2023年版 ポリプロピレン市場の徹底分析
国内ポリプロピレンメーカーの動向および今後の事業施策を徹底調査するとともに、用途別需要動向や生産設備動向等を明らかにする。
また、近年では企業や消費者の中でも環境意識が着実に高まっており、国内ポリプロピレンメーカーにおいてもバイオマス原料やリサイクル原料を使用した環境対応製品のラインナップやリサイクル等への取り組みが重要視されるようになっていることから、環境関連の取り組みにも注目した。
調査資料詳細データ
調査概要
調査結果サマリー
資料ポイント
調査目的:国内ポリプロピレンメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査するとともに、用途別需要動向や生産設備動向等を明らかにする。
調査対象:ポリプロピレン
調査方法:弊社専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用した。
調査期間:2023年4月~2023年7月
ポリプロピレン市場に関する調査を実施(2023年)
2023年のポリプロピレン出荷量は前年比103.4%の225万8,500トンの見込
~国内PPメーカーは樹脂の機能性向上に加え、環境対応製品のラインナップを強化~
前回版(2021年版)との違い
- PPメーカーの環境対応に関する内容を拡充
- 2024年のS&Bに関する記述を追加
リサーチ内容
調査結果のポイント
第1章 ポリプロピレン市場の展望
高機能×環境対応をフックとした需要開拓がこれからのPP市場を切り開く
「人口減少」「脱プラスチック」「安価な海外品の流入」
強まる需要の下押し圧力、高まるPPメーカーの“手詰まり感”
(図・表)PP国内需要量推移
PPの高機能化に加え、CN対応が最重要テーマとして浮上
技術開発・製品開発のみならず、普及拡大に向けた取り組みも始まる
(表)PPメーカーにおける開発テーマ・取り組み
「エンプラ代替」は金属代替に続く新たなテーマになり得るか?
資源循環スキームの構築が新たな材料開発や需要創出を生み出す
第2章 ポリプロピレン市場の動向
【1】各社の生産体制
国内PP生産能力はPPメーカーの積極的なS&Bにより262万t/年
2024年はプライムポリマー市原20万t稼働とJPP四日市8万t停止により274万t/年へ
(図)国内PP生産能力推移
2017年以降低迷が続く国内PP稼働率は2022年で底打ち、2023年は85%を超える見込み
(図・表)国内PP市場 稼働率推移
(表)PPメーカー生産能力及びシェア(2023年7月現在)
(表)PPメーカーのプラント体制(2023年7月現在)
(図・表)PPメーカーの生産能力推移
【2】需要分野別動向と展望
1.総出荷量
2022年の出荷量は原材料価格の高騰や半導体等の部材不足による需要低迷を受けて減少
2023年以降は自動車生産需要の回復などから前年を上回る見通し
(表)PPメーカーシェア推移(総出荷量)
2.国内需要
従来から取り組まれてきた機能性の向上に加え、環境関連での開発テーマが増加
プライムポリマーは「Re’PRM®」「Prasus®」、住友化学は「Meguri™」を立ち上げ
(表)PPメーカーシェア推移(国内)
3.射出分野
半導体等の部材供給不足の緩和による自動車生産の回復基調から、販売量は回復見込み
近年では自動車OEMにおけるリサイクル材採用の動きが活発化
(表)PPメーカーシェア推移(自動車)
家電向けは大幅な需要拡大は見込めないものの安定的な推移
(表)PPメーカーシェア推移(家電)
(表)PPメーカーシェア推移(射出その他)
4.フィルム分野
食品包装向けでは薄肉化やモノマテリアル化対応が開発テーマ
同分野ではバイオマスPPの需要も高く、PPメーカー各社では対応する製品をラインナップ
(表)PPメーカーシェア推移(OPP)
(表)OPPフィルムメーカー別出荷量推移
(表)PPメーカーシェア推移(CPP)
(表)CPPフィルムメーカー別出荷量推移
5.押出分野
米飯向けは新型コロナで消費者への認知拡大により、災害備蓄向けなどで現在も需要が拡大
(表)PPメーカーシェア推移(押出)
(表)PPF容器メーカー別出荷量推移
(表)発泡PP容器メーカー別出荷量推移
(表)透明PP容器メーカー別出荷量推移
6.繊維分野
マスク需要の急拡大に伴い海外品の流入が進み、一部では海外品への置き換えも進む
繊維分野の出荷量は減少基調も2023年に底打ち見込み
(表)PPメーカーシェア推移(繊維)
7.中空分野
トイレタリー分野ではバイオマス原料の使用やリサイクル関連の取り組みが活発化
リサイクラーや日用品メーカーでは水平リサイクルの実現に向けた取り組みや技術開発を推進
(表)PPメーカーシェア推移(中空)
8.輸出分野
高付加価値用途を中心に11~12万t/年程度の輸出規模を維持
(表)PPメーカーシェア推移(輸出)
(表)メーカー各社のポリプロピレン用途別販売動向(2020年)
(表)メーカー各社のポリプロピレン用途別販売動向(2021年)
(表)メーカー各社のポリプロピレン用途別販売動向(2022年)
(表)メーカー各社のポリプロピレン用途別販売動向(2023年見込み)
(表)メーカー各社のポリプロピレン用途別販売動向(2024年予測)
