2008年版 粘着・剥離フィルム市場の展望と戦略
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粘着・剥離フィルム市場の現在の需要動向を把握するとともに、今後の市場展望、需要予測などを市場調査。
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第1章:粘着・剥離フィルム市場の展望
光学粘着は日本勢にアドバンテージあり
「擦り合わせ」こそが真のソリューションを生む
光学粘着加工
(1)偏光板粘着
納期短縮、ロス率低減、在庫管理などのメリットからNCF使用プロセスが注目される
2008年度には全体の30%以上がNCF化する見込み
(2)PDP光学フィルター部材
TOMOEGAWA、リンテックの上位2社が圧倒的なシェアを確保
機能複合型粘着剤などニーズの変化に合わせた研究開発と提案が必須
(3)タッチパネル
剥離フィルム(リリースフィルム)
光学、エレクロトニクス、その他と幅広い分野で万遍なく採用される
光学は技術力と規模の両立、その他用途では細かいニーズへの対応力が問われる
偏光板リリースフィルムは韓国勢による製品投入と拡販が本格化
セラミックコンデンサ向け 2008年はハイエンド携帯電話販売台数不振の影響受ける
低価格化の中、薄肉化に対する要求強まる
プロテクトフィルム
1.PET系プロテクトフィルム
台湾市場でローカルメーカーの採用が始まる
「プロセス材」から「部材」へのポジション転換による事業価値向上の可能性も
2.ポリオレフィン系プロテクトフィルム
粘着タイプと共押出タイプはプロセスによって使い分けられる
偏光板用粘着剤
粘着剤はFPDの性能・品質とコスト・生産性に関わる重要材料と位置づけられる
難易度の高い偏光板向けでは参入メーカーも限定的
用途やサイズ、ユーザーの「好み」に合わせたグレード開発が必須
第2章:粘着・剥離フィルムメーカー、コンバーターの戦略
綜研化学株式会社
FPDの変化・進化に合わせた製品の作りこみを推進
偏光板向け粘着剤でトップシェアを確保
粘着剤関連売上高はFPD関連需要の伸びを背景に順調に成長
2007年度には設備投資によりLCD用粘着剤の生産能力を1.5倍に増強
光学用粘着剤で長年にわたって知見・ノウハウを蓄積
難易度の高い偏光板向け粘着剤でトップシェアを確保
サイデン化学株式会社
LCD偏光板用粘着剤のパイオニア
FPD光学市場の変化、進化とともに付加価値の高い粘着剤を開発
偏光板向けでは用途やサイズだけでなく、ユーザー、工場に合わせた作りこみを行い
ユーザーの要求スペックにマッチした製品を開発・提案
リンテック株式会社
独自の技術力による品質、性能、コスト競争力に自信
エレクトロニクス関連市場の拡大に対応し粘着フィルム、剥離フィルム関連の能力拡充
半導体関連製品では粘着テープ、装置、システムを幅広く展開
各プロセスに最適化した製品の開発・提案力で差別化
FPD関連ではPDP部材向けの粘着加工で50%前後のシェアを確保
拡大が期待されるタッチパネル向けの需要にも注目
剥離まで含めたトータルでの技術力・提案力が強み
セラコン用剥離フィルムではボリュームから付加価値への転換を推進
TOMOEGAWA
30年以上に亘る光学粘着での実績と信頼性に自信
徹底した品質管理体制とニーズに合わせた機能性粘着の開発で差別化
藤森工業株式会社
安定した品質と供給能力で偏光板プロテクトフィルムのトップシェアを維持
海外勢の参入と競争激化で偏光板プロテクトフィルムの低価格化続く
徹底的な品質管理と性能改善によるユーザーの収益向上に寄与で差別化
昭和工場が本格的な量産を開始しフル操業状態に、2期工事の検討も進める
リリースフィルム「フィルムバイナ」はほぼ全量を外部販売
両面テープ向けで蓄積した技術・ノウハウが活かせるNCF向けの需要に期待
タック化成株式会社
自社ブランドの粘着関連製品の展開を本格化
自社ブランドのプロテクトフィルムは偏光板向けで安定的な需要量を見込む
NCFは偏光板ダイレクトコートからの代替に期待
東洋包材株式会社
2008年よりPET系プロテクトフィルムの外販を開始
PDP、タッチパネル等向けのNCFでの展開も本格化
粘着フィルムは保護フィルム、NCFの需要拡大に期待
独自の配合・分散技術を活かした多機能粘着関連製品の開発にも注力
筑波工場では2008年12月に新テストコーターを導入予定
「広幅化対応」よりも「新規用途開発」を強化
パナック株式会社
スケールを追わない事業展開を推進し
個々のニーズに応じた新たな製品を開発・提案・供給
プロテクトフィルムではセパレスタイプも提案、光学用ではITO向けでの採用が拡大
