第1章:高機能透明樹脂市場の展望
「次」と「次の次」を見据えた長期ビジョンの構築が必須に
アジア地域を中心に透明樹脂市場の規模拡大が続くも
デジタル関連部材の低価格化に伴い、素材間競争は激しさを増す
体系化されていない「気づき」の共有化で超最先端の市場を創る
「超最先端」という次代の「ポテンシャル」をカタチにするため
ユーザーとの距離を縮めた製品開発プロセスが有効に
第2章:高機能透明樹脂の動向
【1】PMMA
アジア地域を中心にPMMA市場は拡大基調が続く
メーカー各社は水平展開、川下での「強い」分野に傾斜を図る
三菱レイヨン、住友化学はグローバルなMMAチェーンの整備を推進
クラレは川下製品のさらなる高付加価値化に取り組む
堅調な海外需要を背景にMMA、PMMAともに増強計画が相次ぐ
自動車分野では主力のテールランプレンズ向けが堅調推移
光学分野ではLCD用導光板の薄型化の流れから
耐熱性の維持と流動性のさらなる向上が開発テーマに
【2】PC
成長の牽引役は光ディスクから自動車、電気・電子分野へシフト
旺盛な需要が続く中国で安定供給体制の整備が進む
軽量化ニーズの高まりを受け、自動車グレージング向けでの本格採用が射程に入る
光学分野は主力の光ディスク向けで足踏み状態が続く
OA・電気・電子ではPDP・LCD-TVのフレームや各種部材向けなどの需要が順調に拡大
シートはPS系との競争激化を背景に、拡散板向けの伸びが一服
【3】COP・COC
順調な市場拡大とともに、メーカー間の競争も激化の兆し
06年にポリプラスチックスが市場に本格参入
光学特性以外の物性を活かした用途開拓の重要性が増す
日本ゼオン、三井化学、JSRの3社で設備増強が相次ぐ
光学分野では携帯電話用レンズ向けが依然好調
シート・フィルム向けは07年度に前年割れとなるも、08年度は回復基調に
医療・食品用などのパッケージ用途では、さらなる需要増への期待感が高まる
【4】耐熱透明樹脂
それぞれの樹脂の特長を活かした需要の囲い込みが続く
堅調な需要を背景に、増産体制の整備が進展
電気・電子、自動車分野を中心に新規テーマも上がり始める
第3章:注目市場の動向
【1】LCD部材
[1]導光板
奇美實業の大増産を発端に価格競争が激化も、一部に「勝負あった」との声
住友化学、旭化成ケミカルズが戦略転換、第一毛織は実質撤退へ
モニタサイズの大型化などにより、需要は安定した伸びを見せるも
今後は薄肉化の影響から伸び率鈍化が顕著となる見通し
薄型化の流れから、LCD-TV向け導光板が新たなテーマとして浮上
[2]拡散板
40インチ前半でPS系の採用が増加、PC拡散板の伸び率鈍化が顕著に
「LCD-TVの薄型化」が本格化する2008年は「次世代拡散板」での主導権争いが焦点
拡散板メーカーは15社を数えるまでに増加も、PC拡散板では戦略見直しが相次ぐ
2008年は設備投資の谷間も、台湾勢がさらなる能力増強を計画
奇美實業は2008年2Qにも42,000t/年の規模にまで拡大、能力的には「住友越え」
マーケットシェア40%弱の住友化学を第一毛織、エンタイアが追い掛ける構図
韓国パネルメーカーを中心に耐熱PSグレードの採用が進むも
価格、物性面から本格普及にまでは至らず
表面パターン付き拡散板は射出成形品、押出成形品トータルで8,000t~9,000t
「ランプ搭載本数の二極化」からニーズは限定的も、今後は「薄型化」で需要増の見込み
【2】フィルム
[1] 位相差フィルム
大型VA用では「N-TAC」、「V-TAC」、「ゼオノア」の三つ巴の戦いが続く
[2] タッチパネル基板
PC系やノルボルネン系フィルムベースのITOフィルム価格の高さにより需要は伸び悩み
【3】FPD前面板
前面板レスによりRPTV向けは大幅縮小も、LCD前面板が拡大基調
携帯電話で需要を稼ぐPMMAに対し、PCが用途の広がりで先行
携帯電話では0.5mm前後の極薄グレードで、PC前面板の採用が増加
住友化学は厚み0.3mmをターゲットにPMMA/PCでの展開も模索
LCD-TV前面板の採用がここにきて立ち上がりの兆し、MSが有力か
2.0mm厚、鉛筆硬度3H~4H、AR処理をベンチマークに水面下で開発が活発化
