2012年版 SiC・GaN単結晶市場の現状と将来展望
ポストSiのパワー半導体としてSiCとGaNのワイドギャップ半導体はインバータ、コンバータなどの電力損失を大幅低減できる次世代のパワー半導体として注目されている。その基板材料としてSiCとGaN単結晶も日米欧の先行メーカーだけでなく中国などアジアメーカーもこれをキャッチアップしようとしている。これらによりウエハー高品質化や大口径化など、ワイドギャップ半導体デバイスの市場拡大に向けた取り組みが進められている。
このSiCとGaNの単結晶の現状、および今後の市場性に関し、単結晶メーカーだけでなく同じ領域で戦う技術であるGaN on Siなどへのヒアリングも加えることで、ワイドギャップ半導体デバイスの市場浸透時期と規模をベースとした単結晶市場の今後の動向を捉えるレポートとして発刊致しました。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:SiC、GaN単結晶メーカーや事業化に向けた取り組みを進めている企業や研究機関の現在動向と今後の事業施策を徹底調査し、更にデバイス化メーカーなどの周辺調査を加えることで、SiC、GaN単結晶市場の現状と今後の動向を詳細に把握することを目的とする。
調査対象:対象品目・SiC単結晶(LED用を除く)・GaN単結晶
調査方法:直接面談取材による
調査期間:2011年12月~2012年2月
■本資料のポイント
- フィールドテスト進むSiCはついに夜明け前
- 眼前の6インチウエハーでの戦いが雌雄を決する
- 次代のエネルギーインフラに向けた新・環境デバイス材料市場が立ち上がる
- SiC:合い言葉の「1インチ1万円」は目標ではなく通過点
- GaN:逆転シナリオへ、幕引き間近のラストチケットを手に開発は背水の陣
- SiCとGaN、両ウエハーに割って入るGaN on Siなどヘテロ接合の潜在能力は高し
■本資料の概要
第1章 SiC・GaN単結晶市場の展望
第2章 SiC単結晶市場
第3章 GaN単結晶市場
第4章 SiC・GaN単結晶、および関連メーカーの動向
■掲載内容
第1章 SiC・GaN単結晶市場の展望
次代のエネルギーインフラに向けた新・環境デバイス材料
そのステージに立つSiC、GaNはポテンシャルの正当発揮へ
SiCは眼前の6インチでの戦いが雌雄を決す
鶏卵論は不要で一気呵成に旗を取る
GaNはLEDスペシャル照明への参入で逆転シナリオの推敲へ
それは必須項目であると同時に剣が峰
シリコンが届かぬ領域こそワイドバンドギャップ材料が目指す場所
超高耐圧領域での早期事業実現が妙味
【図.ワイドバンドギャップ半導体材料としての理想事業化進展イメージ】
第2章 SiC単結晶市場
昇華法によるブレークスルーで市場化が進む
【表.各種半導体材料の物性値比較】
【表.SiC単結晶の物性特徴と適応応用製品、SiC採用メリット】
マイクロパイプ欠陥はほぼ解決も、量産レベルでの対応が求められる
その他転位欠陥改善は検査装置の進化も後押しに
マイクロパイプ欠陥のない製法でも品質改善は進む
特に熱平衡状態に近い結晶成長法となる溶液法は素性よし
ウエハー高品質化だけでなく活性層形成へもつながるMSE法ベースのバッファ膜形成
エピ膜厚15μmレベル(=耐圧1,700V)へは安定量産可能
【表.SiC単結晶ウエハー、エピタキシャルウエハーの品質動向】
合言葉の「1インチ1万円」は目標ではなく通過点
当面はトップ品質品で4インチ8万円が目標か、量産実績の有無もポイントに
面積単価の当面目標は2.2円/mm2、足元努力見積価格は既に同桁内に
