2021年版 ポリエチレン市場の徹底分析
本調査レポートでは、ポリエチレンメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査するとともに、各種ポリエチレンの樹脂別、需要分野別等の需要動向を明らかにした。
調査資料詳細データ
調査概要
調査結果サマリー
資料ポイント
調査目的:国内ポリエチレンメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査するとともに、用途別需要動向や生産設備動向等を明らかにする。
調査対象:HDPE、LDPE、EVA、エチレン系コポリマー、L-LDPE、V-LDPE、プラストマー
調査方法:専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用した。
調査期間:2021年4月~2021年7月
ポリエチレン市場に関する調査を実施(2021年)
2021年のポリエチレン国内出荷量は前年比101%の236万7,000トンの見込
~メーカー各社はバイオマス化やリサイクルとともに、高機能PE開発を推進~
触媒、重合プロセス、ポリマー設計に立脚した高機能PEの開発によりトップエンドの領域拡張を目指せ!
- 成形加工性と衝撃強度の両立が求められてきたL-LDPE、住友化学EPPEに続き、JPE「シンフォテック™」、プライムポリマー「エボリュー®E」が上市
JPEではメタロセン系HDPE「ハイフォテック™」も投入 - MDP「ハイミラン®」スキンパック包装、ENEOS NUC・HVDCケーブル向けで市場開拓
- 日本では2021年度3Qから4Qに三井化学が初となるバイオマスナフサを活用
ダウ・ケミカルはC8L-LDPE「ELITE™」でバイオマスグレードを展開 - マテリアルリサイクルは親会社含め各PEメーカーが水面下で模索樹脂メーカーならではの知見を活かし水平リサイクルの実現を!
- 三菱ケミカル・ENEOSのケミカルリサイクルが2023年スタートケミカルリサイクルは三井化学、住友化学も事業化を検討
「リサイクルこそ価値」という世代をターゲットにした最終製品の価格戦略も重要
リサーチ内容
調査結果のポイント
第1章 ポリエチレン市場の展望
グリーン成長戦略やプラスチック資源循環促進法など、プラスチック業界は変革期に突入
ダウ・ケミカルはC8L-LDPE「ELITE™」でバイオマスグレードを展開
日本では三井化学が初となるバイオマスナフサの活用やバイオPPの事業化を推進
樹脂メーカーにしか出来ないマテリアルリサイクルで水平リサイクルの実現を!
繰り返しリサイクルを可能にするグレード開発も課題
(表)大手化学メーカーにおけるリサイクル取り組み概況
三菱ケミカル・ENEOSのケミカルリサイクルが2023年スタート
「リサイクルこそ価値」という世代をターゲットにした最終製品の価格戦略も重要に
触媒、重合プロセス、ポリマー設計に立脚した高機能PEの開発により
トップエンドの領域拡張を目指せ!
第2章 種類別ポリエチレン市場の動向
1.HDPE市場
2020年の国内HDPE市場は前年比94.2%、新型コロナに加えてレジ袋有料化が直撃
(図・表)HDPE需要分野別市場規模推移
国内HDPE生産能力は2018年より105.6万t/年へ
(表)HDPEメーカー各社のプラント体制
JPEの新ブランド・メタロセン系HDPE「ハイフォテック™」は小型ボトルに採用
プライムポリマー「エボリュー®H」など薄肉・軽量化に向けた提案活動が活発化
(表)HDPEメーカー別総出荷量・シェア推移
(表)HDPEメーカー別国内販売量・シェア推移
フィルム用HDPE市場は12万tにまで縮小
輸入PEと競合しにくい光学用プロテクトフィルム向けでの展開へシフト
(表)HDPEメーカー別フィルム・シェア推移
(表)【2016~2020年 ポリオレフィンフィルムの年別出荷状況】
ブロー向けでは繰り返しリサイクルが可能な耐久性向上に対する研究開発が進む
(表)HDPEメーカー別中空成形・シェア推移
アセプボトルが全体の8割を占めるPETボトル用キャップはHDPEがスタンダードに
(表)HDPEメーカー別射出成形・シェア推移
2020年のパイプ向けは建設需要の低迷により前年割れ、2021年も状況によってはマイナス推移