(図)PPメーカーシェア推移(総出荷量)
(図)PPメーカーシェア推移(国内)
(図)PPメーカーシェア推移(射出計)
(図)PPメーカーシェア推移(自動車)
(図)PPメーカーシェア推移(フィルム計)
(図)PPメーカーシェア推移(OPP)
(図)PPメーカーシェア推移(CPP)
(図)PPメーカーシェア推移(押出)
【3】PPコンパウンドの動向
2024年稼働予定のプライムポリマー・気相法20万t/年ラインはインラインコンパウンドを併設
(表)PPメーカー別国内コンパウンド拠点一覧
海外コンパウンド生産能力は2020年末126.9万t/年から2023年末には138万t/年へ
PPメーカーでは経済状況や需要動向等を見極めながら引き続き積極的な設備投資を推進
(表)国内PPメーカー 海外地域別コンパウンド生産能力及びシェア推移
(表)メーカー別海外コンパウンド拠点一覧
(表)地域別海外コンパウンド拠点一覧
(図)国内PPメーカー 海外コンパウンド生産能力及び地域別能力シェア推移
【4】高機能PPの動向
1.ガラス長繊維強化PP
プライムポリマー、JPPは長繊維GFPPの生産能力を拡大
住友化学では原料に再生PPを使用した短繊維GFPPや木繊維強化PPの展開を推進
2.メタロセンPP
「ウェイマックス™」は自動車内外装部品の塗装代替ニーズから
インサート成形やTOM工法などのフィルム加飾向けにも展開
輸出入
(表)ポリプロピレン輸出推移 (2019年~2022年)※前年比
(表)ポリプロピレン輸出推移 (2019年~2022年)※構成比
(表)ポリプロピレンホモポリマー輸出推移 (2019年~2022年)※前年比
(表)ポリプロピレンホモポリマー輸出推移 (2019年~2022年)※構成比
(表)ポリプロピレンコポリマー輸出推移 (2019年~2022年)※前年比
(表)ポリプロピレンコポリマー輸出推移 (2019年~2022年)※構成比
(表)ポリプロピレン輸入推移 (2019年~2022年)※前年比
(表)ポリプロピレン輸入推移 (2019年~2022年)※構成比
(表)ポリプロピレンホモポリマー輸入推移 (2019年~2022年)※前年比
(表)ポリプロピレンホモポリマー輸入推移 (2019年~2022年)※構成比
(表)ポリプロピレンコポリマー輸入推移 (2019年~2022年)※前年比
(表)ポリプロピレンコポリマー輸入推移 (2019年~2022年)※構成比
第3章 ポリプロピレンメーカーの動向と戦略
株式会社プライムポリマー
国内トップの生産能力と積極的な環境対応によりPP市場を牽引
2024年11月に市原工場で気相法20万t/年ラインが稼働開始予定
国内PP生産能力は126万t/年に拡大、HYPOLⅡ活用による競争力の強化へ
北米ではユーザーであるメガTier1とともにMR材の共同開発を継続
中国では2017年、2022年のデボトル増強により80,000t/年のコンパウンド体制を構築
新型コロナの収束や半導体不足の緩和から2023年以降の自動車向け販売量は回復を見込む
軽量化、CO2排出量削減、環境対応素材のニーズに対しては技術力を活かした製品群を提案
日本ポリプロ株式会社
PPの高付加価値化とカーボンニュートラル化を推進
CRやバイオエタノール由来の原料を用いたPPの製造・販売により環境負荷を低減
2024年3月に四日市工場・気相法ライン(8万t/年)の停止を発表
生産能力は3拠点計76.4万t/年へ
自動車向けでは軽量化への貢献を中心に開発を推進
OPPは高剛性、耐熱性の向上によりモノマテリアル化やバリア性向上を実現
「ウェイマックス™」は主力の発泡PP需要のほか、フィルム加飾による塗装代替需要にも対応
「ファンクスター™」では2021年に中国、2023年に北米で生産能力増強を実施
サンアロマー株式会社
他社との差別化を実現する高付加価値PPの追求によりユーザーニーズに応える
注力分野である自動車、食品包装、高機能フィルムへのアプローチを強化
「サンアロマー®Vシリーズ」は成形加工品の薄肉化や生産効率の向上に貢献
「クオリア®」はマイナス30℃から160℃までの幅広い温度範囲に対応
自動車向けでは九州エリアにおけるマーケティング強化が功を奏し、販売量は右肩上がり
環境意識の高い食品包装フィルム向けではLyondellBasell製のバイオマスPPを展開
住友化学株式会社
日本とシンガポールの一体運営により
CN技術の社会実装と既存重点事業のさらなる強化を図る
2023年4月、リバーと使用済み自動車由来PPのMRに向けた業務提携契約を締結
自動車関連メーカー向けに2025年度の再生PP供給を目指す
特長ある3拠点体制から、千葉を研究開発の起点とした日本、シンガポールの一体運営に転換
電気自動車の普及を背景としたPPコンパウンド需要の増加を見込みポーランド拠点を設立
リサイクル短繊維GFPPの生産によるシェア拡大を目指し、2022年夏より操業を開始
無菌米飯向けはコロナ禍で消費者への認知が拡がり、災害備蓄向けなどで現在も市場拡大続く
日本市場向けに木繊維強化PP材料「THERMOFIL NP®」の展開を図る
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