2012年版 次世代二次電池市場の現状と展望

LIB(リチウムイオン電池)は効率性や寿命などの点でメリットをもつものの、容量や出力などの電気特性や安全性、価格など解決すべき課題が残っております。そのため、本調査レポートでは、既存LIBの不十分な部分を補うことができるとして期待を集めている次世代二次電池の研究・開発動向をまとめました。

発刊日
2012/10/19
体裁
A4 / 134頁
資料コード
C53109600
PDFサイズ
2.1MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:次世代二次電池(含む主要部材)の事業化に向けた取り組みを進めている企業や研究機関の現在動向と今後の事業施策を徹底調査し、システム化メーカーやアプリケーション側への周辺調査を加えることで、次世代二次電池市場の現状と今後の動向を詳細に把握することを目的とする。
調査方法:直接面談取材
調査期間:2012年2月~2012年9月

リサーチ内容

■本資料のポイント

  • LIBの登場から20年、その限界が叫ばれる度に期待が高まる
  • 個性派揃いの種類群、「LIBの○○倍」が合言葉
  • 金属-空気電池:最大エネルギー密度の実市場での発揮が待たれる
    活物質容量を活かす電解液がポイント、量産EV搭載が目標に
  • 有機二次電池:早ければ2013年からの事業化も視野に
    導電性高分子電池の立ち上がりが先行し、多電子系有機二次電池が続く展開
  • 全固体薄膜二次電池:新たなマイクロデバイス用電源として市場浸透が進む
    当初はRF-IDに期待、現在は環境発電素子組み込みが好適デバイス
  • 全固体リチウムイオン電池 :新規発表相次ぐ硫化物系、現時点で最高特性
    市場導入では高分子系と酸化物系が先行する見通しも
  • NaS電池:安全策とコスト削減を向上し海外市場に注力
    常温作動型を目指す取り組みも始まる
  • ナトリウムイオン電池:最大武器はLIBと同等以上の特性での低価格実現
    将来的なポテンシャルへの認知度上昇で企業レベルの評価も進行中
  • リレドックスフロー:自然エネルギー発電の積極導入機運が追い風
    近年はバナジウム系が主流、極液濃度を高めた密閉型での充放電も実現
     
  • リチウムイオン二次電池市場については弊社発刊資料「2011年版リチウムイオン電子市場の現状と将来展望」より抜粋。
  • 定期刊行物「Yano E plus」での次世代二次電池関連特集(2012/06~2012/10)をベースに編集・抜粋 

■本資料の概要

第1章 次世代二次電池市場
第2章 金属-空気電池市場
第3章 有機二次電池市場
第4章 全固体薄膜二次電池市場
第5章 全固体リチウムイオン電池市場
第6章 ナトリウム-硫黄(NaS)電池市場
第7章 ナトリウムイオン電池市場
第8章 レドックスフロー電池市場

■掲載内容

第1章 次世代二次電池市場

LIB登場から20年、その限界が叫ばれる度に期待高まる次世代二次電池
個性派揃いの種類群、「LIBの○○倍」が合言葉
「一芸突破」から『多芸に通ず』までは道のり遠し
多くの研究者が目指すゲートは2020年、10年先を実現するにも毎年が勝負の年

第2章 金属-空気電池市場

最大エネルギー密度の実市場での発揮が期待される
一次電池は早期実用化、二次電池はリチウム-空気二次電池を主体に進む
  表.金属空気電池の主要構成部材、特長、研究開発経緯
活物質の容量メリットを生かす電解液がポイント
2020年代早期に量産品の市場投入が見込まれる 量産EVへの本格採用が目標
  【図.金属-空気二次電池のWW市場規模推移と予測(一次電池含む、金額ベース:2011年~2025年予測)】

三重大学(大学院工学研究科今西研究室)
  リチウム空気二次電池の各種課題解決に全方位で取り組む
  高エネルギー密度実現に向け、水溶液系リチウム空気二次電池開発に着手
  最大のハードルである負極開発に最初に取り組み開発加速を狙う
  【図.リチウム被膜電極模式図】
  塩化リチウム飽和水溶液を緩衝溶液に用いることで電解液の液性を最適化
  【図.飽和塩化リチウム水溶液による安定性】
  研究開発にとどまることなく工業化を見据えた取り組みも並行