(表)HDPEメーカー別パイプ・シェア推移
繊維向けは糸が細くなるほどにクリーン度が求められるため国内PEが依然主体
(表)HDPEメーカー別繊維・シェア推移
(図)HDPEメーカー別総出荷量・シェア推移
(図)HDPEメーカー別国内販売量・シェア推移
(図)HDPEメーカー別フィルム・シェア推移
(図)HDPEメーカー別中空成形・シェア推移
(図)HDPEメーカー別射出成形・シェア推移
(図)HDPEメーカー別パイプ・シェア推移
(図)HDPEメーカー別繊維・シェア推移
(表)メーカー各社のHDPE用途別販売動向(2019年)
(表)メーカー各社のHDPE用途別販売動向(2020年)
(表)メーカー各社のHDPE用途別販売動向(2021年見込み)
(表)メーカー各社のHDPE用途別販売動向(2022年予測)
(表)高密度ポリエチレン輸出推移(2017年~2020年)※前年比
(表)高密度ポリエチレン輸出推移(2017年~2020年)※構成比
(表)高密度ポリエチレン輸入推移(2017年~2020年)※前年比
(表)高密度ポリエチレン輸入推移(2017年~2020年)※構成比
2.LDPE市場
2021年5月にJPE鹿島チューブラーライン停止により、国内能力は121.7万t/年へ
(図・表)LDPE需要分野別市場規模推移
(表)LDPEメーカー各社のプラント体制
LDPE市場はフィルム中心に緩やかな縮小傾向が続く
(表)LDPEメーカー別総出荷量・シェア推移
(表)LDPEメーカー別国内販売量・シェア推移
フィルム向けはシュリンク、マスキング、プロテクト用途に各社注力
(表)LDPEメーカー別フィルム・シェア推移
加工紙向けは低臭・低異味性に加え薄膜化ニーズも増加
(表)LDPEメーカー別加工紙・シェア推移
ENEOS NUCが電線被覆向けコンパウンドで積極的な設備投資を推進
拡大続く光ファイバーでは高密度化が進展、PEには機械強度向上の要望も
(表)LDPEメーカー別電線被覆・シェア推移
(図)LDPEメーカー別総出荷量・シェア推移
(図)LDPEメーカー別国内販売量・シェア推移
(図)LDPEメーカー別フィルム・シェア推移
(図)LDPEメーカー別加工紙・シェア推移
(図)LDPEメーカー別電線被覆・シェア推移
(表)メーカー各社のLDPE用途別販売動向(2019年)
(表)メーカー各社のLDPE用途別販売動向(2020年)
(表)メーカー各社のLDPE用途別販売動向(2021年見込み)
(表)メーカー各社のLDPE用途別販売動向(2022年予測)
(表)低密度ポリエチレン輸出推移(2017年~2020年)※前年比
(表)低密度ポリエチレン輸出推移(2017年~2020年)※構成比
(表)低密度ポリエチレン輸入推移(2017年~2020年)※前年比
(表)低密度ポリエチレン輸入推移(2017年~2020年)※構成比
3.EVA、エチレン系コポリマー市場
2021年5月にJPEがEVA生産を終了、年内までは在庫販売を継続
(図・表)EVA需要分野別市場規模推移
(表)EVA、エチレン系コポリマープラント体制
中国で太陽電池バブル、封止材向けの輸出対応に積極化する向きもあれば静観するメーカーも
(表)EVAメーカー別総出荷量・シェア推移
(表)EVAメーカー別国内販売量・シェア推移
L-LDPEへの需要シフトが続くものの、フィルム向けでは低温ヒートシール性から根強い需要
自動車用電線向けでは低比重かつ柔軟性が評価され、厳しい引き回し部分に採用
(表)EVAメーカー別フィルム・シート・シェア推移
その他エチレン系コポリマーは安定した需要推移が続く
(図)EVAメーカー別総出荷量・シェア推移
(図)EVAメーカー別国内販売量・シェア推移
(図)EVAメーカー別フィルム・シート・シェア推移
(表)メーカー各社のEVA用途別販売動向(2019年)
(表)メーカー各社のEVA用途別販売動向(2020年)
(表)メーカー各社のEVA用途別販売動向(2021年見込み)
(表)メーカー各社のEVA用途別販売動向(2022年予測)
(表)EVA輸出推移(2017年~2020年)※前年比
(表)EVA輸出推移(2017年~2020年)※構成比
(表)EVA輸入推移(2017年~2020年)※前年比