基材レス粘着フィルム「パナクリーン」は光学材料向けをターゲットとした拡販に注力
タッチパネル周辺の需要拡大に期待
共同技研化学株式会社
様々な用途に応用され始めた分子勾配技術
量産を見込んだ設備増強も検討
分子勾配膜両面テープの販売量が前年比180%アップ
2008年10月期はさらに250%アップを見込み、売上高に貢献
アクリルゲルシート 光学関連での採用が始まる
光学関連と非光学関連のラインを完全に分離し、高効率化による生産能力アップを図る
株式会社スミロン
光学部材用保護フィルムは韓国市場で高シェアを確保
プリズムシート・MLF向けの販売量が急成長、裏面保護での粘着タイプの需要拡大に期待
株式会社サンエー化研
プロテクト貼り合わせ~スリット、検品、光学粘着まで
光学部材の後加工部分の一貫受託体制確立を模索
掛川工場での能力増強が奏功し2007年度のプロテクトフィルム販売量は堅調に成長
三菱樹脂株式会社(旧三菱化学ポリエステルフィルム)
原反、加工品とも積極的な設備投資で高付加価値分野での対応力を強化
主力の山東工場では2008年に続き2010年にも能力増強を実施し世界最大級の生産拠点に
業界初、2,000㎜を超える超広幅コーターで光学用リリースフィルムの生産を開始
帝人デュポンフィルム株式会社
シリコーンコートフィルム「ピューレックス」は
独自の加工方法によるコスト競争力に強み
「ポスト光学」マーケットとして太陽電池、加飾、タッチパネルなどに注目
独自の加工技術を応用し付加価値の高い製品を開発
東レフィルム加工株式会社
グループの総合力で差別化
シリコーンコートフィルム「セラピール」はセラコン、偏光板関連を中心に安定的に拡大
王子特殊紙株式会社
クリーンコーターを活かした光学・エレクトロニクス関連の実績が成長
2006年度より光学関連分野への本格的な参入を開始
王子製紙グループの一員としての強みを発揮、80μOPPをベースとした剥離フィルムで
PETベース品からの代替を提案
アイム株式会社
業界随一の広幅クリーンコーターを活用し高付加価値分野での展開強化を図る
2007年稼働の2号コーターはコート幅2,250㎜、クリーンクラス100(ヘッド部)
品質と生産効率の両立で光学分野への本格参入を開始
UVキュア方式による優れた表面平滑性・均一性で光学用NCF向けでの採用を獲得
2010年にはPET系リリースフィルム販売量の半分を光学向けに
東山フィルム株式会社
徹底したニーズ志向でオリジナル展開を加速
付加価値の高い光学関連へのシフトにより2007年12月期の売上が大幅に拡大
離型フィルムの需要が増加しオリジナル製品が好調
ハードコートその他も含めてオリジナル売上比率50%を目指す
2007年6月、光学関連製品に特化した瑞浪工場が稼動開始
ニッパ株式会社
ニッチ・特殊用途でのニッパブランド力が高まる
海外市場向けの販売量が拡大、高品質を訴求ポイントに認知度向上
粘着剤に関するデータの蓄積により、適合性の最も高い離型フィルムを提案する
粘着関連製品も少量多品種の特殊品に特化
日立化成工業株式会社
「ケミカル」の技術力と知見を駆使し品質と信頼性で差別化
価格競争激化の中、売上高は年間15%前後の成長率を維持
主力のプリズムシート向けはバックライト構成の変化で伸び率鈍化
反射防止フィルム向けはアプリケーション拡大で成長
TORAY SAEHAN Inc.
フィルム加工事業の売上高が順調に拡大
2008年10月には亀尾第三工場内にリリースフィルム向け新コーターを増設予定
原反~加工までの一貫体制を活かし、品質・コスト両面で差別化
偏光板向けでの実績が急速に成長
LG Chemical,Ltd
2009年初頭にプロテクトフィルムの能力を増強予定、外販も検討中
プロテクトフィルムの内製率は2008年度に60%に達する見込み
博威電子股フェン有限公司
Koatech Technology Corporation
2007年より光学用プロテクトフィルムの量産をスタート
偏光板メーカーSKYPOLAの子会社として2006年に設立
台湾で初めて光学用プロテクトフィルムの生産・供給を開始
偏光板メーカー各社の国内調達推進への取り組みを追い風に販売実績を拡大
剥離帯電防止グレードがユーザーから高く評価される
新綜工業股フェン有限公司
Total Acrylic Polymer Industry Corp.
2006年より光学用粘着剤の生産・供給を開始
台湾の大手偏光板メーカー向けにTFT偏光板用粘着剤を供給
2008年度には光学用全体で1,500tの実績を見込む
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