2016 地方創生における地方銀行/IT事業者の戦略と展望
まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、全自治体が2015年に地方版総合戦略を策定、2016年度から実行フェーズに突入している。また、それに伴い平成28年度の地方創生関連予算等が発表、交付がされ始めている。金融庁の発表した金融行政方針において、地方銀行を中心に各地域の活性化に注力するよう明記されるなど、地方創生を後押しする動きがあるとともに、経済産業省においてローカルベンチマークの議論がなされるなど、政策面でも地方創生を強力に後押しする流れとなっている。
そうした中、多くの地方銀行が担当地域の自治体と積極的に地方創生に関する連携協定の締結化を活発化させており、資金供給源として、またビジネスマッチングなどの要として、今年度以降の実行フェーズにおいて地方銀行が果たす役割は非常に大きいといえる。また、6次産業化の強化や創業支援などを多くの自治体が総合戦略に盛り込む中、IT事業者の役割も益々、重要性を帯びてくると考えた。
本調査レポートは、実行フェーズのキープレイヤーである、地方銀行やIT事業者の戦略や動向を中心に地方創生の方向性について展望することを目的としている。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:本レポートでは、地方創生について主に地域経済の基盤である地方銀行や官民ファンド、ITインフラを担う大手SIerのほか、エッジの効いた地方自治体などへの取材を通じて、地方創生の実態を把握するとともに、今後の地方創生の方向性について展望する。
調査対象:地方創生には地方自治体をはじめ、金融機関や教育機関のほか、一般事業会社としてIT事業者や結婚相談所、農林漁業など、多岐に渡るプレイヤーが関わる。本レポートでは、特に地域経済の基盤である地方銀行やメガバンク、官民ファンドなどの特殊会社に加え、ITインフラを担う大手SIerや多くの地方自治体において創業支援を掲げていることから、ITベンチャー企業に主に焦点を当て、各々の事業戦略や連携状況(自治体、メガバンク、教育機関など)、今後の取組み状況などについて調査を実施した。
調査対象企業数:
金融機関(6社)、官民ファンド(2社)、一般社団法人(1団体)、SIer(3社)、地方自治体(2自治体) 合計 14社/団体
調査方法:直接面談取材、電話調査および文献調査など
調査期間:2016年6月~2016年8月
- 地方銀行、IT事業者(SIer、ITベンチャー)の各々について2016年~2020年までの将来展望を掲載
- エッジの効いた自治体への直接取材のほか、電話取材を基に自治体の取組みを調査
- 地方銀行やIT事業者(SIer、ITベンチャー)における地方創生に絡む戦略や取組みを調査
第1章 総論
第2章 自治体(県・市町村)の取組み
第3章 メガバンク/地方銀行/官民ファンドなどの動向
第4章 IT事業者における実態と展望
第5章 領域別企業の実態と取組み
第6章 第一地方銀行における取組み状況
第7章 地方創生加速化交付金の動向
第8章 ブランドデビット発行状況
■掲載内容
第1章 総論
1.地方創生とは
1.1 定義
1.2 地方創生の範囲
2.2020年までのロードマップ/戦略/基本方針
2.1.国の創生総合戦略と地方創生関連交付金
(1)国のまち・ひと・しごと創生総合戦略
(2)地方創生関連交付金の動き
2.2.自治体の動き
3.地方銀行/IT事業者の将来展望(2016年~2020年)
3.1.将来展望に際しての判断基準
3.2.地方銀行における将来展望(2016年~2020年)
(1)事業性評価を伴う融資が活発化
①ローカルベンチマークを活用した事業性評価を伴う融資
②事業性評価を伴う融資額の推移
(2)地方銀行同士の広域連携から緩やかな統合へと展開
(3)株式取得の緩和など銀行法改正の可能性も
(4)デビットカードを活用した地方創生プラットフォームを構築
(5)地方銀行でのFinTech活用が更に加速
3.3.大手SIerにおける将来展望(2016年~2020年)
(1)リレーションシップバンキングを掲げる地方銀行との協業可能性
(2)一部地域でのアイデアソンなどをソリューション化、全国展開へ
(3)自治体の創業支援に伴い、ベンチャー企業との提携・出資が活発化
(4)移住などに関するマッチングや多言語自動翻訳などAI活用が進む
3.4.ITベンチャー企業における将来展望(2016年~2020年)
(1)幅広い企業との協業や提携が活発化