【4】レンズ
三井化学、ポリプラスチックスが光学グレードを市場へ本格投入
携帯電話用レンズ市場で日本ゼオンの牙城を揺るがす
大阪ガスケミカル「OKP」は色収差用レンズ向けに需要増が続く
リフロー対応ではVGAからハイブリッドレンズが動きを見せる
ピックアップレンズではDVD用は「アペル」
次世代DVD向けでは「ゼオネックス」が一人勝ちの様相
【5】光ディスク
ディスク向けのPC市場は国内横ばい、海外は2008年から減速傾向へ
Blu-ray Disc向けで高いシェアを抑える帝人化成が頭一つ抜け出す
ディスクは民生機器用からアーカイブ用途へシフト
長期的には磁気テープ代替で一定の市場が形成される可能性も
【6】LED封止材
LEDの高輝度化に伴い、光学熱安定性に優れるシリコーン封止材の需要が高まる
さらなる高屈折率化や量産性・長期信頼性の向上と
各種成形技術に適したグレード開発が必須のテーマに
エポキシ封止材は赤、橙、緑LED向けを中心に需要は底堅く推移
エポキシとシリコーンの隙間を埋めるハイブリッド品では新規参入も相次ぐ
第4章:高機能透明樹脂メーカーの戦略
【PMMA】
三菱レイヨン株式会社
MMAチェーンの事業規模、収益力で世界No.1のポジションを目指す
2010年度までにMMA57.7万t/年、PMMA成形材料14万t/年の
グローバルな生産体制の整備を計画
導光板向けではピュアで流動性にも優れる射出用「TF8」が
グローバルスタンダード材料として高い評価を受ける
耐衝撃性をはじめとする特殊グレードも安定的な需要を確保
住友化学株式会社(PMMA)
グローバルな生産体制の構築を加速化
シンガポールで成形材料5万t/年、MMA9万t/年
韓国ではMMA7.6万t/年の新プラントが相次ぎ稼動を開始
PMMA「スミペックス」の国内販売は前年並みが続く
今後はLED照明用導光板向けでの需要に期待
フィルムなど加工品での展開強化により、アクリル事業の収益性向上を推進
株式会社クラレ
PMMA成形材料から光学関連部材までの川下展開を強化
光学グレードの需要拡大に伴い、06年末に連続バルク重合ラインのデボトル増強を実施
PMMA成形材料「パラペット」は導光板向けの販売が堅調推移
【PC】
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
コンパウンドグレードの高付加価値化とコストダウン対応に取り組む
08年3月に黒崎工場でPCポリマーの新ライン6万t/年が完成
海外では三菱グループで北京、上海に新プラントの建設を計画
光ディスク向けは国内、海外販売ともに前年並みが続く
自動車向けではヘッドランプレンズの大型化などが需要増に寄与
OA・電気・電子は重点分野と位置づけ、コンパウンド品を含めた高付加価値化を狙う
帝人化成株式会社
光ディスク分野での強みを維持しながら、自動車や電気・電子分野へより注力
拡大が続く現地需要への対応を図るため、中国・TPCの既存2系列を増強
07年12月には上海のコンパウンド拠点へ新設備を導入
2009年にはさらなる増強を図り、10万t/年規模の生産体制構築へ
光ディスク向け「AD5503」の販売量は横ばい推移が続くも
アーカイブ用途の立ち上がりを見据えた体制作りを推進
07年7月に新幹線「N700系」側窓にパンライトが採用された実績を活かし
自動車グレージング向けでの本格展開を狙う
出光興産株式会社
強みとするLCD関連向けグレードの拡充を積極化
08年1月に台湾・FIPCでPCポリマーの新ラインが稼動を開始
中国・東南アジアへの安定供給を図るため、コンパウンド工場の建設を計画
導光板向け「LC」、反射板向け「URC」ともに新グレードのサンプルワークをスタート
他社に先行する開発力を活かして、販売量の一層の上積みを目指す
【COP・COC】
日本ゼオン株式会社
加工品レベルでの知見・ノウハウを高めながら新規アプリケーションの開発とCOP事業のさら
なる成長を推進
水島工場で「ゼオノア」専用設備を新たに導入し
2009年春にはCOPで3.1万t/年の生産体制を整備
