2010年版 国公立・公的病院改革の現状と今後
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2007年、総務省に「公立病院改革プラン」の策定を義務付けられた自治体・自治体病院は、地域内の他の医療機関との再編・ネットワーク、収入増、コストダウンなどを進めるプランを立案しました。また2009年には、地域医療再生基金が設けられ、予算規模は縮小したものの、近隣病院の機能を集約し中核病院を定めて新設あるいは新築移転を行う地域、遠隔医療を利用した医師不足への対応などに対し、資金の交付が決定しています。
また、総務省からの要請、地域医療再生基金などの有無に関わらず、病院の存続や利益確保のために、後発医薬品の採用率アップ、医療材料・医療機器等の価格交渉力向上などを図り、看護基準7対1をはじめ各種加算点数の算定、プールやフィットネス開設などに踏み切り収入増を図る自治体病院の事例もみられるようになってきました。
こうした先駆的な取組を行うのに、迅速かつ柔軟な人材採用、物品購入が可能な地方独立行政法人化は、効果的な改革策のひとつとなります。
また、経営を民間病院に移譲する「公設民営(指定管理者制度の導入)」、「民間移譲」は、病院経営者の手腕により自治体病院を画期的に変えていく効果をもたらしています。独法化、公設民営、民間移譲といった経営形態の変更を伴わずとも、経営意識を身につけた病院もあります。これら病院に対し、最早「自治体価格」が通用しないのは明らかです。経営の移譲先としての民間病院グループへの期待、その結果のグループ拡大も見逃せません。
自治体病院と同様に、旧・国立病院、国立大学、社会保険病院なども、公的グループとしてスケールメリット追求に動き始めました。国立がんセンターや国立循環器病センターなどのナショナルセンターも独法化、経営を意識することを迫られています。
そこで本調査レポートでは、旧・国立系の病院における公的グループとしてのメリット享受、公立病院改革プラン策定後、実際に経営改革に成功した自治体病院の事例を中心に、国公立・公的病院改革が医療業界にもたらす影響について検証しました。
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調査資料詳細データ
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■本資料のポイント
- 独法化に伴いガバナンス強化を図るナショナルセンター8病院、48病院のスケールメリット享受に動き始めた国立大学法人、国立病院機構等の最近の動向を整理。
- 遠隔医療、再編と建替、放射線治療機器購入など、地域医療再生基金活用例を紹介。
- 自治体病院の「改革動向・意向」についてアンケート調査実施。経営形態の変更、収入増・コスト削減等に対する具体策と、その効果を検証。
- 国立病院機構、ナショナルセンター、労災病院、社会保険病院、厚生年金病院、自治体病院の基本情報と改革の現状・予定を一覧化。公立病院改革プラン策定後の現状も追跡。
■本資料の概要
第1章 国公立・公的病院改革が医療業界にもたらす影響
第2章 国立病院改革の現状/独法化・社会保険庁改革とスケールメリット享受
第3章 公立病院改革プラン、地域医療再生基金の利用等による自治体病院の経営改革
第4章 自治体病院における経営改革意識調査
第5章 関連資料 自治体病院の一覧と改革の現状
■掲載内容
第1章 国公立・公的病院改革が医療業界にもたらす影響
1.病院の経営改善と課題
・公立病院改革ガイドライン等の後押しを受け自治体病院の収支状況は改善傾向
・収支は改善するものの、医師・看護師不足は解消せず、「病院経営は厳しい」
・小規模な自治体の小規模病院は収益良好でも診療所化
・急性期病院の収入増の鍵を握る看護基準7対1と公務員の職員定数
・条例の改正で定数見直しも可能だが、他にしわ寄せも。定数問題はめざすべき医療体制と矛盾
・民間企業の経営コンサルタント、院内物品・物流管理事業者を介して価格情報を共有
・病院間の情報交換広がる
・コンサルタントのアドバイスを得て、自らで低価格調達を実現
・逃れることの困難な議会・選挙の影響
・繰入金(補助金)を投入されているがために自治体の財政状況は病院の運命に直結
2.鍵を握る病院職員の意識
・自治体の財政難により給与カット。「国公立病院はつぶれない」「公務員は安泰」は幻想
・自治体病院が切望する「優秀な事務職員」、経営意識を有する医師
