2023年版 ドライコーティング市場の全貌と将来展望
PDVとCVD、DLCの最適手法/レシピ選択でカーボンニュートラルに貢献
調査資料詳細データ
調査概要
資料ポイント
調査目的:金属基材への硬質コーティングとして、幅広い産業分野で利用が進んでいるドライコーティング(CVD、PVD、DLC)市場に関して、主要な受託加工メーカーや同関連(装置など)メーカーの事業戦略を取材調査することにより、現状の市場動向及び技術動向を分析するとともに、将来の市場規模予測を行った。
調査内容:
第 1 章 ドライコーティング市場の全貌と将来展望
第 2 章 各市場動向
第 3 章 関連組織動向
調査対象:ドライコーティング受託メーカー、同関連(装置など)メーカー、大学・研究機関
調査方法: 弊社、担当調査員による直接(一部 web 会議システムなどを使用した)面接取材を基本に、デスクリサーチ(新聞、業界紙、web)等による周辺調査を実施した。
調査期間:2023 年 9 月~2023 年 12 月
コロナ禍から回復し前年度比112%で308億円に
2025年度には業界の過去最高を更新へ
- 2019年度は335億円で、2020年度は275億円に落ち込むも、2021年度に308億円に回復、2022年度に310億円へと堅調な成長
- 2023年以降も微増傾向で推移し2026年度には349億円へ!
- CVDは一部処理がPVDに代替されるも特徴がヒットして根強く使用される
- PVDは新膜種の開発が増え、顧客ニーズに応えて堅実な市場
- DLCは多機能であることから対応する使用環境は選ばないなど人気膜種であるが、DC(ダイヤモンドコーティング)への開発も進められる
- ラインアップが膨大だが絞る動き活発で顧客への最適提案を実現
- 「表面設計コンソーシアム」設立!産学官連携の波及効果に期待
- 「PFAS」規制強化で新規コーティング需要が生まれる可能性高まる
- 物流2024年問題で納品スケジュール変更か?各社の対応に注目
前回版(2020年版)との違い:SDGsやカーボンニュートラル、環境負荷低減に関する情報を追加(関連組織動向)
リサーチ内容
調査結果のポイント
第1章 ドライコーティング市場の全貌と将来展望
ドライコーティング市場の全貌と将来展望
コロナ禍から回復し2021年度は前年度比112%で308億円に
2025年度には業界の過去最高を更新へ
ドライコーティングの定義
そもそもの表面処理の意味と役割
図.ドライコーティングの分類と調査対象範囲
多数のラインアップをいかにPRするかが鍵
認証取得など適宜活用し利益を最大化
表.表面設計コンソーシアム参画組織と役割
表.兼業企業一覧
「PFAS」規制強化でドライコーティング代替需要発生の可能性有
リードライムにおける物流工程が2倍寄与する業界
図.ドライコーティング企業における生産拠点のマッピング情報
表.ドライコーティング企業における生産拠点一覧
図.自動車及び自動車部品工場のマッピング情報
2020年度に底を打つが、コロナ禍を越え成長
2021年度実績は308億8,900万円で成長傾向へ
表.新型コロナウイルスに対して実施された行動制限スケジュール
表.実質GDPの推移(2018年度~2022年度)
図表.ドライコーティング膜種別市場規模推移と予測(2018年度~2026年度)
表.ドライコーティング受託加工メーカーシェア(2021年度)
第2章 各市場動向
1.方式種類別市場動向(CVD,PVD)
金型用途が多いCVDではトーヨーエイテックがシェアトップ
切削工具と金型用途が多いPVDではエリコンジャパンも安定首位
(1)CVD
図表.需要分野別市場規模推移(CVD、2019年度~2021年度)
表.メーカー別シェア(CVD、2021年度)
(2)PVD
図表.需要分野別市場規模推移(PVD、2019年度~2021年度)
表.メーカー別シェア(PVD、2021年度)
