2022年版 車載ディスプレイ部材市場の展望と戦略

車載ディスプレイは多機能化、大型化の傾向にあり、コックピットのデザイン変化に伴い曲面・異形形状の前面板の搭載状況や将来動向等が注目されている。また、前面板とディスプレイを貼合する透明光学充填剤(OCA・OCR)や映りこみ防止と低反射等の表面処理技術、操作ユーザーインターフェースであるタッチパネル等の車載ディスプレイ関連部材についても注目度が高まっている。
本レポートでは、ディスプレイの多機能化、大型化、曲面化や操作方法の変化に伴う車載ディスプレイ関連部材の需要及び技術・開発の動向を明らかにする。

発刊日
2022/10/31
体裁
A4 / 148頁
資料コード
C64115000
PDFサイズ
20.5MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:車載ディスプレイ関連部材メーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、車載ディスプレイ部材関連市場における現状と将来展望の把握を目的とする。
調査対象:前面板(ガラスカバー、樹脂カバー、成形品)、加飾フィルム(インサートモールド用)、車載用ディスプレイ用反射防止フィルム、OCA・OCR、タッチパネル
調査方法:弊社専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用。
調査期間:2022年8月~2022年10月

調査結果サマリー
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車載ディスプレイ部材世界市場に関する調査を実施(2022年)
車載ディスプレイの堅調な成長と歩調を合わせ、車載ディスプレイ部材世界出荷数量は前年比プラス成長が続くと予測
大型化、曲面化、フレキシブル化など、ディスプレイの進化に対応する技術と新たな需要を掘り起こす開発・提案力を磨け!

資料ポイント
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前回版との違い:第2章-3・車載用機能性フィルムの章にて車載ディスプレイカバー用反射防止フィルムの市場規模とメーカーシェアを掲載

リサーチ内容

調査結果のポイント

第1章:車載ディスプレイ部材市場の展望と戦略

ディスプレイの進化・変化を「支える」存在から
ユーザーと共に新市場を「掘り起こす」攻めの姿勢への転換を!
コロナ後の自動車生産台数回復はスローペース
OEM各社のコックピット周辺の開発姿勢は以前より慎重になる傾向に
(図・表)自動車生産台数推移
(図)自動車生産台数と車載ディスプレイの対前年成長率動向
(図)自動車生産台数と車載ディスプレイ部材の対対前年成長率動向
EV化と自動運転のレベルアップがディスプレイの曲面化・フレキシブル化を牽引
JDIのスイッチャブルプライバシー技術など統合コックピットの安全性向上に向けた開発進展
ディスプレイの進化に対応する技術と新たな需要を掘り起こす開発・提案力を磨け!