京都大学
  国プロ中核拠点、金属-空気電池では空気極にフォーカス
  オールジャパン体制「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業」による先端技術開発の中核拠点のひとつとして稼動中
  ターゲットを空気極に 空気極生成物を水系電解液に溶解させ、空気極の機能低下を防ぐことを重視

独立行政法人 産業技術総合研究所 つくばセンター
  3タイプのリチウム-空気電池を手掛け、それぞれ前進中
  「ハイブリッド型電解液タイプ」研究用電池では空気極放電密度が50,000mA/gに達することを確認
  「有機電解液タイプ」や「全固体電解質タイプ」も課題解決に目処

独立行政法人 物質・材料研究機構
  先端材料の研究開発で高度ノウハウを持つバックグラウンドを最大限活用
  空気極反応の詳細解明にはSpring-8内の専用ビームラインを利用
  電極はグラフェンベースの超多孔構造、電解液は非カーボネイト系の有機系電解液でシンプル構造のLAB開発を目指す
  関連領域の世界的な研究開発の進展状況を踏まえ、開発を加速

ファルタ・マイクロバッテリー(VARTA Microbattery GmbH.)
  空気亜鉛電池が主力の世界的電池メーカー、今後は二次電池関連も
  空気亜鉛電池世界市場で45%近いシェア
  独自のステンレス容器による内部電池材料の増量が特長
  新開発特殊構造容器による電池容量向上効果で大幅需要増を見込み、本社工場増強中
  今後はボタン形LIBや車載用LIB、定置型LIBなど二次電池関連にも注力

第3章 有機二次電池市場

早ければ2013年~も、実用化までのロードマップ作成が目前に

日本電気の有機ラジカル電池発表で一気に注目度が高まる LIBの2倍の放電容量
表.有機二次電池の主要構成部材、特徴、課題、研究開発経緯
正極活物質種類は大きく4種、その多くが早期量産を期待されている
導電性高分子電池の立ち上がりが先行し、多電子系有機二次電池が続く展開
有機ラジカル電池や有機分子スピン電池などもアプリケーション動向次第でこれに加わる
  【図.有機二次電池のWW市場規模推移と予測(金額ベース:2011~2020年予測)】

イーメックス株式会社
  世界№1の電解重合技術力を電池領域でも発揮
  高分子アクチュエータ技術を蓄電デバイスに
  革新的「導電性高分子電池」を開発 性能だけでなく高いコストパフォーマンスも実現
  【図.正極材料の放電特性比較(導電性高分子正極、LiB、EDLC)】
  【図.開発正極材料のサイクル特性】
  近い将来の量産実現に向け複数検討が進行中

株式会社村田製作所
  多電子系有機二次電池で高容量電池領域を開拓
  LiB事業の先のステージとして有機二次電池に向かう
  既開発品であるルベアン酸ベースの正極材ではLiBの4倍の容量密度を実現
  さらなる容量アップへの方策も
  今後の事業化ステージはグローバル展開を視野に入れた最適解で進む

独立行政法人 産業技術総合研究所・関西センター
  レアメタル酸化物正極材の有機物代替を基本コンセプトに研究開発が進む
  キノン類を用いた有機二次電池で既存LIB正極放電容量の2倍強を得る
  【図.各種有機正極材料の放電曲線】
  インディゴ類では突出した耐久性が判明 キノン類と両方の利点を取り込んだ新しい有機物の設計も

第4章 全固体薄膜二次電池市場

新たなマイクロデバイス用電源として市場浸透が進む

シンプルな構造で半導体デバイスとの一体化が可能
突出した特性を既に製品レベルで実現、適用アプリケーション分野では新規電源として期待
  【表.全固体薄膜二次電池の主要構成部材、特徴、課題】
現状市場はスマートカード向けが主体
今後のアプリケーションにはRFIDタグが期待されるが、有望なのは環境発電関連分野
  【図.ワイヤレスセンサーノードのWW市場規模推移と予測(金額ベース:2010-2014年予測)】
ワイヤレスセンサーへの環境発電素子組み込みが全固体薄膜二次電池の好適デバイス
  【図.全固体薄膜二次電池のWW市場規模推移と予測(金額・セルベース:2011~2020年予測)】
現状メーカーシェアはIPSが突出
韓国GS NanoTechや複数米系ベンチャーなど市場立ち上がり期には競争関係に
  【図.全固体薄膜二次電池メーカーシェア(WW数量ベース:2011年)】

