2012 拡大するUPS市場

日本国内では東日本大震災をきっかけにBCP(事業継続計画)の重要性が改めて注目され、その一手段としてUPSは浸透しているが、これまでの機能でよいのか、さらにより広いリスクに対応するためにどのような機能を盛り込みソリューションを提案するかがUPSメーカに求められている。これまでは短時間の電力供給が主目的であったが、より長時間をカバーする必要性や新たな技術や使い方が出てきている。世界市場では、中国メーカが国内の需要拡大を受けて実績を伸ばしており、さらに中国メーカや欧米メーカの東南アジアや欧米市場進出も活発になっていることから、日本メーカも戦略や展開次第では海外市場で事業拡大のチャンスが十分に期待できる。本調査レポートでは、UPSの事業拡大に向けてその可能性と方策を考察した。

発刊日
2012/10/26
体裁
A4 / 150頁
資料コード
C54300900
PDFサイズ
3.4MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:UPS(瞬低補償装置を含む)を対象に、その市場実態、技術開発、参入メーカの取り組み実態、課題・問題点等を把握し、将来の市場規模や技術動向等を展望する。
調査対象:UPS(瞬低補償装置を含む)を生産するもしくは販売を行い、国内市場に参入しているメーカ等
調査方法:直接面接取材を中心に、電話ヒアリング、周辺取材を併用。
調査期間:2012年8月~2012年10月

リサーチ内容

■本資料のポイント

  • UPS市場規模を算出。
  • 需要分野別(情報サービス/金融/医療/報道・放送/通信/その他)の動向、技術動向をレポート。
  • 参入企業12社の動向を分析。

■本資料の概要

第1章 UPS市場の現状
第2章 UPS市場の需要分野別実態
第3章 主要UPSメーカの取り組み実態
第4章 UPS市場の将来展望

■掲載内容

第1章 UPS市場の現状

1.アジア系メーカの進出もあるが、大きな変化がない主要参入メーカ
2.UPSの既存技術は完成の域。LiO電池の採用製品も見られるが、まだ試験的
3.震災もあり大きく変動する市場規模。容量帯によってその推移は異なる
4.容量帯別メーカシェア推移
  (1)シュナイダーエレクトリックが強みを見せる1kVA未満帯シェア。順位は安定
  (2)情報系と産業向けに強いメーカが混在する1kVA以上10kVA未満帯シェア
  (3)重電総合メーカが強みを発揮する10kVA以上帯のメーカシェア。二強の構造
  (4)撤退もある瞬低補償装置。メーカシェア変動につながる

第2章 UPS市場の需要分野別実態

1.需要分野別市場規模推移
  (1)情報サービス向けが全体の76%程度を占める数量ベース
  (2)その他と情報サービスの構成比が高い金額ベース
2.情報サービス向け市場
  (1)2011年度は震災の影響から拡大するが、2012年度は沈静化
  (2)シュナイダーエレクトリックが強さを発揮する情報サービス向けメーカシェア
3.金融向け市場
  (1)数量では横這いながら、金額では縮小傾向続く金融向け市場規模
  (2)三菱電機が強みを見せる金融向けメーカシェア
4.医療向け市場
  (1)金額では10kVA以上の増減の影響をまともに受ける医療向け市場規模
  (2)システム供給できる総合重電メーカが独占するメーカシェア
5.報道・放送向け市場
  (1)2011年度以降数量と金額の変動がばらつく報道・放送向け市場規模推移
  (2)10kVA以上で数量ではGSユアサ、金額ではシステムメーカが強い報道・放送向け
6.通信向け市場
  (1)金額では拡大続く通信向け市場。10kVA以上帯が全体を牽引
  (2)東芝、三菱電機、山洋電気が強い通信向けシェア。富士電機、GSユアサも健闘
7.その他向け市場
  (1)縮小傾向が続くその他向け市場規模。金額では10kVA以上帯が下げ止まり
  (2)容量帯によって上位の顔ぶれが微妙に異なるその他のメーカシェア