3.経営形態の見直しによる変化
・地域の他医療機関との再編・ネットワーク/中核病院の明確化、IT化、建て替え進む
・地方独立行政法人化/迅速な人材採用、柔軟な給与体系、より自由度の高い購買・契約が可能
・指定管理者制度の導入(公設民営)/地域医療振興協会、医師会、公社等による運営が多勢
・大手民間病院グループを指定管理者とする自治体病院相次ぐ。物品調達・委託契約等は指定管理者のルールに変更
・病院建築資金等を負担することで、建て替えも民間ルール
・民間移譲/全てが民営化。財政難・医師確保難の解消を狙うも応募者なしの可能性も
・マーケティング調査のうえ応募を決定。メリットなしなら、病院としての存続見直しへ
4.改革が進めば医療業界に多大な影響
・中核機能を担う新病院続々建設
・困難が予想される、規模を縮小される側の病院・自治体、住民との関係づくり
・肥大化する民間病院グループ
・グループの発展・担うべき役割として、自治体病院の経営を受託し、移譲を受ける
・スケールメリットの追求、契約の効率化すすむ
・民間ノウハウの活用により低価格で物品調達、有利に契約
・職員の意識と意欲、病院の文化・風土が効率的な調達・契約の永続化を実現
・経営改革の進行により縮小する市場と、拡大・誕生するマーケット
第2章 国立病院改革の現状/独法化・社会保険庁改革とスケールメリット享受
1.独立行政法人国立病院機構
共同入札、情報共有等により経営効率化。2010年は、電子カルテ等の共同入札も実施。
労災病院のみでなく他の公的病院との再編成を検討、臨床評価指標に係るデータベース構築
<表>独立行政法人国立病院機構 損益推移
項目1.2008年度(20年度)国立病院機構事業報告書について
・国立病院機構使用医薬品の標準化
・本部・ブロック組織の役割分担
・事務運営コストの節減等
・建築コスト
・医療機器購入費
・広告事業への取組
項目2.「独立行政法人国立病院機構中期計画」平成21年8月4日改正 版について
・事務コストの削減等
項目3.事業仕分けでの指摘を受けての対応
項目4.その他
<表>近隣にある国立病院機構病院と労災病院
<表>国立病院・療養所の再編計画と現状・今後
<表>独立行政法人 国立病院機構 北海道東北ブロック
<表>独立行政法人 国立病院機構 関東甲信越ブロック
<表>独立行政法人 国立病院機構 東海北陸ブロック
<表>独立行政法人 国立病院機構 近畿ブロック
<表>独立行政法人 国立病院機構 中国四国ブロック
<表>独立行政法人 国立病院機構 九州ブロック
参考<表>独立行政法人 労働者健康福祉機構 病院一覧
2.国立高度専門医療研究センター(旧・ナショナルセンター)
2010年4月に研究型のセンターとして独法化。6法人8病院のスケールメリットを活かしつつ、
ガバナンス体制を強化し法人(病院)ごとに再生プランを立案・遂行
・公務員数の純減、国の特別会計改革など、行政改革の一環として独法化を決定
・治験等の研究型法人として、ミッションを果たすべく財政基盤確保、ガバナンス体制強化
・独法化により人材採用・人員増を図り稼動病床を増やしDPC対象病院に移行
・後発品使用、医薬品・診療材料の低価格調達に取り組む。共同購入、院外型SPDも
・自力での債務圧縮と再生プランの作成、ガバナンス強化が課題
<表>国立高度専門医療研究センター 6法人8病院
<表>独立行政法人国立高度専門医療センター 6法人 中期計画(2010年度~2014年度)
3.旧社会保険庁所有病院(社会保険病院・厚生年金病院・船員保険会の病院)
譲渡契約成立は1施設のみ。2010年9月末のRFO解散に向け、社会保険病院52施設、
厚生年金病院10施設等の受け皿整備は待ったなし
・社会保険庁から、施設売却を担う「独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構」に譲渡
・病院売却を進めるという方針を転換、5年後を目処に病院運営も集約
・地域医療機能推進機構への円滑な移行をめざし共同購入等スケールメリットを活かす全社連
・2010年5月の衆議院での法案可決後、参議院において4病院の運営は従前のままと修正
・参議院の審議期間終了で「地方独立行政法人地域医療機能推進機構」法案廃案に
<表>社会保険病院の一覧
<表>厚生年金病院の一覧
<表>員保険病院の一覧
管理委託団体別の一覧
<表>社会保険病院の管理・委託先
<表>厚生年金病院の管理・委託先
<表>船員保険病院の管理・委託先