Infinite Power Solutions, Inc.
  既に製品は第2世代に、実装性を大幅に向上
  年産100万個体制から1,000万個体制に増強中

東京エレクトロンデバイス株式会社
  環境発電関連の案件が急増中、発電素子~システムのソリューションで対応
  新分野開拓を担う専門セクションで2010年に日・韓・台の販売権を取得
  各種発電素子を投入するなどエナジーハーベスト関連ソリューションとして事業を展開

株式会社アルティマ
  エネジーハーベスト関連製品への注力度を強め、事業展開を本格化
  全固体薄膜二次電池のほかに環境発電素子と関連IC製品をラインナップ
  今後もワンストップ型の環境発電ソリューションビジネスを展開
  全固体薄膜二次電池は無線規格やセンサーとの組み合わせを工夫したシステムを足元では提案

GS NanoTech Co.,Ltd.
  韓国石油メジャーGS Caltexの傘下入りするも、10年以上歴史あるベンチャー発
  アジア初の量産ラインを導入し、ラインナップも拡充
  1,000億円オーバーの市場を見据え柔軟に生産能力を増強 同時に生産効率の大幅向上も

アルバック販売株式会社/株式会社アルバック
  「ポストFPD戦略」の下、全固体薄膜リチウム二次電池量産装置~ 市場開拓までをカバー
  既に装置開発は縦型インライン装置をベースとする第2世代量産ライン構築へ
  ICカードやICタグへの取り組みを経てエナジーハーベスト関連分野に強い手応え
  【表.固体薄膜リチウム二次電池(GS Nano Tech製)の参考仕様】

稲畑産業株式会社
  全固体薄膜二次電池の営業活動を主体のLiBビジネスにも活かす
  現状は低容量タイプ(0.05mA/h)の手応えは良好、今後の動向に注目中
  1インチ角基板ベースの0.7mA/h品はガラス基板へ移行しハンドリング性が向上
  ワイヤレスセンサー電源としての普及に向かう
  【図.稲畑産業株式会社GS NanoTech製 全固体薄膜二次電池外観】

第5章 全固体リチウムイオン電池市場

全固体電池におけるポストLiB最有力候補

いち早く市場投入された小容量の「薄膜型」
中~大容量を狙う「バルク型」としての全固体リチウムイオン電池
新規発表相次ぐ硫化物系固体電解質、現時点で最も特性高くLIB代替の可能性あり
実用化に向けた研究開発進むNASICON型は先ずリチウム-空気一次電池材料として市場投入
LIB用電極材の多くが使えるポリエーテル系の開発を契機に研究開発進む高分子系
  【表.全固体リチウムイオン電池電解質種類別特徴、課題、研究経緯(材料系)、主要プレーヤー】
市場導入は高分子系と酸化物系が先行する見通し
硫化物系の本格的な市場展開は2020年以降の可能性も
  【図.全固体リチウムイオン電池WW市場規模推移と予測(金額ベース:2011~2025年予測)】
  【図.2020年全固体リチウムイオン電池WW市場規模予測の用途分野シェア(金額ベース)】

東京工業大学大学院
  硫化物系超イオン伝導体の研究では世界トップレベルの成果、同分野を主導
  「Thio-LICICON」特性で各方面にインパクトを与え、全固体LIB研究開発活発化の契機に
  「Li10GeP2S12」で有機電解液のイオン伝導率すら上回るも、
  全固体リチウム電池の本格的な工業化には10年以上の時間を視野に

出光興産株式会社
  固体電解質の事業化促進を目標に全固体電池まで取り組む
  PPS樹脂の中間材料としての研究開発から固体電解質の製版事業を目指す
  イオンパスを増やす独自の加熱融着処理によりラボレベルでは「10-2レベル」を達成済み
  量産技術開発を進める
  【表.出光興産の固体電解質イオン伝導度とリチウムイオン輸率】

