調査結果のポイント
第1章 車載用CFRP市場の展望
自動車メーカーは電動化戦略を強化
CFRPの適用は緩やかなスピードで進む
(図)主要自動車メーカーの電動化戦略
(図)主要自動車メーカーのCFRP採用動向
CASEから軽量化へのゲームチェンジを見据え
CFRPに関わる要素技術の確立が急がれる
第2章 車載用CFRP市場の動向
1.PAN系炭素繊維市場
(図)主要PAN系炭素繊維の性能と用途
中国企業を中心にPAN系炭素繊維の世界生産能力は拡大が続く
(図)主要PAN系炭素繊維メーカーの世界生産能力
(図)PAN系炭素繊維地域別生産能力シェア(RT)
(図)PAN系炭素繊維地域別生産能力シェア(LT)
(表)主要PAN系炭素繊維メーカーの世界生産体制
(表)中国における主要PAN系炭素繊維メーカーの生産体制
PAN系炭素繊維世界市場は2020年低迷も
2021年以降は2ケタ近い成長率で推移
(図・表)PAN系炭素繊維世界市場規模推移(2019~2025年予測、金額・重量)
(図・表)PAN系炭素繊維 需要分野別市場規模推移(2019~2025年予測、重量)
(図・表)PAN系炭素繊維 需要分野別市場規模推移(2019~2025年予測、金額)
(図)PAN系炭素繊維 需要分野別構成比(2019年→2025年予測、重量)
(図)PAN系炭素繊維 需要分野別構成比(2019年→2025年予測、金額)
(図・表)PAN系炭素繊維 自動車分野における地域別市場規模推移
(2019~2025年予測、重量)
(図・表)PAN系炭素繊維 自動車分野における地域別市場規模推移
(2019~2025年予測、金額)
2.車載用CFRP市場
(表)CFRTSとCFRTPの特性比較
(1)車載用CFRPの成形方法
LFT-Dやハイブリッド成形など構造部材へのCFRP適用を目指した研究開発が進む
(表)各種成形法の特徴
(2)車載用CFRPのコスト構造
新たな原料・製造プロセスの開発による炭素繊維の低コスト化に期待感が高まる
(図)炭素繊維製造工程イメージ図と製造コスト内訳
(図・表)CFRPにおける成形方別の製造コスト試算内訳(AC、HP-RTM、SMC)
(表)素材別の製造コスト試算(Steel、Al、Mag、CFRP)
(3)CFRPのリサイクル動向
リサイクル技術の研究は欧州・米国が先行
日本では炭素繊維メーカーを中心に循環システム構築に向けた動きが始動
(表)国内外のCFRPリサイクル事業化企業・研究機関一例
(表)廃CFRPのリサイクル方法の比較
(4)自動車を取り巻く燃費規制
EUを皮切りに燃費規制強化の動きがグローバルに進展
(表)欧州の燃費規制の概要
(表)中国の燃費規制の概要
(表)日本の燃費規制の概要
(表)米国のCO2排出基準及び同基準に相当する燃費基準
(表)米国 燃費規制 2025年目標達成に向けた具体的処置
(5)車体軽量化に向けた素材利用の方向性
(表)鉄からの素材置換の方向性
(図)車体のマルチマテリアルの例
(図)自動車ボディにおける材料使用比率の推移
(6)車載用CFRPの需要動向
車載用CFRPの世界市場は2020~2030年に重量7.48%、金額6.46%のCAGRで成長へ
(図・表)車載用CFRP世界市場規模推移(2019~2030年予測、重量・金額)
RTM成形品が需要を牽引、SMCをはじめとするプレス成形品の採用も拡大傾向
(図・表)車載用CFRP 成形法別市場規模推移(2019~2030年予測、重量)
(図・表)車載用CFRP 成形法別市場規模推移(2019~2030年予測、金額)
(図)車載用CFRP 採用部位の構成比変化(2020年→2025年予測→2030年予測、重量)
(図)車載用CFRP CFRTSとCFRTPの構成比変化
(2020年→2025年予測→2030年予測、重量)
エリア別では最大の需要地である欧州の存在感に変化は生じず
(図・表)車載用CFRP 地域別市場規模推移(2019~2030年予測、重量)
(図・表)地域別自動車生産台数推移(2019~2030年予測)
(図・表)地域別xEV生産台数推移(2019~2030年予測)
第3章 主要企業の動向
トヨタ自動車株式会社
超ハイテン材・アルミ・CFRPのマルチマテリアル化で
低コスト・軽量な車体開発を推進
新車CO2ゼロチャレンジを掲げ電動化戦略を強化
2025年に電動車の累計販売台数3,000万台以上を目指す
レクサスLFAで蓄積したCFRP関連技術を活用し