(2)自治体の創業支援を背景にベンチャー企業が創業、競争が活発化
(3)FinTechベンチャーによる自治体や地方銀行との協業が積極化
(4)ベンチャー企業の大型化に伴い、サテライトオフィスの利用が活発化
4.地方創生における地方銀行と各プレイヤーの関係性
4.1 地方自治体(県・市町村)と地方銀行
4.2 金融機関同士
(1)メガバンクと地方銀行
(2)地方銀行同士
(3)損害保険会社と地方銀行
4.3 特殊会社(官民ファンドなど)と地方銀行
(1)官民ファンドと地方銀行
(2)特殊会社(日本政策投資銀行)と地方銀行
(3)一般社団法人と地方銀行
4.4 教育機関と地方銀行
4.5 一般事業会社と地方銀行
5.地方創生における地銀・SIer・自治体への提言
5.1 事業性評価を伴う融資を積極的に実施、強みとすべき
5.2 質・量ともに積極的に広域連携を推進すべき
5.3 新たな連携に伴う価値設計図の変化に対応すべき
5.4 ベンチャー企業を地方創生に巻き込むことが重要
5.5 地理的制約は積極的な連携により地理的優位性とすべき
第2章 自治体(県・市町村)の取組み
1.地方自治体(県・市・町・村)の実態と展望
1.1.地方版総合戦略の策定が終了、実行フェーズへ
1.2.県における4つの基本方針別の取組み
(1)地方における安定した雇用の創出
(2)地方への新しいひとの流れの創出
(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
(4)時代に合った地域づくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携
1.3.市町村における注目すべき取組み
(1)観光と地方創生(日本版DMO)――気仙沼市役所
(2)ベンチャー支援と地方創生――福岡県福岡市
(3)ママと地方創生――かほく市役所ママ課プロジェクト
(4)ICTと地方創生――山梨県小菅村
(5)クラウドファンディングと地方創生(「ふるさと投資」)
(6)医療と地方創生(日本版CCRC)――新潟県南魚沼市
1.4.「地理的制約」を「地理的優位性」に変える
(1)企業や大学などとの積極的な協業
(2)多彩な事業者との連携――日本版DMO
(3)「企業版ふるさと納税」の活用
第3章 メガバンク/地方銀行/官民ファンドなどの動向
1.3メガバンクの実態と展望
1.1.概況
1.2.参入状況
1.3.取組み状況
(1)事業戦略
(2)各行の主たる取組み
(3)今後の取組み、課題
1.4.市町村を相手にしたビジネス手法に関する考え方・見解
(1)市町村を相手にしたビジネス手法
(2)不動産領域は金融機関の関与が不可欠
2.地方銀行の実態と展望
2.1.概況
2.2.参入状況
(1)地方版総合戦略への関与度合い
(2)地方創生に関する推進体制
2.3.取組み状況
(1)事業戦略
(2)サービスの特徴
(3)連携状況
(4)今後の取組み
(5)課題
2.4.金融庁が求める事業性評価
(1)事業性評価の概要
(2)事業性評価の実施方法――自行で実施/他団体と協業
(3)事業性評価におけるマクロ/ミクロの視点
2.5.経済産業省のローカルベンチマーク
(1)ローカルベンチマークとは
(2)ローカルベンチマークの活用
2.6.今後の銀行の評価方法
3.官民ファンドの実態と展望
3.1.概況
3.2.参入状況
3.3.取組み状況
(1)事業戦略
(2)サービス概況
(3)今後の取組み
(4)課題
3.4.地方銀行とのファンドを通じた積極的な協業
3.5.6次産業化推進に向けた取組み
4.その他支援事業者の実態と展望
4.1.日本政策投資銀行の取組み
(1)事業戦略
(2)取組み状況
(3)地域金融機関との協業
4.2.一般社団法人MAKOTOの取組み
(1)事業戦略
(2)取組み状況
(3)今後の取組み
第4章 IT事業者における実態と展望
1.大手SIerの取組み状況
1.1 事業戦略
1.2 取組み概況――ソリューション型/イベント型
(1)ソリューション型
(2)イベント型
1.3 ニーズや引き合い状況
1.4 今後の取組み、課題
(1)ソリューション型
(2)イベント型
1.5 地方銀行との協業可能性
(1)事業性評価ができる銀行はパートナーとなりうる
(2)営業パートナーになる可能性
(3)地域情報を発信するためのハブとしての可能性
2.ITベンチャー企業の取組み状況
2.1 概況
(1)概要
(2)地方創生はチャンスか
(3)地方自治体や地方銀行との協業可能性など
2.2 分野別ITベンチャー企業の地方創生に対する見解
(1)農業分野――(株)笑農和(富山県)