独立行政法人 産業技術総合研究所
  革新的二次電池関連の取り組みが多い中、全固体LIB関連にも注力
  SOFC用のセラミックテープ成形技術などを応用し
  新プロセスを用いたシート状のLTAP系酸化物の界面抵抗低減に成功
  今後2~3年で積層化による高電圧化を実現、
  4~5年で各種課題の解決含め総合的な技術確立を目指す

株式会社オハラ
  世界初のガラスセラミックス系固体電解質を製品化
  「LICGCTM」と酸化物系の正極材・負極材を組み合わせた全固体電池の構成体を開発し
  電池駆動に成功
  【表.オハラの酸化物系固体電解質(「LICGCTM」)の特徴】
  「LICGCTM」に最適の負極材にはほぼ目処、今後は正極材検討がポイントに

一般財団法人 電力中央研究所
  当初から大型電池を想定、安全性を最重視し全固体リチウムイオンポリマー電池へ向かう
  リチウム電池用高分子固体電解質が開発されたのを機に無機系から切り替える
  酸化防止や負極材との不可逆反応低減など、高分子固体電解質の最大のネックを先ずクリア
  今後は諸特性アップを進め2015~2016年頃には市販品に近いプロトタイプ作製へ

公益財団法人 三重県産業支援センター
  2004年からのプロジェクト、着々とフェーズアップが進む
  既に事業フェーズは「パイロットスケール」、次なる「量産スケール」が眼前に
  進行中の第3フェーズではものづくりだけでなく市場リサーチと販売ルート開拓も重点テーマ

独立行政法人 物質・材料研究機構
  世界で初めて界面抵抗の存在とメカニズムを解明し、その対策も考案
  界面イオンに関する知見は全固体電池だけでなく全固体電気化学素子の研究開発へも波及
  理想界面の製作では約2桁の抵抗低減効果を達成
  全固体リチウム電池の出力性能の2倍以上引き上げに目途

日本化学工業株式会社
  硫化物系固体電解質や正極材料となる硫化リチウムを製造、供給先は多岐に
  高品質・低コストの独自製法を確立 様々な改良を加え、ユーザーから好評価を得る

第6章 ナトリウム-硫黄(NaS)電池市場

理論容量が対LIB比約10倍の正極、原料供給とコスト面でリチウムに優位性のある負極

日本ガイシが実用化に成功し商標登録され定着
常温作動型Na-S電池開発を目指す取り組みも始まる
様々なブレークスルーを経て2003年から本格実用化開始
  【図.NAS電池の50kWモジュール  とシステム外観】
火災事故を契機に安全対策とコスト削減は一段と注力される方向に
  【表.ナトリウム-硫黄電池の主要構成部材、特徴、課題、研究開発経緯】
NAS電池市場は従前より大型案件に依存
今後は大きな潜在需要が見込める海外市場度へ注力を強める
  【図.日本ガイシのNAS電池WW売上推移と予測(金額ベース:2008~2015年度予測)】
  【図.NAS電池の稼働中総容量に占める海外比率(2011年8月)】

日本ガイシ株式会社
  高度セラミック技術を駆使し、βアルミナセラミックス電解質の開発に成功
  2002年からNAS電池の事業化を開始2011年9月には使用中総容量は30万5,000kWに達す
  2012年度は海外案件が中心、今後は従来主力分野に加え電力供給系統向け等の需要を開拓

大阪府立大学 大学院工学研究科
  硫化物固体電解質では世界トップクラスの実績 
  界面構築技術に関する研究成果を踏まえ
  リチウム-硫黄電池やナトリウム-硫黄電池の研究開発にも注力
  イオン伝導率は2012年5月時より既に約3.5倍改善
  当面目標である10-3S/cmレベルを実現できる可能性は強し

横浜国立大学 大学院工学研究院
  常温作動型のナトリウム-硫黄(Na-S)電池の研究開発を進める
  常温作動Na-S電池の電解質に適すイオン液体と新規フッ素系溶媒などの開発に一定程度の目途、
  硫黄正極の放電容量は現状でも800mA/gを達成する
  未解明部分が多い硫黄正極やナトリウム負極の電極反応の解析が重要
  最先端技術による評価手法を開発済みで今後その威力発揮に期待

