2010年版 ジェネリック医薬品の実態と展望
わが国のジェネリック医薬品市場は拡大傾向にあるものの、2012年度にジェネリック医薬品の数量ベースのシェアを30%以上という目標を達成するには困難な状況にあります。このため政府は保険薬局市場での使用促進を加速させるため、2010年度診療報酬改定で後発品調剤体制加算の算定要件を変更しました。一方、企業に目を向けると、拡大する市場を背景に、新薬系製薬企業やグローバルジェネリックファーマが相次いで参入したことで、企業間競走は激化しております。さらに今後は2012年以降大型医薬品の特許切れが少なくなるため、二桁成長が見込まれるバイオ後続品事業への取り組みといった新たな成長戦略を打ち出すことも求められ、わが国のジェネリック医薬品市場は新たなステージに突入することが予想されます。以上のことから弊社では、わが国におけるジェネリック医薬品市場動向と参入企業の動向を徹底分析し、これに加えて医療施設における使用動向を通じて、今後のジェネリック医薬品市場の方向性とジェネリック医薬品企業のあるべき姿を展望いたしました。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- ジェネリック医薬品市場を徹底調査
- 主要ジェネリック医薬品参入メーカーの現状と将来展望を徹底分析
- 拡大が予想されるジェネリック医薬品市場を予測
- 参入表明が相次ぐバイオ後続品事業の参入動向を徹底調査
- ジェネリック医薬品シェア30%に向けた採用動向を徹底調査
■本資料の概要
第1章 わが国ジェネリック医薬品市場の実態と将来
第2章 製薬企業ジェネリック戦略の実態と展望
第3章 ジェネリック医薬品参入企業の実態
第4章 病院および調剤薬局市場におけるジェネリック医薬品採用動向
第5章 バイオ後続品事業の参入動向
■掲載内容
第1章 わが国ジェネリック医薬品市場の実態と将来
- シェア30%達成に向け、ジェネリック医薬品使用促進策が加速
- 導入期から成長期へ移行する、わが国のジェネリック医薬品市場
- ブームに終わった1993年の「あり方懇」
- ジェネリック医薬品使用促進策のはじまり
- エポックメイキングとなった2002年4月の調剤・診療報酬改定
- 通達により国立病院・療養所において拡大傾向
- DPCの導入により病院市場でジェネリック医薬品が拡大
- 2006年4月の処方せん様式の変更は微増に止まる
- 「一般名+剤型+含量+企業名」の製品名は浸透
- フル規格対応によりブランド戦略が進む
- 年2回収載により追補収載品は増加
- 医療制度改革大綱においてジェネリック医薬品使用促進が打ち出される
- 「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」において具体的な数値を明示
- 将来の医薬品企業像の1つに“ジェネリックファーマ”が位置付けられる
- ジェネリック医薬品シェア30%のロードマップ「アクションプログラム」が策定
- 都道府県レベルでの使用促進策が推進
- 2008年度診療報酬改定におけるジェネリック医薬品使用促進策
- 2010年度診療報酬改定におけるジェネリック医薬品使用促進策
- 日本ジェネリック製薬協会
- ジェネリックメーカーの健全な発展とジェネリック医薬品の普及・啓発活動を展開
- 信頼性向上に向けてジェネリック医薬品情報システムの運用を開始
- 新たな層に向けた啓蒙活動を展開
- 日本ジェネリック医薬品販社協会
- 販売ノウハウや地域に根ざした販売活動を展開
- 2008年度のGE販社協会加盟店の総売上高は968億円
- ジェネリック医薬品専門MS認定資格制度を創設
- 厳しさを増す市場環境
- 変わるジェネリック医薬品メーカーの流通形態
- 医薬品卸ルートが拡大
- 医薬品卸におけるジェネリック医薬品の対応の変遷
- 医薬品卸のジェネリック医薬品への対応が変わる
- 医薬品卸の将来像の一つに位置づけられたジェネリック医薬品
- ジェネリック医薬品の新たな流通の動き
- ジェネリック市場の拡大を睨み、にわかに動き出す大手総合商社
