2019年版 自動車用樹脂市場の展望と戦略
自動車メーカー各社はCO2排出量削減(燃費向上)を達成するため、車体軽量化に取り組んでおり、その一手法として部品の樹脂化が進展している。
主要自動車メーカー、樹脂メーカー等へヒアリングを行うことで車載分野での現状の樹脂化動向の把握をワールドワイドで捉え、各部品での技術的課題や各社の改善に向けた取り組みを明らかにする。
調査資料詳細データ
調査対象:
(1)調査対象材料(PP、HDPE、ABS、PVC、PA6、PA66、PC、POM、PBT、変性PPE、PPS、PA11、PA12、PA6T、PA46.PA-MXD6、PA9T)
(2)調査対象企業(自動車メーカー、樹脂メーカー、研究開発機関等)
(3)調査対象範囲(ワールドワイド(本調査の市場規模は全て世界市場ベースでの算出である))
調査方法:直接面接取材をベースに文献調査を併用
調査期間:2019年6月~2019年9月
※エンプラメーカーの各社原稿は「2019年版 エンプラ市場の展望と戦略」の内容を再編集した。
自動車用樹脂世界市場に関する調査を実施(2019年)
2030年の自動車用樹脂世界販売量を1,396万8,000tに拡大を予測
~2018年から2030年までのCAGRは、汎用樹脂(PP、HDPE、PVC、ABS)が2.32%、汎用エンプラ(PA6、PA66、PC、POM、PBT、変性PPE)は3.48%を予測~
- 自動車分野における樹脂別の世界需要を2030年まで予測
- 自動車部位ごとに各樹脂の採用動向を分析
- 樹脂メーカー各社の事業展開を分析
- パワートレイン別の自動車生産台数を2030年まで予測
第1章:自動車用樹脂市場の展望
第2章:自動車用樹脂別の市場動向
第3章:自動車部位別の採用動向
第4章:樹脂メーカーの動向
調査結果のポイント
第1章:自動車用樹脂市場の展望
2018年の自動車用樹脂世界需要は前年並みで着地
2018-2030年のCAGRは汎用樹脂2.32%、汎用エンプラ3.48%を予測
(表)自動車用汎用樹脂・汎用エンプラの世界需要推移(2018年~2030年予測、重量)
(表)地域別自動車世界生産台数推移(2018年~2030年予測)
(表)パワートレイン別自動車世界生産台数推移(2018年~2030年予測)
(表)自動車用樹脂の需要予測(2018年→2030年、重量)
CASEで問われる樹脂メーカーの素材開発力と提案力
(表)主要OEMのCASE対応状況
(表)CASEで求められる樹脂の機能・物性例
マルチマテリアル化を見据えた要素技術の蓄積が新たな需要を誘発する
(表)自動車用樹脂 世界需要推移
第2章:自動車用樹脂別の市場動向
2-1.PP
2-1-1.需要動向
バックドアモジュール向けにガラス長繊維強化グレードの採用が拡大
(図)自動車用PPの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PPの世界需要推移(2018年~2030年予測、重量)
2-1-2.部位別の採用動向
(表)PPの主な採用部位と部位別の世界需要(2018年、重量)
2-1-3.メーカー動向
(図)自動車用PP市場のメーカーシェア(2018年、重量)
2-2.HDPE
2-2-1.需要動向
主力の燃料タンクは日本での樹脂化率が高まる
ICE・HEV等の市場拡大で世界需要は底堅く推移
(図)自動車用HDPEの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用HDPEの世界需要推移(2018年~2030年予測、重量)
2-2-2.部位別の採用動向
(表)HDPEの主な採用部位と部位別の世界需要(2018年、重量)
2-2-3.メーカー動向
2-3.ABS
2-3-1.需要動向
優れた二次加工性で車内空間の快適性を演出
内装材向けを中心にABSの世界需要は安定推移へ
(図)自動車用ABSの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用ABSの世界需要推移(2018年~2030年予測、重量)
2-3-2.部位別の採用動向
(表)ABSの主な採用部位と部位別の世界需要(2018年、重量)
2-3-3.メーカー動向
2-4.PA6、PA66
2-4-1.需要動向
ICEでPA6・PA66の使用率が上昇へ、EV・HEVでの用途開拓も進む
(図)自動車用PA6の世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PA66の世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PA6・PA66の世界需要推移(2018年~2030年予測、重量)
2-4-2.部位別の採用動向