第7章 ナトリウムイオン電池市場

LIBと同等以上の特性と大幅な低コスト化を見込む

研究開発本格化は2010年頃からであるが、
将来的なポテンシャルに対する認知度上昇で企業レベルの評価なども進行中
市場立ち上がりを2015~2016年と予測、最大武器のコスト競争力をつけた後に普及加速へ
  【図.ナトリウムイオン電池WW市場規模予測(金額ベース:2011~2020年予測)】

住友電気工業株式会社
  塩の研究から導かれた溶融塩をナトリウムイオン電池として活用
  100%溶融塩を電解液とする完全不燃材料のみの新型電池
  【図.溶融塩電解液電池外観】
  特長的な動作温度範囲を活かす用途へ
  100℃を切る領域での用途開発検討を優先、
  想定材料のコストパフォーマンスも高く視界良好

東京理科大学(理学部 応用化学科 駒場研究室)
  “ポストリチウムイオン電池”を資源面だけでなく性能面でも実現へ
  「リチウム→ナトリウム」とコンセプトは単純だが、
  難題多いこのテーマに新規材料探索からのアプローチで向かう
  【図.ナトリウムイオン二次電池コンセプトイメージ】
  各材料は対LIBメリットを明確にしながら開発中
  次世代候補材料ではLIBを上回る充放電容量も視野に
  【図.ナトリウムイオン電池用電解液種類別サイクル特性】
  単なる電池の完成形でなくLIBを上回る電池を目指す

東北大学 金属材料研究所
  錯体水素化物イオン伝導体の大きなポテンシャルを示し、共同研究も複数進行中
  室温で高速イオン伝導率を示す新規錯体水素化物を開発
  将来的には世界初の無機系イオン液体開発可能性も
  2012年中に既存電極材使用のナトリウムイオン電池セルにて作動実証
  その後、Na2(BH4)(NH2)に最適の電極材の探索へ

第8章 レドックスフロー電池市場

NASA発の基本原理を基に研究開発スタート、国内でも本格的実用化が目前に

自然エネルギー発電の積極導入機運が追い風 早期に複数プレーヤーが集う展開も
NEDO「ムーンライト計画」(1978~1992年)を経て、
2001年に世界初本格的実用システムの開発に成功
近年はバナジウム系電解液が主流
大容量蓄電池として多くのメリットがあるが、設置スペースは比較的大きい
  【図.レドックスフロー電池の基本構造図】
  【表.レドックスフロー電池の主要構成部材、特徴、課題、研究開発経緯】
バナジウム関連コストが半数近い状況、原料調達ルートや電解液加工技術が低コスト化への鍵
  【表.各種蓄電池の特性・コスト比較】
再生可能エネルギー発電の系統連係・安定化に向けた住友電気工業の再参入で大きく市場拡大へ
  【図.レドックスフロー電池WW市場規模推移と予測(金額ベース:2011~2020年予測)】
  【図.2020年レドックスフロー電池WW市場規模予測の用途分野大別(金額ベース)】

住友電気工業株式会社
  パワーシステム研究所の設立でレドックスフロー電池の研究開発体制も強化
  MW級の大規模蓄発電システムでの各種実証試験を経て2014年度から新たな事業展開へ
  最大改題はコスト、この改善を強力に推し進め2015年度頃には市場トップと同等を目指す

東洋紡績株式会社
  開発品の活性炭素繊維(KF繊維)はレドックスフロー電極の最適材料に
  細かい改良を継続的に進め、本格量産時期を窺う
  量産時のコストダウンへの対応策検討も進む

社団法人新エネルギー支援機構 株式会社ギャラキシー
  密閉型レドックス電池「SEALEX」はノンフロータイプの新型電池
  独自レドックス電池はタンクやポンプが一切不要で省スペース・低コストのポテンシャル大
  プロトタイプから製品化に向けた取り組みが進む
  超高濃度の極液(電解液)「METAVOLT」は量産工場建設計画に注力中、2013年本格稼働へ

京都大学 大学院工学研究科
  電解液を有機系に置換する有機レドックスフロー電池材料の研究開発に進む
  フロータイプのマイクロリアクターを用いるフロー合成技術で世界最先端レベルの成果
  有機系電解液を使用した実験では既存バナジウム系電解液の電圧を上回ることを実証

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