(表)EVA輸入推移(2017年~2020年)※構成比
4.L-LDPE市場
フィルムで使用されるシェールガス由来のPEは全体では数%にとどまるも
輸入量が増加傾向という見方もあり今後の動向に注目
(図・表)L-LDPE需要分野別市場規模推移
L-LDPE生産能力は97.8万t/年、2015年以降は増減なし
(表)L-LDPEメーカー各社のプラント体制
プライムポリマー、JPE、住友化学でシェア80%を超える一方
ダウ・ケミカル日本はHAO-L-LDPE中心にシェア拡大を図る
(表)L-LDPEメーカー別総出荷量・シェア推移
(表)L-LDPEメーカー別国内販売量・シェア推移
(表)HAO-L-LDPE 主な製品一覧
成形加工性と衝撃強度の両立が求められてきたL-LDPE
住友化学EPPEに続き、JPE「シンフォテック™」、プライムポリマー「エボリュー®E」が上市
貼合フィルム向けでは薄肉化・リサイクル性向上やPP代替となるレンジアップ対応が課題に
(表)L-LDPEメーカー別貼合フィルム・シェア推移
一般フィルム向けではC4及びC6L-LDPEからの代替に向けて
JPE「シンフォテック™」が全方位で展開
(表)L-LDPEメーカー別一般フィルム・シェア推移
加工紙向けは液体小袋向けなどで各社研究開発に注力
(表)L-LDPEメーカー別加工紙・シェア推移
(図)L-LDPEメーカー別総出荷量・シェア推移
(図)L-LDPEメーカー別国内販売量・シェア推移
(図)L-LDPEメーカー別貼合フィルム・シェア推移
(図)L-LDPEメーカー別一般フィルム・シェア推移
(図)L-LDPEメーカー別加工紙・シェア推移
(表)メーカー各社のL-LDPE用途別販売動向(2019年)
(表)メーカー各社のL-LDPE用途別販売動向(2020年)
(表)メーカー各社のL-LDPE用途別販売動向(2021年見込み)
(表)メーカー各社のL-LDPE用途別販売動向(2022年予測)
5.V-LDPE、プラストマー市場
JPE「カーネル™」はフル稼働、設備増強も検討
(表)メーカー各社のV-LDPE、プラストマーの主なラインナップ
(図)各社のV-LDPE・プラストマーの密度領域
第3章 ポリエチレンメーカーの動向と戦略
日本ポリエチレン株式会社
製品の開発力に加えて、循環経済の取り組みでも国内市場を牽引
JPEが取り扱うバイオマスPEが食器用洗剤の詰め替え容器に採用
クロム系触媒の強みを活かし、PFTやクリーングレードの圧倒的なシェアをさらに拡大
メタロセン系HDPE「ハイフォテック™/ HIFORTEC™」の上市により、ブロー中心に需要開拓へ
フィルムや加工紙では築き上げたシェアのさらなる拡大に向けた開発に着手
射出成形やブロー成型では一定の需要に対して安定供給を継続
EVAの生産終了により、2021年5月以降は在庫販売へ切り替える
エチレン系特殊コポリマーは改質剤中心に販売量が安定推移
強度及び成形性を両立した「シンフォテック™/ SYMPHOTEC™」は2021年度内の量産へ
C4、C6に加えて「ハーモレックス」や「カーネル」のラインナップでニーズを取り込む
株式会社プライムポリマー
「エボリュー®」のシェア拡大に加えて、環境対応に向けた取り組みにも注力
バイオマス原料やリサイクルなど親会社と足並みを揃えて環境対応を推進
PETボトルキャップでは環境対応グレードの開発を目指す
HDPEの展開においては「ハイゼックス®」と「エボリュー®H」の拡販に注力
「エボリュー®E」は2023年の市場投入を目指す
環境問題から紙容器の採用が増加、これに伴い押出ラミネートにも追い風
「エボリュー®」を中心に「ウルトゼックス®」「ネオゼックス®」を展開
住友化学株式会社
海外拠点ではスケールメリットを活かした事業運営を行う
国内では高い品質供給に応える差別化製品の展開を強化
ケミカルリサイクル、マテリアルリサイクルの両面から循環経済の実現に向けた取り組みを実施
2025年にごみ由来のエタノールを原料としたポリオレフィンの上市を目指す
TPCはLDPEの食品包材向けのほか、EVAで太陽電池封止材向けの拡販に注力
ペトロ・ラービグ社では第一期の経験を活かして第二期の安定稼働に繋げる