<表>社会保険病院の経営状況
<表>厚生年金病院の経営
4.国立大学法人附属病院
国立大学法人(旧・国立大学)42法人48病院による医薬品の共同購入検討スタート。
国の関連機関として、後発医薬品の採用率アップにも努める
・独法化、DPC等により、健全経営もとめられる
・「共同購入」のワーキングたちあがる
・全国いずれの地域で仕入れても共通品入手が可能な医薬品から議論開始
・課題は事務局機能の不在と、法人・病院間、価格交渉者・病院経営層との温度差
・コンサルの活用、実務担当者間のネットワーク強化などを進め、引き続き検討
<表>国立大学法人附属病院の一覧
第3章 公立病院改革プラン、地域医療再生基金の利用等による自治体病院の経営改革
Ⅰ.経営の効率化により黒字を捻出。地域の中核機能を担う
1.伊那中央行政組合立伊那中央病院
看護基準7対1の取得、2年間で診療材料費1.5億円削減等により、前倒しで黒字転換。
救急機能充実のために3テスラのMRI1台追加購入、自治体補助による近隣助産院へのエコー導入を提案。
上伊那地域の救急、周産期医療充実に努める
・市立病院から近隣市町村で構成される組合立病院に再発足、医師確保。2003年に新築移転
・医薬品・診療材料の1.5億円カットを筆頭に2008年度からコスト削減。2009年度は黒字決算
・看護基準7対1を取得、SCUの整備、外来化学療法実施、分娩料引き上げ等で収入増
・DPC対象病院への移行に伴いジェネリック比率を高める。救急整備のため3TのMRI購入
・上伊那地区の公立3病院、助産院との連携を進め、救急・周産期医療の充実を図る
・職員向けのアクションプランを策定、大学と共同で救急時における遠隔医療の利用を研究
2.沖縄県立中部病院
「患者中心主義」を理念の第一に掲げ、断らない救急を実践し地域連携も重視。
救急医療、高度医療、離島医療、医師の養成にいたるまで県の中核的な役割を果たす。
DPCの医療機能評価係数Ⅱの合計値は全国で第4位、自治体病院ではトップ
・年間救急患者数3万7千人、67医療機関と連携し病床稼働率99%、平均在院日数12.4日
・戦時下の沖縄で戦災にあった傷病者の治療にあたること、すなわち救急医療が病院のスタート
・離島医療、医師の養成にも貢献
・勤務医の負担を軽減しつつ後発医薬品の積極的導入、価格交渉の強化、共同購入等により
2009年度は約4億円の純利益を計上
・地域の救急医療体制維持のためにも望まれる、病床再開と看護基準7対1の取得
・放射線治療機器更新と冠動脈CT導入。診療機能充実のためのスペース拡張も課題
Ⅱ.地方独立行政法人化後の病院運営
1.地方独立行政法人 大牟田市立病院
数次にわたる経営難を乗り越え、収支改善のみでなく、職員の意識改革を伴った経経営改革を促進。
迅速かつ柔軟な人材雇用、教育に力を入れ、地域医療支援病院の認定取得、救急機能充実をめざす
・炭鉱の街で診療に従事。数次の経営難を乗り越え収支改善するも職員の意識改革必須と判断
・第2次3か年計画策定にあたり経営形態の見直しの提案がなされ、審議の場を設置、
全国の自治体病院を研究し、独法化を決断
・医師は年俸制、看護職員については初任給のみ引き上げ人員確保、2011年度に新給与体系
・地域医療支援病院の認定取得、人員・組織体制とのバランスが収益アップの鍵
・価格交渉に携わる人材を採用・育成、卸の集約などによりコスト削減
・がん診療と救急医療を充実させ、地域完結型医療の構築、地域の中核病院の役割を果たす
2.地方独立行政法人 那覇市立病院
2009年度決算は、独法化初年度の1.8億円を上回る4.5億円の純利益を計上。
救急患者増、小児・周産期医療への取組、手術室の効率運営、地域医療支援病院の認証取得等で、
さらなる経営改善、質向上、高度医療をめざす。健診センターオープン、研修センター開設予定
・1995年に「病院事業経営健全化団体」の指定を受け再建、再度損失計上により独法化を決意
・7対1、総合入院体制加算の通年算定、救急患者増等で、3年で1万円の入院単価アップ
・コンサルにベンチマークを依頼、自らで手術室の効率運用に着手、手術件数増をめざす
・重症患者、がん患者の増加で材料費増。後発品の採用拡大、材料比率抑制でコストコントロール
・健診センターオープン、職員向けの研修センター開設。医師・看護師の就労環境を整備
・地域医療支援病院の認定も取得予定。収入増になり得る多くの材料を背景に医療の質を高める
Ⅲ.公設民営(指定管理者制度導入)