2.皮膜種類別市場動向(DLC)
東研サーモテックがDLCのパイオニアとして市場けん引
DLCの上位膜となるダイヤモンドコーティングも目下開発中
図表.需要分野別市場規模推移(DLC、2019年度~2021年度)
表.メーカー別シェア(DLC、2021年度)
3.用途分野別市場動向
切削工具と金型用途で市場過半数を占める
(1) 切削工具
図表.皮膜別市場規模推移(切削工具、2019年度~2021年度)
(2) 金型
図表.皮膜別市場規模推移(金型、2019年度~2021年度)
(3) 機械部品
図表.皮膜別市場規模推移(機械部品、2019年度~2021年度)
(4) 自動車部品
図表.皮膜別市場規模推移(自動車部品、2019年度~2021年度)
(5) その他
図表.皮膜別市場規模推移(その他、2019年度~2021年度)
第3章 関連組織動向
株式会社アイ・シイ・エス
熱処理と表面改質、接合対応可能な老舗熱処理総合企業
超大型炉や高付加環境下での採用で差別化強める
熱処理だけでなく表面改質、接合もできる総合熱処理プロフェッショナル
設立50年を迎え、柔軟な事業バランス
表.アイ・シイ・エス売上の事業別構成比率(2022年度)
表.膜種別コーティング受託加工実績推移と計画
表.膜種×需要分野別コーティング受託加工比率
モータースポーツ分野での実績が示す高い実力
世界有数の大型UBM炉で量産案件を高効率で対応
表.アイ・シイ・エスのDLC被膜製品ラインアップ
エリコンジャパン株式会社
グローバル企業のローカライズが奏功しているだけでなく
三方良しで日本市場に深く根差す
全世界37か国205の拠点で展開
日本法人はエリコンバルザーズとエリコンメテコが一つに
表.エリコンジャパン バルザーズ事業本部の生産拠点一覧
世界を代表するコーティングサービスプロバイダ
日本でモデルケースを構築し世界へ同じ品質を展開する
表.膜種別コーティング受託加工実績推移
表.PVDコーティング需要分野別比率(金額ベース)
表.DLCコーティング需要分野別比率(金額ベース)
薄膜がすべてを変える
非鉄材料加工の次なるステージへ
表.表面処理ソリューション「BALINIT」のラインアップ一覧(1/3)
表.表面処理ソリューション「BALINIT」のラインアップ一覧(2/3)
表.表面処理ソリューション「BALINIT」のラインアップ一覧(3/3)
表.表面処理ソリューション「BALIQ」のラインアップ一覧
表.表面処理ソリューション「BALDIA」のラインアップ一覧
表.表面処理ソリューション「BALIMED」のラインアップ一覧
表.表面処理ソリューション「BALITHERM」のラインアップ一覧
ノンコート領域へのコーティングの道のり
各種ワーキング推し進める
主に自動車領域で世界に先駆ける日本の設備
グローバル120か所における装置改造をけん引
図.同社コーティングマシン「INNOVENTA kila」外観図
日本の製造業としてまとまり世界へ対抗
自社と顧客の成長だけでなく社会貢献まで実現
オリエンタルエンヂニアリング株式会社
表面処理技術の総合メーカーとして滴中式から真空浸炭まで
対応可能な炉や経験豊富な熱処理、高機能被膜を展開
70年以上の歴史ある老舗双方表面処理技術の総合メーカー
国内外へサービス展開し顧客からの信頼厚い
長年愛用される炉だけでなく全自動の最新ハイテク炉も開発
Famasは引き合い増加し2024年~導入開始予定
図.オリエンタルエンヂニアリングのFamasによる全自動運転の概念図
図.オリエンタルエンヂニアリングのFamas集中監視システムの概念図
Xアルファーロゴスブランドとしてラインアップする高機能皮膜
アルミダイカストに最適なOMC(H)をリリース
株式会社オンワード技研
常に前進する薄膜創造企業
2023年11月に新社屋への移転完了し、さらなる飛躍
7,000点/日の処理こなし