- グループの伊藤忠テクノケミカルが大原薬品工業と資本提携-伊藤忠商事
- メディカル・ヘルスケア事業領域を全社注力事業領域に位置付ける-三井物産
- 資本参加したメディサ新薬は沢井製薬の完全子会社へ-住友商事
- 3社による合弁会社を設立-三菱商事
- 活発化する先発医薬品メーカーのジェネリック医薬品への対応
- 後発医薬品調剤体制加算の見直しにより消化性潰瘍剤市場が注目
- 相次ぐ大型製品の特許切れ
- 2010年度第1四半期の動向
- 各国におけるジェネリック医薬品の現況
- ジェネリック医薬品市場規模予測
(図表)ジェネリック医薬品市場動向
第2章 製薬企業ジェネリック戦略の実態と展望
- 市場・業績とも拡大するが、企業間競争は熾烈さを増す
- ジェネリック医薬品メーカーの事業規模に変化の兆し
- 上位企業と下位企業での二極化が進む
- 変動するジェネリック医薬品メーカー売上高ランキング
- 進むジェネリック医薬品業界の再編
- 岐路に立つ中小ジェネリック医薬品メーカー
- ジェネリック医薬品専業メーカーにおける再編は停滞
- 外資系ジェネリックファーマが本格参入
- 相次ぐ参入により国内ジェネリック医薬品市場のグローバル化が進む
- グローバルジェネリックトップ3の参入動向
- 欧米系ジェネリックファーマの参入動向
- 相次ぐインド系ジェネリックファーマの参入
- ジェネリック医薬品事業を新たな成長戦略に位置付け異業種企業が参入
- 市場拡大と改正薬事法の施行が契機となり参入が活発化
- 再燃した先発医薬品メーカーのジェネリック医薬品市場参入
- リスク分散型経営への転換を図る
- 本格展開となった中堅先発医薬品メーカーのジェネリック医薬品戦略
- 新たなステージを迎えた先発医薬品メーカーのジェネリック医薬品事業戦略
- ジェネリック医薬品市場拡大を睨み、研究開発費、設備投資共に増加傾向
- フル規格の対応等により今後も研究開発費は増加傾向
- 需要増を見越して各社積極的に生産能力の向上を図る
- 企業別規格数ランキングは大洋薬品工業が547でトップ
- 病院市場を開拓するため、医薬品卸との関係強化に取り組む
- 営業強化と認知度アップにより信頼性向上を目指す
- ジェネリック医薬品の信頼性向上を目指し、各社のMR数は拡大傾向
- 変わるジェネリック医薬品メーカーの営業戦略
- ジェネリック医薬品専業メーカーの営業戦略
- 先発医薬品メーカーのジェネリック医薬品営業戦略
- 新規参入メーカーのジェネリック医薬品営業戦略
- 変わるジェネリック医薬品メーカーの長期収載品承継戦略
- ジェネリック医薬品メーカーの差別化戦略
- 剤形・領域に特化し展開
- 循環器領域と消化器領域において競争激化
- 進む抗がん剤ジェネリック医薬品への取り組み
- 激しさを増す価格戦略
- ジェネリック医薬品メーカーの分類と市場展望
- 製品ラインナップと事業戦略による分類
- 先発医薬品メーカーの分類
- ジェネリック医薬品市場展望
(図表)主要ジェネリック医薬品メーカー売上高推移(単体)
(図表)主要ジェネリック医薬品メーカー売上高推移(単体)2004~2010年度(予)
(図表)主要ジェネリック医薬品メーカー上位占有率推移(単体)
(図表)日本ジェネリック製薬協会会員一覧
(図表)日本ジェネリック医薬品販社協会会員一覧
(図表)日本ジェネリック製薬協会 平成20年度「経営実態調査」概要
(図表)診療報酬における後発医薬品-企業別規格数ランキング
(図表)診療報酬における後発医薬品-企業別成分数ランキング
(図表)診療報酬における後発医薬品-企業別成分数ランキング[薬効分類別]
(図表)診療報酬における後発医薬品-主要企業における薬効分類別成分数
第3章 ジェネリック医薬品参入企業の実態
あすかActavis製薬(株)
2010年5月よりジェネリック医薬品の販売を開始。早期での販売体制の構築を図る
興和テバ(株)
世界最大のテバファーマスーティカル・インダストリーズのノウハウとリソースを活用し、
2015年度に売上高1,000億円を目指す
沢井製薬(株)