「ゼオネックス」は携帯電話用レンズを牽引役に2ケタ近い成長が続く
次世代DVD用ピックアップレンズでの採用も拡大傾向に
2008年には拡散板やフィルム向けで「ゼオノア」の需要が回復基調へ
耐熱性や耐衝撃性、軽量といった切り口で自動車分野での横展開にも取り組む
三井化学株式会社(COC)
透明性+αで新規用途の立ち上げを進める
08年5月に大阪工場で「アペル®」の第2プラントが営業運転を開始
「アペル®」の販売量は2008年度以降20%前後の伸長率を予想
DVD用ピックアップレンズ向けは高シェアを維持
06年に光学グレード「APL5514ML」の本格販売を開始し
携帯電話用レンズ向けでも順調に需要を伸ばす
ポリプラスチックス株式会社
「TOPAS」のもつ多様な機能を高めながら新市場の開拓を推進
06年1月にダイセル化学と共同で独チコナ社からCOC「TOPAS」事業を買収
07年には光学特性や流動性に優れる新グレードを上市し、光学分野での展開を本格化
パッケージ分野では医療向けの需要拡大に期待
自動車や電機・電子分野もターゲットに掲げる
【ポリエステル系樹脂】
大阪ガスケミカル株式会社
光学用ポリエステル樹脂「OKP」の可能性拡大に取り組む
携帯電話用レンズ向けを中心に「OKP」の需要は順調に拡大
「OKP」の耐環境性や高屈折率、低複屈折の向上を積極化
【耐熱透明樹脂】
ユニチカ株式会社(PAR)
カスタマイズしたグレードを幅広い需要分野へ提供
PAR「Uポリマー」は携帯電話カメラモジュール向けの需要が拡大
三井化学ファイン株式会社(PES)
きめ細やかなフォローアップ体制を活用し、PESの用途開発を推進
08年4月から三井化学より譲渡を受けたPES事業をスタート
高流動、低ソリグレードの拡充など、コンパウンド品での差別化を目指す
第5章:特別調査
【LED封止材メーカー】
エマーソン&カミングカンパニー(ヘンケルグループ)
カスタム化のノウハウとヘンケルグループの技術力を融合しLED封止材事業のさらなる拡大を
目指す
LED用エポキシ封止材は、屋外用の大型ディスプレイ用途を中心に堅調な伸びを示す
08年Q4には高いオプティカル特性を維持しつつ
メカニカル耐性を高めたハイフラックスLED用エポキシ封止材を上市
LEDの高輝度・高出力化に対応するため、ハイブリッド封止材の開発も視野に入れる
フアインポリマーズ株式会社
ユーザーニーズを反映させたカスタムグレードの開発を推進
ペルノックス株式会社
高度なフォーミュレーション技術を活かし、ユーザーの製品開発をサポート
エポキシ樹脂の特性を維持しながら
LED用封止材の耐熱性や耐候性、耐ヒートサイクル性の着実な向上に取り組む
独自の有機・無機ハイブリッド技術で高透明エポキシ樹脂封止材を開発
高輝度LED封止用にシリコーン樹脂「XJL」シリーズのサンプル出荷を開始
信越化学工業株式会社
半導体デバイス材料への幅広い知見・ノウハウをベースにあらゆるLED材料をユーザーに提案
白色LED用向けを中心にシリコーン封止材の出荷量は順調に拡大
「タフ」なシリコーンを用いて、硬度を高めたモールディング用LED封止材を開発
東レ・ダウコーニング株式会社
LEDの高輝度化・高出力化・量産化に適したソリューションを提供
一括封止・一体成型に適したシリコーン封止材料の開発を推進し
2008年には圧縮成型向けを中心に量産プロセスに適した製品の供給をスタート
07年7月に高屈折率・高硬度レジンタイプ
同年10月には標準屈折率の高硬度エラストマータイプを相次ぎ上市
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社
グローバルなネットワークを活かし、国内外のユーザーへコンタクトを積極化
LED用シリコーンエンキャップ材「InvisiSil」シリーズの出荷量は年々倍増のペース
標準屈折率タイプでは08年5月に長期信頼性を高めた「IVS4546」「IVS4622」を上市
高屈折率タイプでは新たな置換基の導入による一層の高屈折化に取り組む
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