多くのモノづくり業界から頼られる存在
新社屋への移転成功
BCP対策強化し安定供給能力向上
全方位の施策で中期経営計画推進中
ハードもソフトも改善
表.膜種別コーティング受託加工実績推移
表.膜種×需要分野別コーティング受託加工比率(2022年度/金額ベース)
表.オンワード技研のDLC皮膜一覧
表.オンワード技研のセラミック皮膜一覧
株式会社神戸製鋼所
世界初の蒸発源による新型旗艦モデル「AIP-iX」リリース
国内外グループ関連企業との協業であらゆる課題へ対応
コーティング装置・設備メーカーとしての側面強め
被膜の難題も装置・皮膜双方で解決
新規開発した蒸発源で新規フラッグシップモデルを展開
硬度を維持しつつAl含有量は70at%の領域へ
図.AIP-iXシリーズ外観画像
図.AIP-Sシリーズ(左)とUBMSシリーズ(右)の外観画像
皮膜コーティングは装置の販売促進目的
機械部品を中心に対応
表.神戸製鋼所の皮膜 BELCOAT®-AIPのラインアップ一覧
表.神戸製鋼所の皮膜 DLCによるBALCOAT™ラインアップ一覧
国内外のグループ企業と連携しあらゆる課題へ対応
欧州との情報共有により国内へ新しい知見を提供
鋼鈑工業株式会社
4つの事業を基軸に様々な分野で活躍するトータルエンジニア企業
大手からの認定受ける製品として高く評価される皮膜
東洋製罐グループのトータルエンジニア企業
オリジナル皮膜のHPCシリーズを展開
開所して成長著しい三島事業所
立ち上げフェーズから成長フェーズとなりさらなる拡大へ
表.鋼鈑工業のPVDコーティングラインアップ一覧
株式会社東研サーモテック
熱処理技術をベースとしたコーティング事業の拡大へ
DLCやDCを含むカーボン膜を幅広い事業へ提案
1世紀以上の熱処理をけん引してきた存在
国内12拠点、海外4拠点のグローバル展開
表.東研サーモテックの拠点と機能一覧
拡大継続するタイは設備量が日本国内の2倍
各国の特徴捉え、戦略進める
拡大傾向のコーティングはDLCが8割以上
新皮膜ダイヤモンドコーティングは2024年度稼働を目指し進む
表.膜種別コーティング受託加工実績推移
表.膜種×需要分野別コーティング受託加工比率(2023年度見込/金額ベース)
表.東研サーモテックのドライコーティング被膜一覧
トーヨーエイテック株式会社
「全国同一品質・保証」を掲げ、ひとつの工場を目指す
解析・設計・機械加工も可能な付加価値を提供
日本初となるCVD装置を導入し始めた事業
3工場4営業所で全国カバー
設計・機械加工も対応可能
被膜の表面処理も合わせたワンストップサービス提供
解析サービスで総合的な長寿命となる提案へ
被膜は最大公約数であるため数で勝負しているが、今後は絞り込みも検討
表.トーヨーエイテック被膜一覧(1/2)
表.トーヨーエイテック皮膜一覧(2/2)
株主企業と協業で提案
新規分野・領域へも力強く拡大
顧客状況に応じた柔軟な表面処理方式
理想はB to C
周辺技術分野・領域の展示会にも出て新規層を狙う
中日本炉工業株式会社
チャレンジングな老舗工業炉専門メーカー
AIやDXで先行したシステムで社内外の改善
チャレンジ精神強い工業炉専門メーカー
有事の際もコーティング処理対応可能で顧客からの信頼厚い
表.中日本炉工業コーティング受託加工実績推移と計画
AIやDXを駆使し社内外で改善を継続
SDGsや地域連携も強め企業価値向上
日本コーティングセンター株式会社
新設した名古屋第1工場の稼働で納期短縮・大口対応力強化
新規被膜開発だけでなく業務提携や環境負荷低減を進める
親会社トーカロとの連携でワンストップサービスの提供可能
全国カバーする拠点体制
表.日本コーティングセンターの生産拠点情報一覧
足元事業概要は活発
新工場や新規被膜の追加だけでなく業務提携も活用し顧客満足向上
表.コーティング受託加工実績推移
表.2022年度需要分野別比率(金額ベース)
多岐に渡る製品ラインアップ