【表.SiC単結晶ウエハー価格動向】
【表.SiC単結晶ウエハーの面積単価動向】
6インチの複数社による量産体制確立は~2014年、
ニューカマー含め多くのメーカーがそこに集う
これからの市場参入者(昇華法以外)においても6インチは目先の目標に
【表.SiC単結晶主要メーカーのウエハー口径動向(ロードマップ含む)】
6インチは2012年~2013年にサンプル投入から少量生産始まる
2014~2015年は複数社での量産体制が出揃い本格導入期に
【図.SiC単結晶ウエハー市場進展イメージ(現在~2015年を中心に、デバイス含む)】
市場は2015年に成長ステージに立つ
本領発揮がここから始まる
【表.SiC単結晶市場規模推移と予測(金額、数量、2009~2015年予測)】
【図.SiC単結晶市場規模推移と予測(金額、数量、2009~2015年予測)】
【図.SiC単結晶用途分野別市場規模推移と予測(金額ベース、2009~2015年予測)】
【表.SiC単結晶ポリタイプ×用途分野大別市場規模推移と予測
(金額ベース、2009~2015年予測)】
2014年は面積ベース、2015年は枚数ベースで6インチが4インチを抜く
【表.SiC単結晶パワーデバイス+非生産分野口径別市場規模推移と予測
(枚数、面積、2009~2015年予測)】
【表.SiC単結晶パワーデバイス+非生産分野口径別面積シェア推移と予測(2009~2015年予測)】
【図・表.SiC単結晶パワーデバイス+非生産分野口径別枚数シェア推移と予測(2009~2015年予測)】
【図.SiC単結晶パワーデバイス+非生産分野枚数および面積市場規模の推移・予測成長率比較
(2009~2015年予測)】
【図.SiC単結晶パワーデバイス+非生産分野面積市場規模推移と予測(2009~2015年予測)】
クリーのシェアは低下中だが再び高シェア獲得の様相も
【図.SiC単結晶市場メーカーシェア(金額ベース、2009年、2011年)】
第3章 GaN単結晶市場
主用途である青紫色レーザーでの市場拡大は見込みづらい状況、市場縮小傾向が鮮明に
【表.ブルーレイディスクレコーダーとプレーヤーの国内出荷台数推移(2009~2011年)】
【図.プレイステーション3全世界売上台数推移(2007~2011年)】
今後の市場参入者は青紫色レーザー以外の用途を狙う
LEDスペシャル照明がその入り口に
SiCを凌ぐポテンシャルが活かせる電子デバイス用途
研究者へのアプローチが進む
【図.パワーデバイス材料の性能比較】
注目すべき液相法、その事業化時期が迫る
【表.GaN単結晶ウエハー市場参入メーカーの主な動向(または概要)】
4インチでLEDスペシャル照明へ、価格は早期に1インチ=1万円に向かう
今後の市場は4インチが牽引、2015年には縮小傾向にブレーキかかる
【図.GaN単結晶市場規模推移と予測(金額、数量、2006~2015年予測)】
【表.ウエハー口径別GaN単結晶市場規模推移と予測(金額、数量、2006~2015年)】
【表.口径別GaN単結晶市場予測(枚数、面積、2014~2015年予測)】
【図.口径別GaN単結晶市場規模推移と予測(面積ベース、2006~2015年)】
第4章 SiC・GaN単結晶、および関連メーカーの動向
Ⅱ-Ⅵ Incorporated/ツーシックス
6Hにおける高ポジションを4Hで作るべく、事業拡大中
6Hでは高シェアを獲得中、これを生かす形で4Hの量産対応へ向かう
新工場を含めた増産体制を整え、6インチ化も目前に
【表.事業動向(生産工場、マイクロパイプ数、6インチ化)】
Cree,Inc.
