2012 地熱発電市場の将来展望
世界有数の地熱資源量を誇るわが国において地熱発電の普及が進まない理由は、有望な開発地点の多くが国立公園内にあるなどの開発規制、発電コスト、温泉事業との摩擦等にあるとされてきました。しかし最近では関係省庁による規制緩和・資源開発支援の動きもみられ、地熱発電市場は俄かに活気づき始めております。本調査レポートでは、再生可能エネルギーの中でも数少ない安定電源である地熱発電市場の成長性を展望いたしました。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:再生可能エネルギーの導入拡大は、1)地球温暖化対策、2)エネルギー自給率向上、3)エネルギー源多様化、4)環境関連産業育成等の観点から重要であり、出力の安定した地熱発電がベース電源としての期待感の高まりから再び脚光を浴びている。最近では関係省庁による規制緩和・資源開発支援の動きもみられ、地熱発電市場は俄かに活気づき始めている。日本は世界有数の地熱資源量を誇る一方で過去10年以上に亘って新規開発が滞っている現状があり、地熱発電の普及課題は開発規制、発電コスト、温泉事業との摩擦等にあるとされてきた。
本調査では、地熱発電関連企業における製品の取扱い・事業実態と、各社の市場戦略等を調査・分析するとともに、国内地熱発電に係る課題を整理・検証することにより、今後の国内市場の成長性を展望する。
調査対象:地熱タービン・地熱発電プラントメーカー、地熱開発・発電事業者、技術コンサルタント等
調査方法:文献調査及び調査対象先に対するヒアリング調査を実施。
調査期間:2011年10月~2011年12月
■本資料のポイント
- 地熱開発・発電事業者、タービン・プラントメーカー等にヒアリング調査を実施し、国内地熱発電の普及課題を徹底分析。2020年にかけての地熱発電の導入規模&売電市場規模を予測。
- 新たな掘削を必要とせず、既存高温温泉の熱エネルギーで発電する温泉発電(小規模バイナリー)。未利用エネルギーを活用した新たな発電方式として注目される温泉発電に特有の課題とは。
- 世界シェアが高いとされる日系メーカーの地熱タービン。輸出規模と国際競争力の源を調査。
■本資料の概要
第1章 地熱発電市場の現状分析
第2章 有力地熱発電企業の戦略分析
第3章 地熱発電市場の普及課題&将来予測
■掲載内容
第1章 地熱発電市場の現状分析
1.国内市場規模
(1)本調査レポートで対象とする地熱発電市場
(2)地熱発電の国内導入量推移(~2010年度)と動向
(3)地熱発電の国内市場規模(2008~2010年度)
(4)地熱発電設置マップ
(図)地熱発電市場の定義
(図)地熱発電の国内導入量(認可出力)と発電電力量の推移(~2010年度)
(図)地熱タービンのメーカーシェア【国内】
(図)国内地熱資源開発のポテンシャルと既開発量の比較
(表)国内地熱発電所の運転状況(2010年度)
(図)各発電所の発電電力量と設備利用率(2010年度)
(表)各発電所の設備利用率推移(2008~2010年度)
(図表)地熱発電の国内市場規模(2008~2010年度)
2.輸出市場規模
(1)地熱発電の世界導入量推移(~2010年)と動向
(2)日系メーカーの輸出市場規模(2007~2011年度)
(3)日系メーカーの国際競争力
(図)地熱発電の世界導入量と発電電力量の推移(~2010年)
(図)地熱タービンのメーカーシェア【世界】
(表)国別地熱発電導入量と発電電力量(2010年)
(図)日系メーカーの地熱タービン輸出市場規模(2007~2011年度)
(表)日系メーカー3社のタービン・発電機納入実績(2007~2011年度)
3.地熱発電の仕組み&地熱発電を取り巻く産業構造
(1)地熱発電の仕組みとシステム構成
①フラッシュサイクル(蒸気発電方式)
②バイナリーサイクル
(2)地熱発電市場の産業構造&参入企業の整理・分類
(3)主要企業の動向
①タービン・プラントメーカー
②地熱開発・発電事業者
③技術コンサルタント
(図)国内地熱発電の発電サイクル構成
(図)地熱発電市場の産業構造図
(表)地熱発電市場参入企業の分類
(表)主要企業の動向
4.地熱発電に関連する各種法規制及び助成措置の整理
(1)地熱発電に関連する各種法規制
①自然公園法
②温泉法
③環境影響評価法
④電気事業法
(2)地熱発電に係る助成措置
①補助金による助成措置
②RPS法
③再生可能エネルギーの固定価格買取制度
(表)環境アセスメント対象事業規模の比較(発電所)
(図)環境影響評価法改正後のフロー
(表)地熱発電開発・設置に関する補助金
第2章 有力地熱発電企業の戦略分析
1.タービン・プラントメーカー
(1)富士電機
①現状の事業展開
②研究開発動向
③国内における地熱発電の普及課題と将来展望
④今後の事業展開
(表)富士電機 地熱発電関連製品ラインナップ
(表)富士電機 地熱プラント納入実績一覧(2007~2011年度)
(表)富士電機 据付工事中・製作中の地熱プラント一覧
(2)三菱重工業
①現状の事業展開
②研究開発動向
③今後の事業展開
(表)三菱重工業 地熱発電関連製品ラインナップ
(表)三菱重工業 プラント納入実績一覧(2007~2011年度)
(表)三菱重工業 据付工事中・製作中の地熱プラント一覧
(3)東芝
①現状の事業展開
②今後の事業展開
(表)東芝 地熱発電関連製品ラインナップ