(2)金融分野――(株)BearTail(東京都)
(3)観光分野――(株)リーボ(福岡県)
(4)医療分野――ポート(株)(東京都/宮崎県)
(5)介護分野――(株)aba(千葉県)
第5章 領域別企業の実態と取組み
1.三菱東京UFJ銀行
1 企業概要
2 地方創生関連戦略、推進体制
(1)地方創生関連戦略
(2)推進体制
3 取組み内容
(1)概要
(2)自治体との連携
(3)地方銀行との協業
(4)MUFG地方創生ファンドの組成
4 地方創生関連の実績(協業・連携事例)
(1)自治体との連携
(2)銀行との協業
(3)MUFG地方創生ファンド
5 今後の取組み
(1)三大都市圏以外の地方での取組み
(2)三大都市圏での取組み――泉佐野市の実績に手ごたえ
(3)MUFG地方創生ファンド――グループシナジーを追求
6 同行が考える市町村を相手にしたビジネス手法に関する考え方・見解
(1)市町村を相手にしたビジネス手法
(2)まちづくり、特に不動産領域は金融機関の関与が不可欠
2.ふくおかフィナンシャルグループ
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生に関する事業戦略、推進体制
(1)事業戦略、注力領域
(2)推進体制
3 取組み内容
(1)概要
(2)自治体との連携
(3)他行との連携に関する考え
(4)ファンドの組成
(5)アウトバウンドビジネスのワンストップ支援
(6)地方創生向け商品開発
4 実績
5 地域創生におけるマクロ/ミクロの事業性評価に対する考え方
6 今後の取組み、課題
(1)地方創生に対する今後の関わり方
(2)自治体のリーダーシップ、地域を巻き込む人材が地域創生のポイント
3.紀陽銀行
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生に関する事業戦略、推進体制
(1)事業戦略、注力領域
(2)推進体制
3 主な取組み内容
(1)概要
(2)自治体と連携した住宅ローン
(3)創業者支援総合スキーム
(4)ファンドの組成――地域活性化ファンド/6次産業化ファンド
(5)ふるさと投資に対する見解と実態
4 実績
5 地方創生の取組みを評価するためのKPIに関する見解
6 今後の取組み、課題
(1)地方創生に対する今後の関わり方
(2)課題
7.地方版総合戦略に対する見解
4.福島銀行
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生関連事業の背景、注力領域、体制
(1)取組みの背景
(2)注力領域
(3)地方創生の推進体制
3 主たる取組み内容
(1)概要
(2)再チャレンジに特化したファンド「福活ファンド」
(3)クラウドファンディングの活用:チャレンジスター
(4)その他
4 今後の取組み
5.琉球銀行
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生に関する事業戦略、推進体制
(1)事業戦略、注力領域
(2)推進体制
3 取組み内容
(1)概要
(2)自治体との連携
(3)都市銀行および県内の銀行との連携
(4)6次産業化支援
4 金融庁などによる地方創生の取組みに対する金融機関の評価に対する考え
5 今後の取組み、課題
6.日本政策投資銀行
1 企業概要
2 地方創生関連事業戦略
(1)地方創生関連の事業戦略
(2)推進体制
3 主たる取組み内容
(1)概要
(2)地域経済雇用戦略の企画・実施体制の整備
(3)地域産業の競争力強化(業種横断的な取組み)
(4)地域産業の競争力強化(分野別取組み)
(5)地方都市における経済・生活圏の形成
(6)人口減少等を踏まえた既存ストックのマネジメント強化
4 地域金融機関との協業
(1)概要
(2)取組み
(3)事例
5 実績
6 地方創生における地方銀行に対する見解、課題
(1)金融庁と金融機関の関係
(2)事業性評価について
7.地域経済活性化支援機構(REVIC)
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生関連事業戦略
(1)事業戦略と地方銀行との連携
(2)地方銀行とのファンド業務を通じた積極的な協業
(3)位置づけ
3 主な取組み内容
(1)概要
(2)ファンドの組成
(3)専門家派遣業務
(4)再生支援業務
4 実績(2013年3月18日~2016年6月30日)
5 地方銀行の取組みに関する見解と同機構の関わり方
(1)ベンチャー企業支援の取組みについて
(2)事業性評価について
6 ファンドを活用した事例
7 今後の取組み
8 課題