1.多治見市民病院(指定管理者:社会医療法人厚生会〔木沢記念病院〕)
収益良好な厚生会のノウハウ投入により多治見市民病院の運営にも回復の兆し。
2012年の新病院オープン時には木沢記念病院同様の高機能インテリジェントホスピタルに転換。
建替も物品購入も厚生会が仕切り効率化を図る
・社会医療法人の認定を取得したタイミングで、多治見市民病院の指定管理者を引き受ける
・2009年4月から1年をかけて、木沢記念病院との違いを調査
・病床稼働率28.7%で4月スタート。5月には40%にアップ。
多治見市民病院・木沢記念病院両院の職員のモチベーションアップにより回復の兆し
・病院建設・医療機器購入資金の半分は厚生会が負担。
指定管理者制度導入後は新病院建設についても厚生会が交渉
・木沢記念病院と機能を分けインテリジェントホスピタルとして最高機材を投入する新病院
2.榛原総合病院組合榛原総合病院(指定管理者:特定医療法人沖縄徳洲会)
2010年3月に特定医療法人沖縄徳洲会を指定管理者に指名、徳洲会グループの病院に。
朝礼・会議により職員の意識を改革。医薬品、医療材料、CT、MRIは徳洲会ルールで調達、
委託先・委託契約・保守契約も全て見直し。歴史ある施設のよい部分は残し、
徳洲会グループの長所を活かした病院へと改革を進める
・医師の引き揚げ、病院建替え、自治体の財政難等を背景に、指定管理者制度導入を決定
・職員向け発表は2009年6月、7月に公募するも応募なし。病院からのアプローチで徳洲会グループが指定管理者に
・病院職員の流出起こるが、残ったのは再建意欲の高い職員。徳洲会グループによって意識改革
・ピーク時1万5千名、2010年1月には6,200名にまで落ち込んだ月間延べ外来患者数も回復
・医薬品、医療材料、CT、MRI、保守契約、委託先・委託契約すべて徳洲会方式に見直し。救急も
Ⅳ.民間移譲
1.大阪市立北市民病院(移譲元:大阪市)
市立病院2施設の老朽化・耐震化への対応が重なり、住民の意見を聞いたうえで北市民病院の民間移譲を決定。
同院の医療従事者は、残された市立病院計3施設で吸収、落札者が大病院を建設することになり、
住民の安心感も獲得
・住吉市民と北市民の老朽化・耐震化への対応に迫られ2施設同時は無理と判断、移譲を決定
・北市民病院の医療従事者は大阪市民病院3施設で吸収。医師不足、看護師不足を緩和
・2次救急を民間が支えている地域だったからこその民間移譲。
今後は住吉市民病院の建て替え、3市民病院の機能強化に努める
2.大阪市立北市民病院(移譲先:社会福祉法人大阪暁明館〔伯鳳会グループ〕)
大阪市立北市民病院との統合を前提に、経営難であった大阪暁明館病院をグループに迎える。
統合後の新病院は駅前に482床で建設予定。大阪市内かつ競合の少ない地域で保健・医療・福祉を展開、
将来的には赤穂市から本拠地を移すことも視野におく
・経営難の大阪暁明館病院の再建にまず着手
・借入金を返済、医薬品・医療材料調達、保守契約、外部委託契約などを見直し
・此花区の地域特性を考え、グループ発展の好機と判断
・2次救急を担い、プライマリケアにも対応するケアミックス病院をつくる
・赤穂市は2015年に老齢人口が一定化。グループの発展を考えれば大阪への本拠地移転も視野
Ⅴ.地域医療再生基金の活用例
1.高松市新病院(現・高松市民病院、香川病院、塩江病院)
市町村合併に伴い3施設に増加した市立病院を、急性期病院1施設、後方施設1施設に機能分類、新築移転。
高度・急性期病院が集中する高松市北部から中部への移転により、市内全体の救急体制整備にも努める。
院内物品の一元化、効果的な病床コントロールなどにより経営を効率化
・市町村合併により高松市内に3病院。いずれも老朽化著しく存続・機能をめぐり議論
・医師不足を主原因に、塩江病院以外は損失を計上
・香川県の農業試験場跡地に移転、高松市中南部の救急医療を担う病院へ。放射線治療も充実
・急性期治療後の後方病床として期待される塩江病院。訪問診療、温泉療法にも着手
・医療情報システムの整備、医薬品・医療材料等の購買管理一元化などにより経営効率化
・埋蔵文化財発掘調査を行う必要性生じるも、地域医療再生基金、合併特例債等を活用し2014年度内の
開院をめざす
2.香川県(K-MIX;かがわ遠隔医療ネットワーク、救急医療・周産期医療システム)
既存のインフラストラクチャを活かし遠隔医療システムを更新。医師会、大学との連携でサービス内容充実、
参加医療機関増加。実のあるICT活用、効果的な救急・周産期医療システム実現をめざす