EPPEの販売量は安定推移、加工性と強度のバランスがユーザーから評価
加工紙では低臭等の品質要求に応え、国内メーカーとしての優位性の維持拡大へ
EVAの販売量は低位推移が続く
株式会社ENEOS NUC
高電圧化する電力ケーブルに合致した製品開発を推進
ENEOS中計で「電線絶縁材(超高圧、高圧特殊電線用途)」が技術優位性のある製品に位置付け
HVDCケーブル向けでは特殊な絶縁性能により各種方式・許容温度帯をすべてカバー
2030年にアジアにおけるHVDCケーブル向けでシェア50%の確立を目指す
通信ネットワークの大容量化に伴い光ファイバー向けの需要が好調に拡大
超多心化する光ファイバー向けの開発にも注力
電線被覆向けに加え、フィルム等の全方位で積極的な拡販へ
マテリアルリサイクル体制のスキーム構築を検討
東ソー株式会社
「クリーン性」「機能性」「環境性」をキーワードに
ユーザーとともに付加価値の高い製品開発を推進
2019年にポリマー研究開発を集約した新研究棟が竣工、各種ポリマーのシナジー創出へ
HDPEの中空用途は半導体洗浄薬液用などのクリーン容器向けに好調に推移
今後もユーザーに価値を評価される用途開拓を推進
LDPE加工紙向け販売量は今後も安定的な推移を見込む
EVAは2018年で国内太陽電池封止材向けの販売がほとんど終了
現在は高VA品の輸出が増加基調
PETやPA等の繰り返しリサイクル性に優れる樹脂改質剤「メルセン®S」
材としての販売のほか、ユーザー価値を最大化する仕組み作りを検討
9種9層の大型インフレ設備を活かし、ユーザーと一体となった開発を推進
超高分子量PE「デカミレン」は摺動材や電池セパレーター等に展開し
2021年度中の採用目指す
旭化成株式会社
多様なニーズに応える生産体制を基盤に、
収益性向上に向けて最適なプロダクトミックスを模索
既存ユーザーとともに市場トレンドに対応した用途開拓を推進
AMECからのエチレン調達を見極めながらPE生産体制を最適化
添加剤フリーの「クレオレックス™」は光学用プロテクトフィルム向けの拡販に注力
HDPEは採算性の観点から縮小均衡へ
LDPEのうち採算性の確保が難しい用途よりもEVA拡販に注力
京葉ポリエチレン株式会社
生活に密着したニーズを拾いながらユーザーの開拓を推進
事業の状況に関わらず、必要な保全補修は今後も継続実施
2021年の販売量はフィルム向けが前年減少の反動で回復する一方、
ブロー向けが好調に拡大 落下衝撃特性を強化した「B5302」が農薬容器などに採用
フラットヤーン・モノフィラメントなどの高シェア用途への拡販を推進
三井・ダウ ポリケミカル株式会社
他社では出来ないユーザーニーズに対応し、付加価値の高い製品開発を推進
2019年の商号変更後もスペシャリティ製品を中心とした顧客に役立つ基本方針は継続
「ハイミラン®」はスキンパック包装向けで大手流通からフードロス削減等で評価
フィルムメーカー、加工機メーカー、流通とともに食品包装の変革を推進
EVAの国内需要は安定、輸出は太陽電池封止材向けに増加
「ニュクレル*」は食品包材向け販売が堅調に推移
「CMPS®」は半導体需要とともに増加傾向、今後も精力的に高付加価値展開を推進
ダウ・ケミカル日本株式会社
植物由来、モノマテリアル、再生樹脂使用など
環境対応グレードを積極的に投入
ワールドワイドで1,000万t/年強のPE製品生産能力を保有
米・テキサス州のシェールガス由来エチレンプラントでは200万t/年に能力増強
製法、触媒、密度など多種多様なラインナップと、日本市場向け専用グレードの開発で
国内ユーザーのハイレベルなニーズに対応
産業包装、食品包装、衛生材料など、主力用途のニーズに最適なグレードを提案
二軸延伸PE、バイオPE、再生樹脂使用グレードなどの開発に加え
北米における包材の店頭回収~リサイクルシステムなど環境を意識した事業展開を進める
各種スペシャリティ製品の提案を通じて
主力グレードでは対応の難しいニーズを取り込む
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。
この資料を見た人は、こんな資料も見ています
資料コード
資 料 名
C63107700
C63108900
C63104500
C63102300
C63118500