生産キャパシティ優位により採用増加。「サワイ」ブランドの構築で、2011年度に売上高740億円を目指す
大洋薬品工業(株)
信頼回復に向け、品質管理体制の強化に取り組む
東和薬品(株)
大病院との直接取引が浸透。売上高1,000億円超の企業像を見据えた体制の構築を目指す
日医工(株)
世界ジェネリックメーカーTop10入りを目指し、国内に止まらず海外での事業基盤も推進
日新製薬(株)
高い水準の技術力を背景に医薬品製造受託事業と共同開発が拡大
ニプロファーマ(株)
2010年度に売上高400億円は達成。今後は売上高1,000億円超を視野に展開を図る
日本ケミファ(株)
日本薬品工業を完全子会社化。グループの3年後の姿として、ジェネリック医薬品売上300億円を目指す
日本ジェネリック(株)
自社製造の開始も間近。後発品調剤体制加算の変更を追い風に2011年度売上高120億円を目指す
富士製薬工業(株)
女性医療と急性期医療の注射剤事業を両輪とし、積極的なアライアンス戦略を展開
富士フイルムファーマ(株)
富士フイルムが医薬品開発・販売の新会社「富士フイルムファーマ」を設立し、ジェネリック医薬品事業に参入
ホスピーラ・ジャパン(株)
麻酔・集中治療領域、オンコロジー領域、感染コンロール領域における医薬品・医療機器を中核事業とし、
病院市場での浸透を図る
明治製菓(株)
ユースフルジェネリックというコンセプトの下、ジェネリック医薬品事業は好調に推移
第4章 病院および調剤薬局市場におけるジェネリック医薬品採用動向
- ジェネリック医薬品は「使用促進」から「本格使用」へ
- 数量シェア30%達成に向けた最後の施策が打ち出される
- 調剤薬局におけるジェネリック医薬品の使用は進むのか
- 新設インセンティブ「ジェネリック調剤加算」で調剤薬局は動くのか
- これまでとは違う地域の調剤薬局の新しい動きが始まっている
- ジェネリック医薬品使用促進策の「光と影」
- 公的病院・自治体におけるジェネリック医薬品推進事業
- 「国立病院」はジェネリック医薬品採用が増加
- 自治体はジェネリック医薬品協議会を設けてPR活動
- 自治体立病院で選ばれるジェネリック医薬品の傾向
- 公的病院の採用動向-横浜市立みなと赤十字病院
- DPC病院であっても「後発医薬品体制加算」の基準20%を念頭におく
- ジェネリック普及促進の第三の視点は「ジェネリック=エコ的」という考え方
- DPC病院の増加で病院におけるジェネリック医薬品使用も増加
- DPC対象病院の採用動向-聖マリアンナ医科大学付属病院
- ジェネリック先進地域・川崎市北部エリアよりジェネリック市場を展望する
- 限界点まできた聖マリアンナ医大病院のジェネリック医薬品戦略
- 中規模病院の採用動向-総合相模更生病院
- 薬剤部も病院の収益部門と位置づけられ、積極投資の対象に
- ジェネリック医薬品を院内で「カルチャー」に高めていくには
- 可能な限り切り替えた後では医薬品費が上昇するジレンマ
- 「後発医薬品体制加算」で病院の内服薬切り替えは進むか
- 期待が高まるジェネリック抗がん剤
- がん化学療法の外来化がジェネリック切り替えのきっかけに
- 抗がん剤のジェネリック医薬品メーカーをどう評価しているか
- 「供給は大丈夫かの不安」にメーカーはどう答えるか
第5章 バイオ後続品事業の参入動向
- 参入表明が相次ぐバイオ後続品事業
- 国内での名称は「バイオ後続品」と決定
- バイオ後続品のガイドラインが公表
- 薬価は最大で先行バイオ医薬品の77%
- 動き出したバイオ後続品事業
- グローバルでの実績を背景にわが国初のバイオ後続品を発売したサンド
- 国内製薬企業のバイオ後続品事業への取組みが活発化
- 日本への投入を計画するグローバルジェネリックファーマ
- 慎重なスタンスを取るジェネリック医薬品専業メーカー
- アライアンスにより中堅新薬メーカーが参入
- 国内での事業化を検討するグローバルファーマ
- 求められる「開発力」と「情報提供体制」
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