第3章 主要UPSメーカの取り組み実態

1.オムロン(株)
  (1)PC周辺機器からスタートするが、FA向けにも充実させた品揃え
  (2)伸びる情報サービス向け、減少するFA向け。全体では拡大傾向の出荷実績
  (3)国内市場での大容量化と海外での販売進出で事業拡大を目指す
2.山洋電気(株)
  (1)小容量から大容量まで品揃えするが、給電方式や電池に違いを出し差別化
  (2)出荷量・金額ともに横ばいで推移。通信向けを柱とする需要分野構造に変化はない
  (3)新規提案で需要開拓を図りながら、既存需要分野に的を絞って拡大を目指す
3.(株)GSユアサ
  (1)UPS事業を統合し、フルラインナップ。長時間補償の新製品を投入
  (2)2010年度からの3年間は横這いから微減で推移。産業向けに大きく依存
  (3)競合を避け、LiO電池による性能向上と機能拡大でUPSの新市場開拓を図る
4.(株)指月電機製作所
  (1)瞬低補償装置に特化した品揃えは変わらず。補償時間延長の手段としてLiCを採用
  (2)2011年度は設備投資低迷でマイナス成長。2012年度は回復するが、ユーザに変化
  (3)小容量帯の品揃えを充実し、ユーザに積極提案。メーカ撤退で競合激化もあるか
5.シュナイダーエレクトリック(株)(旧(株)エーピーシージャパン)
  (1)効率向上や長時間補償で新製品を出すが、展開自体は従来路線を継承
  (2)小容量帯を中心に情報サービス向けに特化。2011年度は特需が発生
  (3)事業拡大に向けて、大容量化と新規需要開拓を目指す。楽な展開ではない
6.(株)東芝
  (1)ビル用電源システムの一製品として、必要最低限の品揃えでシステム提供
  (2)数量金額ともに拡大傾向。情報サービス、通信、その他(FA)向けが柱
  (3)国内市場に限定し、小容量帯への進出とSCiBによるUPSの機能拡充を追求
7.東芝三菱電機産業システム(株)
  (1)単相と三相の100/200V出力を幅広くカバーする製品構成。OEMもある
  (2)2011年度は金額で拡大するも、2011年度は需要が落ち着き減少は不可避
  (3)産業向けは需要低迷か。中容量機の性能向上と瞬低補償装置のユーザ開拓が課題
8.日本エマソン(株)
  (1)小容量から大容量までフルカバーの品揃え。小容量は2009年から専用機で参入
  (2)2011年度に拡大した単相製品。三相製品は特定ユーザを確保し安定した業績を維持
  (3)単相製品、三相製品ともに上位メーカとの差別化がポイント。提案力がカギ
9.富士電機(株)
  (1)TDKラムダを吸収後、フルラインアップを構築。目立つ変化は認められない
  (2)データセンタ向けは伸張するものの、全体では量・金額ともに減少が避けられない
  (3)経営方針は成長を求めて海外展開を強化。UPS事業も従うが、方策は検討段階
10.三菱電機(株)
  (1)大容量では継続的に新製品を投入。小容量では販売不振の機種を止め、品揃えを集約
  (2)データセンタ向け需要拡大に依存し売り上げ拡大。10kVA未満ではFA向けも伸長
  (3)当面はデータセンタ需要に期待。その先に海外展開や新技術の提案を見据える
11.(株)明電舎
  (1)電源装置として訴求し、単体は目指さない。新製品投入で競争力向上
  (2)2011年度は大きく落ち込む出荷実績。産業向けへの依存度は年々高まる
  (3)当面は未開拓の需要分野の掘り起こしに注力。LiO電池にも着目し新機能も追及
12.(株)ユタカ電機製作所
  (1)最大効率の向上と小型化で新製品投入。計画停電向け長時間補償タイプも製品化
  (2)数量・金額ともに2011年度は前年比2桁成長。2012年度は下期に期待
  (3)将来は緩やかな拡大を想定するが、市場環境は刻々と変化。難しい舵取り

第4章 UPS市場の将来展望

1.成長性は期待できない国内UPS市場の将来展望。機能・価格では限界か
2.既存内容では成長が望めないか。事業拡大を求めてメーカの取り組みに差
3.メーカによって温度差がある海外展開の可能性
4.2つの新機能追及が顕在化しつつあるUPSの可能性
5.新機能とセットで考えなければならない新蓄電媒体採用の可能性
6.当面は見える化でも、いずれ必要となる自動制御機能。UPSに取り込めるか!?
7.数量では微増、金額では横這いのUPS市場規模予測。新UPSの登場に期待
 

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