SiCのリーダーは市場本格化へ盤石な体制
普及に向けた価格政策の率先推進で、SiCウエハー数量は安定的に成長中
【表.クリー全社売上とLED Products、Power and RF products各事業売上推移】
6インチ品は市場環境を見極め2012年リリース予定も、顧客リクエストは既に多数
LED事業でのSiCウエハー使用は高いアドバンテージ、
これによる技術蓄積は他社追従ができない領域に
HOYA株式会社
2012年度6インチ化の実現に向け開発加速中
3Cの特長を生かす形で横型MOSFETも有望選択肢
基本製法をベースに更なる低コスト化技術を検討中
【表.開発テーマと想定用途分野】
【表.単結晶製法と低価格化へのポテンシャル】
Tanke Blue Semiconductor Co.,Ltd/株式会社MTK
一部有望顧客からは“逆指名”も、高い潜在能力の実市場での発揮が待たれる
今後の進化が期待される中国結晶学会先端技術力ベースのSiC単結晶メーカー
【表.タンケブルーセミコンダクター企業概要】
国内代理店としてのMTK、
サファイアやシリコンウエハーの取り扱いも開始しトータルサービス提案体制に
【表.MTK企業概要】
低コスト運営で高いコスト競争力へのポテンシャルが一番の魅力
さらにアズカットウエハーやインゴット販売で市場成長にも貢献
【表.SiC単結晶製品概要(4H・6Hウエハー、アズカットウエハー、インゴット)】
高品質化と大口径化は最優先取り組み事項として
市場本格化時期をキャッチアップターゲットに
【表.口径別ウエハー品質ロードマップ(2~6インチ)】
【表.口径別生産能力】
先々のテイクオフを見据え、既に広範囲な用途でのウエハー販売実績が増加中
エア・ウォーター株式会社
VCE法によるGaN下地基板としての優位性を量産装置で発揮へ
超高真空成膜装置(VCE)を活かし、8インチSiC単結晶基板を開発
【図.VCE装置】
高品質なSiC(111)薄膜が形成可能な点は大きなアドバンテージ
3C-SiC(111)薄膜のX線ロッキングカーブ半値幅は既に世界最高レベルに
【表.SiC基板作製フロー】
【図.SiC(111)- X 線ロッキングカーブ半値幅(XRC-FWHM)】
当面は高周波用GaN下地基板として量産装置の検討へ、さらにLED下地基板の道も
【表.注力方向とアドバンテージ、開発状況、今後の取り組み】
株式会社エコトロン
4インチ対応実現によりデバイス評価、量産技術開発と市場化ステージへ
中耐圧SiCデバイス開発から市場が求める上流工程へ向かう
【表.事業経緯】
バッファ層+活性層形成まで対CVD法優位性が活かせるMSE法
【図.MSE法の基板断面と構造の概念図とバッファ膜の効果イメージ】
【表.エコトロンのSiC単結晶基板高品質化バッファ膜作製手法と特徴】
欠陥伝搬抑制効果はそのままに6インチ対応炉における4インチ化を実現
(活性層形成含む)、デバイス評価と共に量産技術の確立へ向かう
【表.近年の事業動向(対応面積、開発テーマ、市場化ステージイメージなど)】
昭和電工株式会社
安定的な生産体制を確立、実市場での量産移行が視野に
高品質品の安定的な生産技術をベースに規模面での拡大ステージに
【表.事業進展状況と量産品質・対応可能膜厚】
エピ欠陥数の低減を図りながら安定供給体制の確立を目指す
新日鉄マテリアルズ株式会社
近い将来の本格的な量産を見据え、万全の体制で臨む
技術部門内の「事業開発グループ」から『SiCウエハカンパニー』へ組織改正し、
事業化シフトアップ
【表.新日鉄マテリアルズのSiC事業経緯】
間近のサンプルが待たれる6インチ品も近い将来量産投資判断へ
【表.インチアップ、および生産能力増強動向】
【図.6インチSiCウエハー開発品外観】
良質な種結晶の保有と高度なプロセス条件制御、バルク~エピまでの一貫生産が強み
【表.事業優位性と目標(ターゲットデバイス、2015~2020売上、2012年前半レベル)】
住友金属工業株式会社
デバイス市場の本格的な立ち上がり時期への市場参入が視野に
自社特色を活かす形で溶液成長法によるSiC単結晶のトップランナーへ
【表.住友金属工業のSiC単結晶技術開発への経緯】
【図.Top Seeded Solution Growth法(TSSG法)構造模式図】
2012年度からは4インチ化に着手、市場投入が視界に入る
【表.近年の事業動向(ポリタイプ、品質、生産性、口径)】
【図.溶液成長による4H-SiC結晶中の転位密度の変化】
【図.溶液成長法で育成した4H-SiCバルク単結晶】
セラミックフォーラム株式会社 (SiCrystal A.G./Norstel A.B./ACREO A.B./Ammono S.A.)