プリウスPHV、レクサスLCなど大量生産の一般車両にCFRPを適用
日産自動車株式会社
2050年のカーボンニュートラル実現を目指し
車体のマルチマテリアル化を推進
量産車へのCFRP部品適用を可能とする
新たな樹脂含浸シミュレーション技術を2020年9月に発表
2020年10月にはCFRTP/アルミの超軽量ボディサイドパネルが
Enlighten Award軽量化構想部門を受賞
本田技研工業株式会社
CFRPの要素技術を確立するも
人気車種のコンパクト化により採用は限定的
2050年のカーボンニュートラル実現に向け
脱エンジン・脱ハイブリッドに大きく舵を切る
FCVで炭素繊維・カーボンペーパーを採用
Volkswagen GROUP(Volkswagen、Audi、Lamborghini)
高級車を中心にアルミニウム、CFRPを採用
国プロを活用し量産車への複合素材の適用を目指す
環境ビジョン「goTOzero」のもと、2050年までにカーボンニュートラル達成へ
Audi A8の最新モデルではCFRP製リアパネルなどマルチマテリアル化を推進
VWはOHLFプロジェクトでハイブリッドセンタートンネルを開発
BMW AG
Vision iNextを具現化した「iX」でマルチマテリアル化が加速
全世界の新車販売台数の50%をEV化へ
2030年までにCO2排出量2億トンの削減を目指す
車体軽量化に向けCarbon coreはCarbon Cageに進化を遂げる
Mercedes-Benz AG
ARENA2036に参画し
未来の自動車軽量部材・生産システムの開発を推進
2039年までに全乗用車のカーボンニュートラル化を目指す
CFRPは軽量化+機能性付与に取り組む
General Motors Corporation
CFRTPの適用で先行
プルトリュージョンなど様々な成形法の活用を図る
2040年までのカーボンニュートラルを目標に掲げ
ライトビークルのゼロエミッション化を2035年に達成へ
帝人と共同開発したGMC Sierra の荷台をはじめ
Corvette C8のアンダートンネル、バンパービームなどにCFRPを採用
Ford Motor Company
アルミを積極採用も継続的にCFRPの研究開発を実施
2050年のカーボンニュートラル達成に向け電動化戦略を強化
Ford GTをはじめとするスーパーカー・高級車を中心にCFRPを適用
東レ株式会社
自動車用途のサプライチェーン拡充と技術開発を推進
成長ドライバーとして自動車分野ではFCV向け水素タンク・電極基材を掲げる
2020年に新たな産業用高弾性率炭素繊維の開発に成功
射出成形用ペレットなどに応用し、早期の事業化を目指す
三菱ケミカル株式会社
PCM、CF-SMCを主軸に据え
モビリティ分野でのCFRP事業のさらなる拡大に取り組む
大型プレス機の新設などC.P.C.への投資を拡大
プリプレグではc-m-pの買収で日米欧3極のグローバル供給体制を整備
プリウスPHVのバックドア骨格を皮切りにCF-SMCの採用が相次ぐ
2021年にはCFRTPのパイロット設備が稼働予定
ドイツ企業の買収により日欧で炭素繊維のリサイクルチェーン確立へ
帝人株式会社
トータルソリューションプロバイダーとして
自動車軽量化への貢献を図る
デザイン・設計、プロトタイピングなどの機能を担うテクニカルセンターを欧州に開設
熱硬化はPvP、熱可塑はSereeboの両輪でCFRPの用途展開を推進
名古屋大学ナショナルコンポジットセンター/名古屋大学
複合材料の世界的な研究開発拠点として
自動車分野へのCFRPの応用展開を推し進める
2017年に熱可塑性CFRP製自動車用シャシーの作製に成功
その後も混練プロセスの解明などを進め、LFT-D成形は実用化レベルに到達へ
FCV用水素貯蔵タンク向けをターゲットとした
低コスト・高性能炭素繊維の研究開発がスタート
株式会社タカギセイコー
独自のCFRTP量産技術を進化させ、自動車分野での適用領域拡大を目指す
連続繊維、ランダムマット、短繊維を最適配置する
TS高速スタンピング成形システムの普及に取り組む
CFRTP/発泡、CFRTP/CFRPなど様々な成形法の開発を推進
三光合成株式会社
製品設計から金型、成形加工までの一貫体制を活かし
CFRPの新たな可能性を見出す場を提供
金型技術を応用し、成形時間の短縮につながるCFRTP向けプレス成形法を開発
熱硬化性CFRPでは軽量高外観・低コストの複合シートの試作に成功