・予算縮小により大学との連携、医療提供体制再編、ICT活用等に集約された地域医療・再生基金。
香川県では既存インフラの整った「K-MIX」基盤強化支援に交付
・遠隔画像診断、クリティカルパス作成が2大事業。医師会の運営で他県からも参加
・薬局との連携,治験での利用、糖尿病の地域連携パス作成を試行中。EHR、PHRは研究中
・インフラの共同利用で遠隔医療普及の可能性を広げる
・救急医療と周産期医療を連携させ実効性の高いシステムをつくる
Ⅵ.自治体病院を支援する
1.公益社団法人 地域医療振興協会
医師不足地域への医師派遣、離島などへの代診医派遣、経営難等に陥った自治体病院の指定管者等を担う。
46の運営施設で情報共有、共同購入、遠隔医療を行い経営の効率化と医療従事者のモチベーション、
医療の質を担保
・プライマリケアと初期救急に対応できる総合医を育成するために、教育病院募る
・都市部の病院は離島等を支援、地域の需要に応じ医療・介護・レクリエーションの複合施設開設
・運営施設間をネットワークで結び遠隔画像診断・病理診断、テレビ会議を実施
・新職員による院内活性化、共同購入や情報共有などのスケールメリット獲得で病院再建
・プライマリな医療と専門医療を組み合わせた離島医療実現のため飛行艇の導入を検討
・運営施設・研修病院のさらなる確保・拡大、JCIの基準をとり国際病院になることも視野
2.大阪府
大阪城周辺エリアのブランディング戦略を核とした、府立成人病センター新築移転を
巻き込んでのまちづくり計画(現在地である森之宮地区と移転先である大手前地区)
・老朽化・狭隘化の解消、最先端医療の継続・発展をめざし森之宮から大手前に新築移転
・当初は健康・医療を核に観光や住居を整備し、にぎわいのある「まちづくり」を提案
・府議会の議論は「医療にこだわらない、まちづくり」。
大阪城を中心にしたブランディング戦略を打ち出し再検討へ
第4章 自治体病院における経営改革意識調査
1.アンケート調査の概要
2.アンケート結果の概要
2009年度決算は経常利益ベースで黒字4割。前年度より収支改善を果たした病院が66.2%
複数施策を組み合わせ経営改善。医薬品・医療材料の低価格調達と後発医薬品の使用に回答集中、
病院建物の新築・一部回収との回答も多数
独法化、指定管理者制度、民間移譲の選択理由は人員確保と医薬品・医療機器の有利な調達
医師不足以外に、議会、職員組合の合意、首長の意向・交代など自治体病院特有の課題あり
最も多いアドバイザーは民間企業の経営コンサルタント。約9割が有益なアドバイスと評価
3.アンケート結果
Q1-1. 管轄されている病院の経営状況は良好ですか
Q1-2. 平成19年度、20年度、21年度(見込)決算の経常利益は、黒字・赤字のいずれでしたか。
また、その前の年度と比べて、決算数値(経常利益)は、どのような傾向にありましたか。
Q1-3. 経営状況が厳しい要因は、どのようなことにあるとお考えですか(複数回答可)
Q2-1. 経営状況を改善するための施策を実施していますか、または検討していますか
Q2-2. それはどのようなことですか(複数回答可)
Q2-3. 地方独立行政法人化を選択した理由を教えてください(複数回答可)
Q2-4. いずれの開設主体者を、指定管理者に指名(打診・検討)されていますか
Q2-5. 指定管理者制度導入の効果(選択した要因)を教えてください(複数回答可)
Q2-6. いずれの開設主体者への譲渡を検討されていますか(今後の場合は複数回答可)
Q2-8. いずれの開設主体者との再編を実施(検討)されていますか(複数回答可)
Q2-9. 地域内の他病院との再編後のメリットを教えてください(複数回答可)
Q3-1. 病院の運営あるいは改革を実行するにあたっての課題がありますか
Q3-2. その課題とは何ですか(複数回答可)
Q4-1. 病院運営や改革を実行するにあたって、どなたかのアドバイスを受けましたか。
Q4-2. どなたのアドバイスを受けましたか。(複数回答可)
Q4-3. そのアドバイスは有益でしたか
Q5. 現在進められている自治体病院改革についてのご意見をお聞かせください。
調査票(自治体立病院の改革動向・意向に関するアンケート)
第5章 関連資料 自治体病院の一覧と改革の現状
1.都道府県立病院
2.政令指定都市立の病院
3.市町村、組合立の病院
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