本書について：近年、「オタク」という言葉からネガティブなイメージは薄れつつあり、「オタク」はもはやマイナーな存在ではなくなっている。また、「オタク」が市場の担い手となっている産業も数多く存在し、経済に与える影響も大きくなっていると考えられる。
さらに、日本国内のみならず海外でも「オタク」向けとされているコンテンツ（アニメ、漫画、ゲーム等）は高い人気を誇っている。2010 年 6月には経済産業省が「クール・ジャパン室」を設置し、アニメなどを日本の戦略産業分野に位置づけ、海外展開を促進する「クールジャパン戦略」を推進している。
このような環境において、本書「クールジャパンマーケット／オタク市場の徹底研究」では、特に「オタク」と言われる熱量の高い人ファンや消費者に多く支えられている産業の中でも、これまでマーケット分析されることが少なかったニッチな分野にも注目し、可能な限り詳細な解説を行っている。
本書は、各分野の「オタク」を自認する消費者へのアンケートを集計した「消費者調査編」である。
なお、9月発刊の「市場調査編」では、弊社で定義した「クールジャパン／オタク市場」について、各市場の「市場構造」「市場動向」「業界動向」「消費者動向」「製品・サービストレンド」「市場トピックス」などの観点から分析・解説している。
本書が「クールジャパン／オタク市場」の理解や読者のビジネス・研究活動の一助となれば幸いである。
調査実施期間：2023年7月
調査方法：インターネットモニター調査
調査対象：ランダムに抽出した15～69歳の一般消費者 10,000人。本アンケートの「オタク」は、自身を「オタク」と自覚している人、もしくは他人から「オタク」であると言われたことのある人としている。
調査対象のオタク分野は、「アニメ」「漫画」「ライトノベル」「同人誌」「プラモデル」「フィギュア」「ドール」「鉄道模型」「アイドル」「プロレス」「コスプレ衣装」「メイド・コスプレ関連サービス」「スマートフォンゲーム」「家庭用・コンシューマーゲーム」「PC ゲーム」「インディー・同人ゲーム」「アナログゲーム」「トレーディングカード（ゲーム）」「ボーイズラブ」「音声合成」「トイガン」「サバイバルゲーム」「ラジコン」「ミニ四駆」「ミニカー」「声優」「PC 組み立て/電子工作」「ディズニー関連」「VTuber」「特撮」の 30 分野とした。

「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施（2023年）
時間もお金も掛ける傾向が強いのは「アイドルオタク」

• 熱量の高い消費傾向がある「オタク」を対象としたインターネット調査レポート
  ・10代～60代を対象に「オタク」を自認する人の属性、特徴、消費行動、オタク活動などを調査
  ・「オタク」を全30分野に分類し、各オタクの推定人口や年間消費金額などを推計
  ・「オタク」と「非オタク」についても属性、特徴、生活スタイルなどを比較分析
  ※30分野の内訳についてはリサーチ内容に掲載
• 「オタク」の活動状況、消費行動などを経年調査（2021～2023年）
  ・3ヵ年（2021～2023年）の調査結果から、各オタクの傾向を比較分析
  ・「オタク」と「非オタク」の属性、行動、特徴を比較分析
  ・オタク分野ごとの人口、年間消費金額、オタク歴、オタ活時間などを比較分析
  ※集計内容についてはリサーチ内容に掲載
• 前回版との違い
  ・調査対象となるオタク分野を増加
  →「デジタルゲーム」を「スマートフォンゲーム」「家庭用／コンシューマーゲーム」「PCゲーム」に分割
  →「ボーカロイド」を「音声合成（ボーカロイド・音声読み上げ・ボイスチェンジャー）」に範囲拡大
  →新たに「VTuber」「特撮」を追加
• オタク、非オタクを対象に「リアルイベント」に関する調査項目を追加