8.農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
(3)設立経緯
2 地方創生関連事業戦略
(1)事業戦略
(2)A-FIVEのファンドを活用するメリット
3 取組み内容
(1)ファンドの組成
(2)6次産業化中央サポートセンター事業
4 実績
5 6次産業化推進に向けた取組みと農林漁業事業者の考え
(1)取組み
(2)農林漁業事業者の6次産業化に対する考え
6 ファンドを活用した事例
7 今後の取組み、課題
9.NTTデータ
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生関連事業戦略
3 主たる取組み内容
(1)概要
(2)インバウンドソリューション
(3)地方創生コミュニケーションのアイデアソン~ハッカソンまで
4 地方創生に関する自治体などからのニーズや引き合い状況
5 実績、目標
(1)インバウンドソリューション
(2)地方創生コミュニケーション
6 今後の取組み
(1)インバウンドソリューション
(2)地方創生コミュニケーション
7 地方創生における銀行との協業可能性
10.日本IBM
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生関連事業戦略
(1)事業戦略
(2)推進体制
3 取組み内容――イノベート・ハブ 九州
(1)概要
(2)開催の狙いや目的――なぜ九州だったのか
(3)仕組み
(4)期待されるビジネス形態
4 海外でのオープン・イノベーション事例
5 地方創生に関する自治体からのニーズや引き合い状況
6 今後の取組み――今回の取組みから見据える地方創生の未来
11.富士通
1 企業概要
(1)会社概要
(2)業績
2 地方創生関連事業戦略
(1)事業戦略
(2)推進体制
3 農業クラウドサービス「Akisai(秋彩)」の概要
(1)概況
(2)ターゲット顧客
(3)特色
(4)顧客ニーズ、トレンド
(5)実績、
(6)事例および事業モデルを横展開する上で重要な点
(7)拡販戦略
4 今後の取組み、課題
(1)今後の取組み
(2)課題
5 6次産業化の活性化に向けた取組み、見解
(1)課題と解決に向けた方向性
(2)5年後、10年後の農家の姿を見据えた自治体やJAとの関係強化?
6 金融機関の6次産業化への取組みに対する見解
(1)金融機関による農業への関わり方
(2)リレーションシップバンキングを実現している地方銀行との協業可能性
12.一般社団法人MAKOTO
1 企業概要
(1)会社概要
(2)社団法人の形態で設立した理由
2 地方創生関連事業戦略、狙い
3 主たる取組み
(1)概要
(2)福活ファンド
(3)クラウドファンディングの活用:チャレンジスター
4 今後の取組み
13.福岡市役所
1 企業概要
(1)会社概要
(2)福岡市の概要――住む/働く/遊ぶ
2 まち・ひと・しごと創生総合戦略――経済面を重点的に
(1)概要
(2)注力領域
3 地方創生戦略におけるスタートアップ支援の概要と優遇施策
4.スタートアップ支援に向けた具体的な取組み
(1)創業しやすい環境づくりの醸成――アントレプレナーシップ教育
(2)創業検討期の支援――スタートアップカフェ
(3)立上げ期の支援
5 今後の取組み
(1)特区を活用した外国人向け起業支援
(2)民間のインキュベーション施設への支援策も検討
(3)海外との連携強化によりスケールアップを狙う
6 課題など
(1)課題
(2)大規模なスポーツイベントが目白押し
14.小菅村役場
1 自治体の概要
2.小菅村の概要――住む/働く/遊ぶ
(1)住む:人口推移
(2)働く:事業所数(事業所数/従業員数)
(3)遊ぶ:観光客入込数
3 まち・ひと・しごと創生総合戦略――移住・定住を重点的に
(1)概要
(2)注力領域
(3)移住者の視点で村の良さや資産を見つけ出す
4 NPO法人と積極的に協業――NPO法人は「第二の村役場」
(1)NPO法人との協業
(2)役割分担
5 主たる取組み
(1)概要
(2)村内での起業向け無利子の支援金貸付制度
(3)小菅村×ランサーズ:新たな地域活性化モデルの確立めざす
(4)大学との協業:多摩川源流大学
(5)民間企業との協業:企業版ふるさと納税
6 今後の取組み、課題
7 地理的制約がある地域での地方創生に関する見解
第6章 第一地方銀行における取組み状況
第7章 地方創生加速化交付金の動向
第8章 ブランドデビット発行状況
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。