(表)PA6・PA66の主な採用部位と部位別の世界需要(2018年、重量)
2-4-3.メーカー動向
(図)自動車用PA6・PA66市場のメーカーシェア(2018年、重量)
2-5.PC
2-5-1.需要動向
主力のヘッドランプレンズ向けは堅調推移
透明性を活かせるディスプレイ関連向けで活躍の場が広がる
(図)自動車用PCの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PCの世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-5-2.部位別の採用動向
(表)PCの主な採用部位と部位別世界需要(2018年、重量)
2-5-3.メーカー動向
(図)自動車用PC市場のメーカーシェア(2018年、重量)
2-6.POM
2-6-1.需要動向
燃料系部品やギア、クリップ・ファスナー向けが安定
低VOCグレードは中国での需要拡大に期待感が高まる
(図)自動車用POMの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用POMの世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-6-2.部位別の採用動向
(表)POMの主な採用部位と部位別世界需要(2018年、重量)
2-6-3.メーカー動向
(図)自動車用POM市場のメーカーシェア(2018年、重量)
2-7.PBT
2-7-1.需要動向
電装品向けが需要を牽引
耐トラッキング性グレードや異種材接合グレードの開発が進む
(図)自動車用PBTの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PBTの世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-7-2.部位別の採用動向
(表)PBTの主な採用部位と部位別世界需要(2018年、重量)
2-7-3.メーカー動向
(図)自動車用PBT市場のメーカーシェア(2018年、重量)
2-8.変性PPE
2-8-1.需要動向
外板向けが伸び悩むも、EV・HEV向けの電装品需要が拡大傾向
(図)自動車用変性PPEの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用変性PPEの世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-8-2.部位別の採用動向
(表)変性PPEの主な採用部位と部位別世界需要(2018年、重量)
2-8-3.メーカー動向
(図)自動車用変性PPE市場のメーカーシェア(2018年、重量)
2-9.PPS
2-9-1.需要動向
金属やフェノール樹脂、PA系材料からの代替と新規部品への導入が加速
(図)自動車用PPSの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PPSの世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-9-2.部位別の採用動向
(表)PPSの主な採用部位と部位別世界需要(2018年、重量)
2-9-3.メーカー動向
自動車用PPS市場 メーカーシェア(2018年・重量)
2-10.PA11、PA12
2-10-1.需要動向
燃料チューブ向けでは低溶出タイプの提案が活発化
冷却チューブ向けの需要も本格化へ
(図)自動車分野の世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PA11・PA12の世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-10-2.メーカー動向
2-11.PA6T
2-11-1.需要動向
自動車の冷却系部品で競争激化も、電装部品向けの需要を下支え
(図)自動車用PA6Tの世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PA6Tの世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-11-2.メーカー動向
2-12.PA46
2-12-1.需要動向
エンジンルーム内部品向けを中心に底堅く需要を取り込む
(図)自動車用PA46の世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PA46の世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-12-2.メーカー動向
2-13.PA-MXD6
2-13-1.需要動向
ドアミラーステイなど主力用途向けの需要が安定推移