(表)東芝 蒸気タービン・発電機納入実績一覧(2007~2011年度)
(表)東芝 設計・製作中の蒸気タービン・発電機一覧
(4)川崎重工業
①現状の事業展開
②国内における地熱発電の普及課題と将来展望
③今後の事業展開
(表)川崎重工業 地熱発電関連製品ラインナップ
(5)JFEエンジニアリング
①現状の事業展開
②今後の事業展開
(表)JFEエンジニアリング 地熱発電関連製品ラインナップ
2.地熱開発・発電事業者
(1)奥会津地熱(三井金属鉱業)
①現状の事業展開
②建設コスト
③掘削費削減の取組み
④日本地熱開発企業協議会の取組み
⑤国内における地熱発電の普及課題と将来展望
(表)柳津西山地熱発電所の設備概要
(図表)地熱開発・発電所建設のイニシャルコスト内訳
(図表)生産井の蒸気生産能力と年間売電収入の比較
(2)日鉄鉱業
①現状の事業展開
②国内における地熱発電の普及課題と将来展望
③新規案件の開発状況と今後の事業展開
(表)大霧発電所の設備概要
(図表)日鉄鹿児島地熱 業績推移(2003~2006年度)
(3)出光興産
①現状の事業展開
②国内における地熱発電の普及課題と将来展望
③新規案件の開発状況と今後の事業展開
(表)滝上発電所の設備概要
(図)出光興産 滝上発電所の設備利用率推移
(4)電源開発
①現状の事業展開
②国内における地熱発電の普及課題と将来展望
③新規案件の開発状況
(表)電源開発 鬼首地熱発電所の設備概要
(図)山葵沢地熱発電所(仮称)設備概要
(5)東北電力
①現状の事業展開
②今後の事業展開
(表)東北電力グループ 地熱発電所の設備概要一覧
(表)東北電力 電源別電力供給量(2009~2010年度、2011年度上期)
(図)東北電力 電源構成の変化(自社発電電力量ベース)
(図)葛根田地熱発電所 蒸気生産量の推移
(6)九州電力
①現状の事業展開
②国内における地熱発電の普及課題と将来展望
③今後の事業展開
(表)九州電力 地熱発電所の設備概要一覧
(表)九州電力 八丁原バイナリー発電施設の概要
(図)九州電力 各発電所の設備利用率(2008~2010年度)
(表)九州電力の地熱開発・運営・メンテナンス体制
3.技術コンサルタント
■地熱技術開発
①現状の事業展開
②温泉バイナリー発電の実証研究動向
③国内における地熱発電の普及課題と将来展望
(表)地熱技術開発 主な委託調査・技術開発実績(2007~2011年度)
(表)地熱技術開発 地熱関連サービス提供実績(2010年度)
(図表)地熱開発に係る技術コンサル費用(調査費)の内訳
(図)地熱技術開発 温泉発電(カリーナサイクル)のシステム構成
(表)地熱技術開発 温泉発電(カリーナサイクル)タービン・発電機の仕様
第3章 地熱発電市場の普及課題&将来予測
1.地熱発電の普及課題抽出
(1)開発リスクと開発コスト
(2)関係法令等による各種規制
(3)温泉事業との共存
(4)地熱開発スペシャリストの不足
(表)課題(1)開発リスクと開発コストのポイント
(表)課題(2)関係法令等による各種規制のポイント
(表)課題(3)温泉事業との共存のポイント
(表)課題(4)地熱開発スペシャリストの不足のポイント
2.新たな地熱事業モデルの必要性
3.国内地熱発電市場拡大に向けての環境整備
(1)市場環境・施策(法案、規制)
①国家戦略室 エネルギー・環境会議
②環境省の動向
③経済産業省の動向
④再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)スタート
⑤バイナリー発電設備に係る電気事業法関係規制の見直し
(2)地熱発電に関する技術動向
①地熱タービン
②バイナリー発電システム
③地熱探査・評価技術
④スケール防止技術
(3)参入企業各社の今後の事業展開
①タービン・プラントメーカー
②地熱開発・発電事業者
③技術コンサルタント
(図)傾斜掘削技術の活用で開発可能となる自然公園区域の割合
(図)経済産業省 地熱資源開発促進調査事業の実施体制と2012年度要求予算
(表)バイナリー発電システム開発の方向性
(図)地熱開発のプロセス
(表)参入企業各社の今後の事業展開
4.今後の地熱発電市場の拡大パターン
(1)開発リスクの最小化
①地熱開発ヒット率向上のための技術開発
②企業連合による開発、自治体との共同事業の推進
③温泉事業者等との調整機関の創設
④国費による地熱探査・高精度の資源量評価
(2)規制緩和による普及拡大
①自然公園内の地熱開発促進
②環境アセスメントの期間短縮、許認可手続きの簡素化
(3)小規模バイナリー発電システムの開発促進と低コスト化【温泉発電】
(図)開発リスクの最小化による普及拡大
(図)規制緩和による普及拡大
(図)小規模バイナリー発電システムの開発促進と低コスト化による普及拡大
(表)高効率小規模バイナリー発電システムの発電コスト
5.地熱発電市場の将来予測(2011~2020年度)
(1)フラッシュ発電市場(蒸気発電市場)
(2)バイナリー発電市場
(3)売電市場
(4)地熱発電市場
(表)フラッシュ発電市場の将来予測(2011~2020年度)
(表)バイナリー発電市場の将来予測(2011~2020年度)
(図表)地熱発電による売電市場の将来予測(2011~2020年度)
(図表)地熱発電市場の将来予測(2011~2020年度)
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。