第2章:車載ディスプレイ部材市場の動向

1. 車載ディスプレイ前面板市場
  日系OEMのガラスシフトとOLEDの平面化で前面板市場のガラス採用率は70%以上に
  樹脂前面板では射出成形品の比率が徐々に拡大
  (図・表)車載用前面板市場規模(枚数ベース)
  (図)樹脂前面板シート : 成形品の構成比
  ガラスカバーは日系OEMによる樹脂カバーからのシフトとディスプレイの大型化で
  2021年以降は年間2ケタの高成長が続く
  (表)車載ディスプレイ及びTP用ガラスカバータイプ別市場規模推移
  (図)CID(純正品)サイズ別構成比
  (図)クラスターサイズ別構成比
  (図)車載ディスプレイ用カバーガラスタイプ別市場規模推移
  (表)車載ディスプレイ及びTP用ガラスカバーの製造プロセス別メーカー一覧表
  前面板用樹脂シートは3D、異形、スモークなどガラスでの対応に限界がある用途を中心に
  70万㎡/年前後の需要量を確保
  (表)車載ディスプレイ及びTP用樹脂カバーの製造プロセス別メーカー一覧表
  (表)車載ディスプレイ及びTP用樹脂シート
  (AR、AG、AFR等HC加工済) メーカー別出荷量推移
  樹脂成形カバーは曲面、異形などガラスカバーでの対応が難しい領域での拡大に期待
  (図)射出成形樹脂カバー 市場規模推移
  (表)車載用成形品(カーナビなどの電装品向け)メーカー一覧
  (表)車載用カバー価格比較(2022年10月時点)
2. 車載用OCA・OCR市場
  車載ディスプレイの大画面化とマルチディスプレイの増加による接着面積の拡大で
  剥離や気泡混入リスクの少ない液状OCRの需要が急成長
  (表)車載OCA市場規模推移
  (表)車載OCR市場規模推移
  (表)車載用静電容量TPの採用部位別厚みと課題
  耐寒耐熱性、耐振動性が高く低熱収縮、高精細対応の
  シリコーン系OCA・OCRが拡大トレンドに
  (表)車載ディスプレイ用OCA、OCRメーカー一覧
  曲面/曲面の貼り合わせに対応する製品開発が進展
  (表)CoverとTP、LCD(LCM)貼り合わせプロセスの主体メーカー一覧
3. 車載用機能性フィルム市場
  ① 電装部品用In Mold Forming(インモールド貼合)加飾フィルム
  アンビエントライト、ステルススイッチなど光を利用した加飾の拡大で
  デコレーション用/電装用の境界がなくなる傾向に
  (図)自動車内装加飾用IMFフィルム構成図
  車載電装品搭載拡大に加え、光透過型インテリアの普及を追い風に成長
  (図・表)自動車内装用IMF加飾フィルム市場規模推移
  (図・表)自動車内装用IMF加飾フィルム(電装部品向け) 主要メーカー別販売量推移
  射出成形プロセスで加飾と電装化を同時に行うIMEの採用が始まる
  (表)車載用加飾フィルム 主要メーカーサプライチェーン
  ② 反射防止フィルム
  ディスプレイの大型化とマルチディスプレイの拡大によるシェードレス化で
  反射防止フィルム需要が急拡大、2022年の採用率はカバー全体の約40%に達する
  (図)車載ディスプレイカバー用反射防止フィルム 市場規模推移
  (表)ディスプレイカバーの反射防止フィルム使用率
  スパッタによる高い反射防止機能に加え、ピアノブラック対応、高耐久防汚コートなど
  高付加価値グレードを有するデクセリアルズがトップシェアを確保
  (図)車載ディスプレイカバー用反射防止フィルム メーカーシェア
  (2021年~2023年予測)
  (図)デクセリアルズ 反射防止フィルム「AR100-T062V-BD」の構造
  (図)反射防止フィルムの防汚層
  (表)パナソニックインダストリー 反射防止フィルム特性表
  マルチディスプレイのリワークに対応するモスアイフィルムの提案も進む
4. 車載タッチパネル市場
  2021年は後半に半導体不足の影響を受けるも自動車生産台数拡大で通年では前年比2ケタ成長
  2022年以降は世界的な消費不振とCIDの標準搭載化で成長率鈍化が予想される
  (図・表)車載TP市場規模推移
  (図・表)車載TP方式別市場規模推移
  静電容量TPではインセル化の流れ止まらず、サイズを問わず採用が進展
  インセル化率は2023年に50%、2024年には62%に達すると予測される
  (図・表)車載用静電容量TPタイプ
  (Glass Sensor/Film Sensor/In・On-Cell)別市場規模推移
  (図・表)車載用静電容量TP構造別市場規模予測
  (図)車載用静電容量TPにおけるアウトセル:インセルの構成比
  (図)タッチ機能内蔵ディスプレイ(車載用)構造
  マルチディスプレイではアウトセルの採用が中心、ボリュームゾーンの10″サイズが主力に
  ガラスセンサーは薄型で異形対応が用意なG2が全体の80%弱を占める
  (表)車載用抵抗膜方式/静電容量方式TP各種構造
  フィルムセンサーでは高精細で曲面対応しやすいOLEDとの組み合わせでの需要に期待
  静電容量TPと物理スイッチを一体化したノブ付きセンサーのリリースが活発化
  インセルが対応できない構造で操作の確実性・安全性向上をアピール
  「タッチパネル」から離れた製品の開発・提案も進展

第3章:車載ディスプレイ部材メーカーの展望と戦略

三菱ガス化学株式会社
  CID、クラスターなど電装品カバー向けに止まらず
  内装部品、外装パーツなど新たな領域での需要拡大に期待
  ディスプレイカバー用「ユーピロン・シート」は高位相差で虹ムラの無い視認性に強み
  ガラスカバーが対応しにくいサイズ・形状での引き合いが増加
  成形同時加飾向け「MRフィルム」はアフターキュアハードコートグレードを新たに投入
  4Hの高硬度と成形自由度の高さからドアパネルなどにも提案を広げる
 
名阪真空工業株式会社(MSK)
  樹脂カバー向けプラスチックシート、反射防止・飛散防止フィルムを揃え
  ディスプレイカバーの材料変化に対応
  樹脂カバー用シートは大手OEMのガラス採用の影響で2022年以降は縮小傾向に
  ガラスカバー向け反射防止・飛散防止フィルムはコンスタントに20万㎡強の需要を確保
  ミドルクラス車種向けでシェアを押さえる
 
住化アクリル販売株式会社
  高機能フィルム・シート「テクノロイ」を自動車加飾フィルム原反で展開
  デコレーション向けにはPMMA、電装品向けにはPC、PC/PMMAと
  ニーズに合わせたグレードを提案
 
マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズ・ジャパン株式会社
  独自の技術サポートプログラム「XMAPP」、加飾+機能を一体化した
  IME(In Mold Electronics)など、ユーザーへの貢献で差別化
  FIM加飾フィルム「XtraForm」は用途、形状に最適な基材とハードコート層の組合せを提案
  図面解析から設備、作業環境などプロセス全体での問題点を抽出し改善を図る
  独自の技術サポートプログラムXMAPPが国内外のOEMから高く評価される
  射出成形部品にセンサーやLEDを組み込み、加飾と機能を一体化したIME
  成形部品の薄型・軽量化と工程省力化で部品メーカーのScope3対応にも寄与
 
吉田テクノワークス株式会社
  インモールド成形技術を活かした車載電装品のデザイン性向上や
  生産コスト削減に貢献
  ガラスカバーを樹脂ベゼルと一体成形するガラスインサートインモールドや
  デザイン自由度の高いIMEなど、独自技術を活かした新たな提案を推進
 
旭化成ワッカーシリコーン株式会社
  顧客の生産プロセスを短縮し、設備、技術の負担につながる
  グレードの開発・提案が評価され実績を拡大
  ダム材不要でスリットコート対応の高粘度グレードや1液タイプなどの需要が拡大
  高い追随性を有し樹脂カバーとディスプレイの接着に適したLUMISIL®FLEXシリーズは
  曲面化ニーズの中で実績を拡大
  曲面同士の貼り合せニーズに応えるOCAのサンプルワーク進展
  OCRをメインとしつつOCAをラインナップしニーズの取りこぼしを防ぐ
 
東山フイルム株式会社
  日油の機能性フィルム事業を承継し反射防止フィルムのラインナップを拡充
  ガラスカバーの大型・曲面化とマルチディスプレイ化による
  飛散防止・反射防止フィルムの需要拡大に期待
  成形加飾フィルムではプレキュア型とアフターキュア型をラインナップ
  硬度、光学性能など多様なニーズに対応した製品の開発・提案を推進
  フィルム加工からインサート成形までの各プロセスをサポートするオープンラボを開設
  素材・成形に関わるメーカー同士の協業によるスピーディーな製品開発を目指す
 
三菱ケミカル株式会社
  モスアイ構造を持つ反射防止フィルム「モスマイト™」
  車載ディスプレイの他、飛沫感染防止板などでの採用も進む
  ガラスや樹脂の表面反射を4~5%から0.1~0.3%まで大幅に低減
  ディスプレイ、サイネージ、額装などで光の反射の無いカバーを実現
  車載向けでは高い反射防止効果に加え、エアギャップ構造によるリワーク対応
  結露防止による防曇効果などが高く評価され国内外で採用実績を伸ばす
 
パナソニックインダストリー株式会社
  TPとノブを組み合わせたMagic Knob®、低抵抗・高透明な透明導電フィルム等
  高付加価値な開発品で新たな市場開拓を推進
  2022年4月に旧インダストリー社が独立、成長性・収益性の高いコア事業への集中で
  2030年度に売上高1.8兆円、営業利益率15%以上の達成を目指す
  従来からラインナップするGFF、PFFは急速なインセル化の影響を受け縮小傾向に
  静電容量式ノブMagic Knob®はデザイン自由度を高めたMPMKタイプを投入
  基材に溝を形成し2μmの超微細配線を実現した透明導電フィルムはTP以外の用途開発も推進
 
ホシデン株式会社
  マルチディスプレイ向けの大画面ツイストカバーガラス付きCTPや
  ダイヤル入力との組み合わせなど、インセルが対応できない領域に注力
  2022年よりディスプレイとカバーのオプティカルボンディングサービスを
  本格的に開始しインセル化の波に対抗
  インセルパネルメーカーによるOEMへの直販化で2022年以降のTP需要は大幅縮小を予測
  アウトセルはマルチディスプレイのCID向け中心の展開に
  主力のG2、GGに加えOGSがミドルエンド車種を中心に一定のボリュームを確保
  タッチセンサーにダイヤルによる物理的入力を組み合わせた
  デバイス・キャプチャー・タッチパネルを開発、車載、FA、民生向けにサンプルワークを推進
 
NISSHA株式会社
  内外装フィルム加飾、フィルムタッチセンサー、加飾×機能モジュール等
  モビリティ市場での成長につながる製品群での展開に注力
  トップシェアを維持する内装加飾に加え、外装パーツ向け加飾フィルムの開発も推進
  塗装代替によるCO2排出削減など、OEM、Tier1のカーボンニュートラルに貢献
  高透明COPベースのF2センサーは大画面・曲面・高精細のハイエンド車種で強みを発揮
  大型・シームレス・3Dの次世代樹脂カバーの開発も推進
  加飾成形とセンサー・ヒーター・ライティングなどの機能を組み合わせた
  次世代の機能モジュールの開発に取り組む

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