ワイドギャップ半導体領域の全方位展開を推進
新工場稼動は2015年のマーケットシェア1位獲得に向けた土台に
【表.シークリスタルの近年動向】
SiCだけでなくGaNも守備範囲としワイドギャップ半導体事業は万全の体制に
セラミックフォーラムはエピタキシャルサービスまでワンストップ提供、
広範囲の顧客ニーズに対応
【表.セラミックフォーラムのワイドギャップ半導体領域ソリューション(取引企業概要)】
太平洋セメント株式会社/屋久島電工株式会社
SiCデバイスの市場化進展に向け、出発原料で貢献
グループ企業の協業で超高純度炭化ケイ素を工業生産化
【表.超高純度炭化ケイ素の基本仕様】
【図.粒子形状外観】
素性の良い製法がアドバンテージ、将来的なポテンシャルも期待される
【表.生産体制、価格(競争力)、今後の施策】
東レ・ダウコーニング株式会社(Dow Corning Toray Co., Ltd.)
間近に迫るインチアップが事業のステップアップ期を迎える
6インチウエハーでマーケットリーダーを狙う
GaN on Siへの取り組みも加え、広範囲のデバイスニーズがカバーできる体制に
【表.ダウコーニングのワイドバンドギャップ領域事業動向(SiC、GaN on Si)】
伯東株式会社/SAINT-GOBAIN (旧Lumilog)
エレクトロニクス領域の広い事業基盤を活かし
電子デバイス用GaN基板のユーザー開拓から進む
当初から青紫色レーザー以外の用途を志向し、低価格化を目指す
【表.ルミログ事業概要(主要製品、特徴、現状技術レベルとターゲットなど)】
伯東では広範囲の想定顧客に対しGaN基板の将来ユーザーを開拓
株式会社パウデック
窒化ガリウム半導体のパワーデバイス応用を独自エピ技術で牽引
高品位GaN結晶を安価なサファイア基板上に形成
600V耐圧GaNダイオードは対シリコン比二桁以上低い動作抵抗を実現
【図.新技術によるGaN縦型ダイオードの構造図(従来技術比較)】
電流コラプスをなくした新構造の耐圧1,100Vトランジスタは
シリコンベースの低価格化とサファイアベースの超高耐圧化に向かう
【図.新技術によるGaN HFETの構造図(従来技術比較)】
【図.新構造GaN HFETのストレス後オン抵抗(従来構造品比較)】
開発競争をリードするベンチャースピリットは量産を見据えたステージへ
6インチ対応新規装置設計に着手
【表.MOCVD装置特徴と現在状況、開発品の特徴と現在~今後】
日立電線株式会社
GaN単結晶基板のセカンドポジションを確保し前へ
VAS法によるGaN単結晶基板は量産供給が始まる
【表.VAS(ボイド形成剥離)法概要と効果】
【図.VAS(ボイド形成剥離)法の基礎概念模式図】
転位密度は105/cm2台へ大幅改善
今後は足元市場での拡販と新規用途分野の開拓を同時に推進
【表.VAS法とナノネットの概要と効果、転位密度状況】
【図.表面欠陥を含まないGaN自立基板における成長厚と転位密度の関係】
株式会社ブリヂストン
粉体原料から最終製品までの高度一貫自社体制で高品質と大口径化を両立
自社製超高純度粉体原料とハイレベルな品質管理ベースのトータルプロセス
6H-SI型ウエハーは市場化を推進
同時にウエハー高品質化を一層追求する
【図.体積抵抗値とウエハー形状の測定状況】
【表.現状主要製品と体積抵抗値、近年動向・現状~今後の施策・事業アドバンテージ】
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