(図)自動車用PA-MXD6の世界需要・地域別需要構成(2018年、重量)
(図)自動車用PA-MXD6の世界需要推移(2018年~2030年予測)
2-13-2.メーカー動向
第3章:自動車部位別の採用動向
3-1.世界の環境規制
(表)各国の自動車燃費規制(km/L 換算)
(図)各国の燃費規制値(乗用車)推移
(表)内燃機関車禁止に巡る各国の最近動向
3-2.車体軽量化に向けた素材利用の方向性
(表)素材利用の方向性
(図)マルチマテリアルの例
3-3.欧州における車体軽量化への取り組み
3-3-1.Open Hybrid Lab Factory
(図)ハイブリッドセンタートンネルの外観
(図)OHLFでのプロトタイプ製造風景
3-3-2.ARENA2036
(図)CFRP製フロアパネルモジュールに統合された機能
3-4.樹脂における部位別の需要動向
(表)部位別・樹脂別世界需要(2018年、重量)
(図)部位別需要構成(2018年、重量)
3-4-1.構造材
3-4-2.ボディ外板
(表)主なボディ外板の樹脂化率
(1)フェンダー
(2)ドア外板
(3)バックドア
3-4-3.外装
(表)主な外装部品の樹脂化率
(1)バンパー
(2)フロントグリル(ラジエーターグリル)
(3)ボディ周辺部
(4)タイヤ周辺部
(5)エアロパーツ
(6)腐食防止部品
(7)ドア周辺部
(8)光学系部品
・ヘッドランプ(レンズ、エクステンション、リフレクター)、リアランプ(レンズ)
・ライトガイド
(9)グレージング
(表)グレージング採用例
3-4-4.内装
(表)主な内装部品の樹脂化率
(1)インストルメントパネル
(2)光学系部品
(3)その他:クリップ・ファスナー
3-4-5.エンジンルーム内部品
(表)主なエンジンルーム内部品の樹脂化率
(1)吸気系
・ダクト関連(エアインレットダクト、エアクリーナーホース、ターボダクト)
・エアクリーナーケース
・スロットルボディ
・インテークマニホールド
・インタークーラータンク
(2)冷却系
・ラジエータータンク/ラジエータファン・ファンシュラウド
・ウォーターポンプ
・サーモスタットハウジング
・ウォーターアウトレットパイプ
(3)本体、動弁系、駆動系
・シリンダーヘッドカバー
・タイミングベルト/チェーン(テンショナー、ガイド)
・オイルパン
(表)樹脂製オイルパン採用実績一例
・オイルストレーナー
3-4-6.燃料系部品
(表)主な燃料系部品の樹脂化率
(1)燃料注入ライン系/供給ライン系
・フューエルフィラーキャップ
・フューエルフィラーパイプ
・燃料チューブ
・燃料フィルターハウジング
・フェーエルデリバリーパイプ
・フューエルインジェクター
(2)燃料貯蔵系
・燃料タンク
(図)樹脂製燃料タンクの構造
・燃料ポンプ
(3)その他(キャニスターケース)
3-4-7.電装品
(1)ワイヤーハーネス
(2)センサ
(3)ECU
(4)モーター
(5)HEV・EV用
・バッテリーケース
・インバーター/コンバーター
第4章:樹脂メーカーの動向
株式会社プライムポリマー(PP)
世界8極のコンパウンド拠点で継続的に増強を実施し
世界的な軽量化ニーズの拡大に対応
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
高付加価値分野への展開を加速させ
収益力向上による事業基盤のさらなる強化を図る
東レ株式会社
コンパウンド拠点やテクニカルセンターの現地化による
顧客密着型の事業展開を推進
ポリプラスチックス株式会社
各国規制や分野別要求特性を満たす製品を拡充し
エンプラ専業メーカーとしてのプレゼンスを確立
旭化成株式会社
自動車向けの新しいトレンドを取り込み
戦略的なM&Aと投資でシェアアップに繋げる
宇部興産株式会社
強みである食品包装フィルム分野をベースに自動車分野を開拓
LANXESS AG
Next Mobility(NeMo)の実現に向けた製品ソリューションを追求
帝人株式会社
PPS事業が本格始動、PC事業は高付加価値化を推進
出光興産株式会社
DRLなど自動車分野における安定的な需要を基盤に
5G通信向けの新たな需要を取り込んでいく
住化ポリカーボネート株式会社
中国での相次ぐ増強によるPC価格の二極化に備え
製品の高付加価値化を推進
DIC株式会社
現地完結型の販売・供給・技術サービス体制を構築し
グローバルリーダーとしての存在感を高める
ダイセル・エボニック株式会社
国内の技術拠点を活用し、ユーザーニーズの多様化・高度化に対応
ARKEMA S.A.
燃料チューブ向けが安定、射出用途への展開を探る
株式会社クラレ
自動車用途と販売地域の拡大により、ジェネスタ事業のさらなる成長を目指す
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