類を見ない用途の幅
表.日本コーティングセンター被膜ラインアップ一覧(1/2)
表.日本コーティングセンター被膜ラインアップ一覧(2/2)
コーティング事業における課題と展望
自動車やカーボンニュートラル、半導体など各分野別に対策実施中
環境負荷低減の取組は省エネ・再エネがキーワード
2013年度比で46%削減の目標を掲げ、追加取組も増加
日本電子工業株式会社
プラズマ技術で高い技術を持ち
装置製造で培ったノウハウを表面処理にも生かす
多数の拠点と関係会社と共に最適な表面処理を提供
表.日本電子工業の拠点と関連企業一覧
ライセンスを活用し顧客への付加価値を提供
現場に即した評価からのPRや開発にも注力
新規の技術開発(金属3Dプリンタ)や人材育成、採用活動
CO2削減の目標を掲げ環境活動も活発
株式会社不二WPC
高い課題解決能力を持つ少数精鋭企業
1社での取り組みからコンソーシアムで複数社の取り組み開始
総合的な表面改質企業
食品・医療、工業、モータースポーツと多くの領域へ貢献
表.不二WPCの設備一覧
各業界へ最適なソリューションを提供
表面形状をつくり、保護するなどで複数課題を解決
解析・分析が可能なオープンラボを新設
自治体・他企業共に取り組むコンソーシアム始動
松山技研株式会社
金属の無限の可能性を求め
機械金属加工に必要なすべてのプロセスに対応
農機用作業機の老舗メーカーグループ
熱処理と表面処理の総合技術を提供するワンストップ企業
エクセレントシリーズとそこから進化したXシリーズ展開
近隣企業と連携取り組みによる短納期対応を実現
表.松下技研のコーティング事業における保有設備一覧
表.松山技研の膜種別コーティング受託加工実績推移と計画
表.松山技研の膜種×需要分野別コーティング受託加工比率
規模に関わらず展示会などPR継続
SDGsも積極的な取り組み
ユケン工業株式会社
地球に優しい表面処理技術のパイオニア
薬品・洗浄剤メーカーでもあるため最高の前処理による被膜形成
洗浄剤と薬品を取り扱う唯一無二のコーティング企業
金型専用被膜で高い顧客満足度を維持
表.ユケン工業のTL事業部におけるコーティング種類一覧
表.ユケン工業における分析・測定機器一覧
JFE精密株式会社
地域で光るJFEグループのコーティング企業
新規被膜「VSX®シリーズ」で徹底的に問題解決
JFEグループのコーティングメーカーとして
「One to One Spirits.」で顧客と共に1点ずつ対応
表.JFE精密の2022年度事業部門別売上一覧表
VSX®シリーズの新規ラインアップ「VSX®-ACR」追加
長年愛される被膜をベースに積層構造の改良で高性能化
表.JFE精密の被膜ラインアップ一覧
表.JFE精密のコーティング種類別実績と計画(2020年度実績-2023年度計画)
表.JFE精密の需要分野別比率(2022年度、金額ベース)
目的に向かってカタチを変える生産管理システム「ココロシステム」
現場の運用を優先し高効率な受託業務を支える
今後に向け取り組み強化、グループ同士/他組織連携、エンジニアの多面活用
地域貢献や環境負荷など価値向上の取り組み増加
SEAVAC株式会社
存在感強い金型領域以外へも注力
さらなる成長へ準備も進めるイノベーター
評価の高い「ZERO-Ⅰ(ゼロワン)コーティング」供給中
経営層の若返り・多様化も実現し成長続ける
図.SEAVAC保有設備の外観図(左:インライン装置AIP-IV65、
中:UBMS装置UBMS-504、右:PAIC装置PAIC-600)
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矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。
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